Bose QuietComfort 45徹底レビュー:音質・ノイズキャンセリング・使い勝手を詳解

イントロダクション

Bose QuietComfort 45(QC45)は、2021年9月に発表されたBoseのオーバーイヤー型ワイヤレスヘッドホンで、同社の人気モデルQuietComfortシリーズの最新版です。本稿では、デザインや装着感、ノイズキャンセリング(ANC)、音質、バッテリー・接続機能、専用アプリや運用面での実用性、そして競合モデルとの比較までを詳しく掘り下げ、音楽リスニングを中心に実際の利用シーンを想定して評価します。事実関係は公式情報や主要レビューを参照して確認しています。

基本仕様とポイントのまとめ

  • 発売時期:2021年9月発表(QuietComfortシリーズの後継)
  • ノイズキャンセリング:Boseのアクティブノイズキャンセリング技術(Quiet/Awareの2モード)
  • 連続再生時間:公称約24時間(フル充電)、急速充電15分で約3時間の再生が可能
  • 充電ポート:USB-C
  • Bluetooth接続:ワイヤレス対応(マルチポイント接続対応があるモデル)
  • 重量と装着感:軽量で快適性重視の設計、長時間使用向け

デザインと装着感

外観はQuietComfortシリーズの伝統を踏襲しつつ、細部でモダン化が図られています。素材はプラスチックを主体にしつつ、イヤーカップのクッションやヘッドバンドの当たりは柔らかく、重さも比較的軽量に抑えられているため長時間リスニングでも疲れにくい設計です。折りたたみ収納が可能で、付属のキャリングケースに収まるので持ち運びもしやすい作りです。

装着感はQC35 IIに近く、耳をしっかり覆うオーバーイヤー形状と適度なクランプ力(頭を挟む力)のバランスで、遮音性と快適性を両立しています。暑さや蒸れはイヤーパッド素材による影響があるため、長時間の着用では個人差が出ますが、一般的にはビジネス出張やフライトなどでの長時間利用に適しています。

ノイズキャンセリング(ANC)の性能と挙動

BoseはANC技術で長年高評価を得ており、QC45でもその方向性は継承されています。QC45では「Quiet(ノイズキャンセリング)」モードと「Aware(外音取り込み)」モードの2つが用意され、静かなリスニング環境を作るか、周囲の音を取り込んで安全性や会話を確保するかを切り替えられます。

実使用では、低域の定常的な騒音(エンジン音や空調音)に対する抑制効果が高く、機内や通勤電車などの環境で快適に音楽に集中できます。一方で中高域の突発的な音(人の声や金属音など)は完全に消えるわけではなく、BoseのANCは自然さを重視するチューニングになっているため、完全遮断型のANCとは方向性が異なります。この点は、例えば同じ価格帯の一部モデル(Sony WH-1000XMシリーズなど)のようにANCの調整幅が広い製品と使い分ける余地があります。

音質—音楽リスニングとしての評価

音質面では、QC45はBoseらしい「聴きやすさ」と「バランスの良さ」を重視したチューニングです。低域は量感がありながらもやや丸みを帯び、ポップスやロック、EDMなどで重厚感を出しつつ、中域のボーカルは前に出て聴き取りやすい特性があります。高域は刺激が抑えられており、長時間聴いても疲れにくい設計です。

クラシックやジャズのような音場表現が重要なジャンルでは、ヘッドホン本体の密閉型設計とBoseの内部チューニングにより、若干“近め”の定位感が得られます。音楽のディテールを厳密に解析するタイプのモニターヘッドホンとは異なり、リスニング志向の暖かみあるサウンドが特徴です。

通話品質とマイク性能

QC45はハンズフリー通話やミーティング用途でも使えるマイクを搭載しており、屋内や静かな屋外での通話品質は実用的です。風切り音や騒音下でのマイク動作は、専用のノイズ処理や指向性により一定の抑制効果がありますが、非常に風が強い状況や騒音が激しい環境では通話相手にノイズが届くこともあります。通話のクリアさは期待できますが、専用のビジネス向けