Sony WH-1000XM4 徹底レビュー:ノイズキャンセリングの真価と音質・機能を深掘り

Sony WH-1000XM4 概要と発売情報

Sony WH-1000XM4(以下XM4)は、ソニーが2020年に発表したハイエンドワイヤレスヘッドホンの代表モデルです。前モデルWH-1000XM3の完成度をさらに磨き上げ、ノイズキャンセリング性能、通話機能、日常での使い勝手をブラッシュアップした点が特徴です。発売当初は米国での希望小売価格が約$349(モデルにより地域差あり)で、同年夏に市場投入されました。

デザインと装着感

外観はXM3とよく似た落ち着いたバンド型オーバーイヤー形状で、折り畳みも可能なコンパクト設計。イヤーパッドの素材感やクッション性は改良され、長時間装着しても疲れにくい作りになっています。公称重量は約254gで、持続的な装着に耐えうる軽さと剛性のバランスを実現しています。

ノイズキャンセリング(ANC)とマイク機能

XM4は、ソニーのノイズキャンセリング技術を担う「HDノイズキャンセリングプロセッサーQN1」を搭載し、周囲雑音を高いレベルで低減します。ANCの効きは日常の通勤やカフェ、機内といった環境で非常に効果的で、中高域の人声や低域の走行音の抑制が優秀です。XM3からの進化点として、環境認識や会話検知の処理が向上し、より自然に周囲音の取り込みや切替が行われます。

音声通話や音声アシスタント用の拾音面では、複数のマイクと骨伝導センサーを組み合わせた音声ピックアップ技術(Sonyが公表している技術)により、屋外の騒音下でも通話品質の向上が図られています。完全無欠ではないものの、前世代と比べて通話の明瞭性は改善されています。

サウンドクオリティとチューニング

XM4の音質は総じてバランスが良く、ポップスやロック、ジャズ、クラシックまで幅広く対応します。低域の量感は十分にありながらも解像感を維持し、中域のボーカルを前に出すチューニングはソニーらしい音作りです。高域は刺さりにくく長時間リスニングに向いています。

ソニー独自の音質補正技術「DSEE (Digital Sound Enhancement Engine) Extreme」を搭載し、圧縮音源の高域帯をAIにより復元することで、ストリーミング音源や圧縮ファイルの聴感を改善します。また、Headphones Connectアプリを通じてイコライザー調整が可能で、自分好みの音に細かく調整できます。

主な機能:使い勝手とアプリ連携

  • マルチポイント接続:2台のBluetooth機器を同時に接続可能で、スマホとPCを跨いだ利用がスムーズになります。
  • Speak-to-Chat:話し始めると自動的に音楽を一時停止しアンビエント(外音取り込み)に切替える機能。会話のたびに手で操作する手間を省きます。
  • 装着検出(wear sensing):ヘッドホンを外すと再生を一時停止、再装着で再生を再開する機能。
  • タッチ操作:イヤーカップのタッチパネルで再生、停止、音量調整、曲送りなどが可能。
  • 360 Reality Audio 対応:対応配信サービスでの立体音響再生をサポート。
  • Headphones Connectアプリ:イコライザー、アダプティブサウンドコントロール、外音取り込みレベルの細かな調整やファームウェアアップデートを提供。

バッテリーと接続性

公称バッテリー持続時間はノイズキャンセリングONで最大約30時間(使用状況によって変動)。ANCをオフにするとさらに長時間再生が可能です。急速充電に対応しており、約10分の充電で数時間(メーカー公称値では約5時間)の再生が可能な点は外出時に安心感があります。BluetoothコーデックはSBC、AAC、LDACに対応しており、高音質でのワイヤレス伝送が可能です。

長所(メリット)

  • 業界トップクラスのノイズキャンセリング性能と快適な装着感。
  • DSEE ExtremeやLDAC対応によりワイヤレスでも高音質再生が可能。
  • マルチポイント、Speak-to-Chat、装着検出など日常利便性の高い機能が揃う。
  • アプリ連携で細かな音や動作のカスタマイズが可能。

短所(デメリット)

  • 外観や基本的な音の傾向はXM3から大きく変わらないため、XM3ユーザーにとっての劇的なアップグレード感は限定的。
  • 通話品質は改善されているものの、極端に風が強い場所や非常に騒がしい環境では課題が残る。
  • オーディオマニア向けにはワイヤレスでも有線接続や専用アンプでの差が気になる場合がある。

購入を検討する際のアドバイス

日常の移動、出張、集中したい作業時に雑音を遮断して音楽や会話を楽しみたい人には非常に有力な選択肢です。特に通勤・通学やリモートワークの集中用としてはコストパフォーマンスが高いモデルと言えます。一方で、すでにWH-1000XM3を所有していて不満が少ない場合は、買い替えのメリットを慎重に検討してください。また、価格が下がるタイミング(セールや型落ち)を狙うのも賢明です。

技術仕様(主なスペック)

  • ドライバー:40mmダイナミックドライバー(仕様はメーカー公表値に準拠)
  • ノイズキャンセリングプロセッサー:HDノイズキャンセリングプロセッサー QN1 搭載(ソニー公表)
  • ワイヤレス:Bluetooth(コーデック:SBC/AAC/LDAC)
  • バッテリー:最大約30時間(ANCオン時、使用状況により変動)
  • 急速充電:約10分充電で数時間再生(メーカー公表値:約5時間)
  • 重量:約254g
  • 対応アプリ:Sony | Headphones Connect(イコライザー、アップデート等)
  • 付属品:USB-C充電ケーブル、オーディオケーブル、キャリングケースなど(地域により付属品が異なる場合あり)

まとめ

Sony WH-1000XM4は、ノイズキャンセリング性能、音質、日常での利便性のバランスに優れたヘッドホンです。DSEE ExtremeやLDAC対応、マルチポイント接続、Speak-to-Chatなど実用的な機能が多くのユーザーの期待に応えます。競合する製品も増えていますが、総合力の高さから依然としておすすめしやすいモデルであることに変わりません。購入を検討する際は、自分の使い方(通勤中心、在宅中心、音質重視か利便性重視か)を整理したうえで、実機視聴やセール時期をチェックすることを推奨します。

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参考文献