Sony WF-1000XM4 徹底解説:音質・ノイズキャンセリング・実用性を深掘りする
はじめに
Sony WF-1000XM4(以下WF-1000XM4)は、ソニーが2021年に発表したフラッグシップ完全ワイヤレスイヤホンです。小型化された本体に高度なノイズキャンセリング(ANC)や高音質コーデック、アップスケーリング機能を詰め込み、発表時点でのワイヤレスイヤホン市場をリードするモデルの一つとなりました。本稿ではWF-1000XM4の設計思想から音質、ANC、通話品質、バッテリー、実使用での注意点や最適化テクニックまで、できる限り事実ベースで深掘りして解説します。
外観・装着感・物理設計
WF-1000XM4は前モデル(WF-1000XM3)よりも本体を小型化しつつ、耳へのフィット感を向上させる新形状を採用しました。外観はマット仕上げで高級感があり、ケースもコンパクト。イヤーピースにはソニーの新設計ウレタンフォーム(フォームタイプのイヤーチップ)やシリコンタイプが用意され、遮音性と装着安定性の両立を図っています。耳の形に合った正しいイヤーピース選定が音質とANC効果に直結するため、まずフィッティングを慎重に行うことを推奨します。
音質:フラッグシップとしての実力
WF-1000XM4はハードウェア・ソフトウェアの双方で音質向上に注力しています。大型の新開発ドライバーと高品質な音響設計に加え、LDACコーデック対応、Sony独自のDSEE Extreme(AIベースの高音域補完)を備えることで、ストリーミング音源や圧縮音源の再現性を高めます。
- 低域:深みのある重低域再生が可能で、ボーカルや楽器の下支えをしつつ解像度を保つ傾向があります。ジャンルによってはやや厚めのサウンドとも感じられますが、アプリのイコライザーで好みに調整できます。
- 中域:ボーカルの存在感がしっかりしており、ポップスやアコースティックでの安心感があります。
- 高域:伸びは良く、LDACやDSEE Extremeを組み合わせれば情報量の多い高域を自然に再現しますが、音源やコーデック依存の面はあります。
総じて、WF-1000XM4は普段使いからリスニング志向まで幅広く満足できるチューニングで、特に高音質を重視するAndroidユーザー(LDAC対応端末)との相性が良いです。
ノイズキャンセリング(ANC)と外音取り込み
WF-1000XM4のANCは発表当時トップクラスと評価されました。ソニーの統合プロセッサーと高性能マイク、音響設計が組み合わさることで、低域から中域のノイズ除去に強みがあります。通勤・通学や機内など、連続した低周波ノイズの抑制力は特に優秀です。
外音取り込み(アンビエント)機能は自然な音の取り込みを目指しており、会話の一時的なやり取りには便利な『Speak-to-Chat』やタッチ操作で外音取り込みに切り替える機能が用意されています。周囲の状況に応じた自動切替や、Sony | Headphones Connectアプリによる細かな調整が可能です。
通話品質とマイク性能
WF-1000XM4は通話時の音声ピックアップ改善のためにビームフォーミングマイクや骨伝導センサーなどを活用しています(ソニーの公表情報に基づく)。これにより静かな環境での通話はクリアで、屋外の風ノイズや環境ノイズ下でも前モデルより改善が見られます。ただし、強風下や非常に雑踏のある場所では依然として難易度が上がるため、期待しすぎない方が良い場面もあります。
接続性とコーデック・機能面
- BluetoothバージョンはBluetooth 5.2を採用(ソニー公表)。安定性と省電力性の向上が図られています。
- 対応コーデックはLDAC、AAC、SBC。aptX系は非対応です。LDAC対応機器と組み合わせるとハイレゾ相当の高ビットレート伝送が可能になるため、対応端末では音質的な恩恵が大きいです。
- ソニーは発売後のファームウェアで機能性を追加しており、例えばマルチポイント接続のサポートが後のアップデートで改善されたことがあります。常に最新のファームウェア適用を推奨します。
バッテリーと充電
ソニーの公称値では、イヤホン単体での再生時間やケース併用時の総再生時間が提示されています(ANCオン/オフで差が出ます)。また、短時間の急速充電(クイックチャージ)により短時間で数十分〜1時間程度の再生が可能な仕様となっており、実使用での利便性が高いです。ケースはUSB-C充電に対応し、Qiワイヤレス充電にも対応しています。
