Jabra Elite 75t徹底レビュー:音質・装着感・通話性能からアップデートで追加されたANCまで深掘り

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はじめに — Jabra Elite 75tとは何か

Jabra Elite 75tは2019年に発表された同社の完全ワイヤレスイヤホンで、コンパクトな筐体と優れた装着安定性、実用的なバッテリー持続時間、通話性能の良さで注目を集めました。発売当初はパッシブノイズアイソレーションを重視した設計でしたが、後のソフトウェアアップデートによりアクティブノイズキャンセリング(ANC)が追加されるなど、製品寿命を通じて機能向上が図られたモデルでもあります。本コラムでは設計、音質、通話、アプリ/ファームウェア、実用面での使い勝手、競合との比較、メンテナンスや長期使用の注意点まで幅広く検証していきます。

デザインと装着感

Elite 75tは非常にコンパクトなハウジングと短めのステムを採用し、装着すると耳に収まりやすい形状です。重量は片側およそ5.5g程度と軽量で、長時間着けても疲れにくいのが特徴。付属のイヤーゲル(S/M/L)でフィットを調整でき、正しいサイズを選べば高い密閉感と安定性を得られます。密閉性の高さは結果的にパッシブな遮音性向上にも寄与します。

防水性能はモデルによって異なり、標準のElite 75tはIP55(防塵・水噴流耐性)で日常利用やスポーツの汗程度には強い設計。一方でElite Active 75tはIP57の等級で、より高い防水・防塵性能を有します。充電ケースは小型で携帯性に優れ、USB-C充電に対応しています(付属ケーブルあり)。

音質 — チューニング傾向と実音評価

Jabraは発売時に比較的ローミッド〜ローエンドをしっかり強調した、いわゆるV字型に近いチューニングを採用しています。低域に力感がありポップスやEDMなどのリズム主体の楽曲では満足度が高い一方で、ハイエンドの伸びやかさや極めて繊細な音場表現を重視するリスナーにはやや物足りない場合があります。

アプリ(Jabra Sound+)内のEQで細かく音作りができるため、必要に応じて中高域を持ち上げたり、低音をコントロールしてバランスを整えると良いでしょう。一般的な音楽鑑賞用途ではバランスの取れた音作りが可能で、ボーカルの明瞭さ・低域の締まりともに評価できます。

アクティブノイズキャンセリング(ANC)について

重要なのは、Elite 75tは発売直後には本格的なANCを搭載していませんでしたが、後のソフトウェア/ファームウェアのアップデートでANC機能が追加されました(Jabraのサポートやアップデート情報を参照してください)。追加されたANCは同世代のハイエンドANC機能(例:SonyやAppleの専用ハードウェア搭載モデル)と比べると積極的に雑音を打ち消す力は控えめですが、通勤やカフェなどの低〜中域ノイズを軽減する上では実用的です。また、HearThrough(外音取り込み)モードにより周囲の音を取り込めるため安全性も確保できます。

バッテリーと充電

メーカー公称ではイヤホン単体でおよそ7.5時間、ケース併用で合計約28時間の再生が可能とされています。実使用では再生音量や使用している機能(ANCの有無、通話頻度など)によって変動しますが、日常的な利用で丸一日(通勤+昼休み+終業後)をカバーするスタミナは持っています。短時間充電(クイックチャージ)にも対応しており、短時間の充電で数十分の再生ができるようになっています。

通話性能とマイク

通話品質はJabraの強みの一つで、複数マイクを用いた音声処理により風切り音や環境ノイズを抑えてクリアな声を伝えやすい点が評価されています。リモート会議や外出先での通話、通話主体の業務用途にも適しており、片側だけでの単体使用(モノラル)にも対応するため柔軟に使えます。

接続性・コーデック・アプリ

Bluetoothはバージョン5.0を採用し安定した接続が期待できます。対応コーデックはSBCとAACで、aptX系には非対応です。Androidでの高音質コーデックを重視するユーザーはここを留意してください。Jabra Sound+アプリ(iOS/Android)を使うとEQの調整、HearThroughレベルの設定、ソフトウェア更新、MySoundの個人化などが可能で、アプリのサポートにより機能性が拡張されます。

ファームウェアでの進化とサポート

Elite 75tは発売後に複数回のソフトウェア更新を受けており、ユーザー体験が改善されてきました。前述のANC追加やHearThroughの改善、接続安定性の向上などが行われてきた実績は、ハードウェアの購入後も長期間安定して使えるという利点を示しています。製品寿命を通じたサポートの継続は、購入判断の大きなポイントとなります。

実運用でのコツと注意点

  • フィットの最適化:付属イヤーピースで最も密閉されるサイズを選ぶと低域と遮音性が向上します。
  • マイクロファームケア:耳垢や水分がマイクや充電端子に付着すると性能低下や充電不良を招くため定期的な清掃が必要です。
  • ANCの設定:アプリでANCの強度やHearThroughを調整し、シーンに応じて使い分けるとバッテリー効率も上がります。
  • 音量管理:長時間の高音量再生はバッテリー劣化や聴覚への影響につながるため注意してください。

競合との比較

同時期のライバルとしてはApple AirPods ProやSony WF-1000XM3/WF-1000XM4、Samsung Galaxy Buds+などが挙げられます。AirPods Proはデバイス間連携やANCの自然さ、通話の安定性で優れており、SonyはANC性能と音場表現が強み。Jabra Elite 75tはこれらに比べるとANCの性能面ではやや劣るものの、コンパクトな筐体、優れた通話品質、堅牢なフィット感、そしてアプリでの柔軟なカスタマイズ性で差別化されています。コストパフォーマンスを重視するユーザーには魅力的な選択肢です。

長期使用での評価と買い替え目安

バッテリーは消耗品なので使用頻度により数年で持続時間が短くなる点は避けられません。稼働時間が顕著に落ちた場合は交換か買い替えを検討するタイミングです。Jabraはソフトウェアアップデートで価値を維持してきた実績があるため、購入後も一定期間は満足して使えるケースが多いでしょう。

総評 — 誰に向くプロダクトか

Jabra Elite 75tは、通勤・通学、外出先での通話、スポーツやアクティブなシーンでの利用を想定するユーザーに特に向いています。音楽リスニングでもポピュラー音楽やリズム重視のジャンルを好む人、外音取り込みやアプリでのカスタマイズを重視する人にもおすすめです。一方でハイエンドなANC性能や最先端のコーデックを重視するオーディオマニアには、別機種を検討する余地があります。

購入時のチェックリスト

  • イヤーピースのサイズが合うか
  • 防水性能(IP等級)が自分の利用シーンに適しているか(通常モデルはIP55、ActiveはIP57)
  • 自分の機器がAACでの再生に適しているか、aptXを重視するか
  • サポートとアップデートの継続性

おわりに

Jabra Elite 75tは、発売当初の「小型でフィット感が良いイヤホン」という評価にとどまらず、ソフトウェアによって機能拡張され続けた製品です。音質、通話性能、装着感、バッテリー持ちのバランスが良く、総合的な実用性の高さから長く支持されているモデルと言えます。導入前には用途と優先順位を整理し、アプリを用いたカスタマイズで自分好みのチューニングに仕上げることをおすすめします。

参考文献