現実の使用では、音量やコーデック、ANC設定、通話頻度によって持ち時間は変動します。長時間の使用を考えるなら、ケースの残量管理とアプリでの省電力設定の活用がおすすめです。
使い勝手・アプリ連携
Sony | Headphones ConnectアプリはWF-1000XM4の細かなチューニングを可能にします。イコライザー、外音取り込みのカスタマイズ、イコライザーのプリセット、360 Reality Audioの設定、タッチ操作の割り当て、サウンド位置の最適化(Adaptive Sound Controlやプレイスメント)など多彩です。ユーザーインターフェースは直感的で、細かい好みを反映しやすい点が評価されています。
ライバル機との比較
同クラスの有力モデルとしてはBose QuietComfort EarbudsやSennheiser Momentum True Wireless 2、Apple AirPods Pro(世代による)などがあります。WF-1000XM4は総合力、特にANCと音質のバランスで優位性を発揮しやすく、Android環境でLDACを活かせる点が差別化要素です。一方で、Appleのエコシステムにおけるシームレスな接続や、一部ライバルの通話性能/フィット感が好まれる場面もあります。
落とし穴・注意点
- フィット感に個人差があるため、購入前に試聴と最適なイヤーチップ選定が重要です。
- LDACは対応端末が必要で、iPhoneなどの一部端末ではLDACを利用できません(iOSはLDAC非対応)。
- 強風下や非常に騒がしい環境では通話品質が落ちることがあります。
- イヤホン本体は防滴(IPX4)ですが、防水仕様ではないため水没や多量の水濡れは避ける必要があります。
メンテナンスと長期使用のコツ
イヤーチップやイヤホン本体のメンテナンスは、音質維持と衛生のために重要です。イヤーチップは定期的に取り外して汚れを落とし、充電端子の接点も柔らかいブラシ等で清掃してください。ケース内の接触不良は充電トラブルに直結するため、ホコリや耳垢の堆積を防ぎましょう。また、ファームウェアは定期的に確認し、アップデートで改善される機能を取り入れることをおすすめします。
総評:買うべきか?誰に向くか
WF-1000XM4は高音質と強力なANC、充実したアプリ機能を兼ね備えたオールラウンド機です。特に高音質を求めるモバイルオーディオ愛好家、通勤・通学でノイズ抑制を重要視する人、AndroidでLDACを活かしたい人に合います。一方、装着感の好みやiPhoneユーザー特有のワイヤレス体験(例:空間オーディオ/シームレス切替)を重視する場合は、他機種と比較検討する余地があります。
購入前のチェックリスト
- 試聴で自分の耳に合うか確認する
- 使用端末がLDAC対応か(高音質を重視する場合)
- 通話や外出時の使用シーンを想定してANCやマイク性能が合うか検討する
- ケースのサイズや充電方式(Qi対応か)、長期的なメンテナンス性を確認する
結論
Sony WF-1000XM4は、リスニング品質とノイズキャンセリング性能を高次元で両立させた完全ワイヤレスイヤホンです。個々の耳の形状や使用環境による差はありますが、総合性能の高さから多くのユーザーにとって満足度の高い選択肢となるでしょう。正しいフィッティング、最新ファームウェアの適用、アプリでのチューニングを組み合わせれば、製品の持つ実力を最大限に引き出せます。
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参考文献
※以下は参照元の代表的な情報源です。詳細な技術仕様や最新のファームウェア情報は公式サイトや信頼できるレビューを併せてご確認ください。
- Sony - WF-1000XM4 製品ページ
- The Verge - Sony WF-1000XM4 レビュー
- Rtings - Sony WF-1000XM4 Review
- SoundGuys - Sony WF-1000XM4 Review
- What Hi-Fi? - Sony WF-1000XM4 Review


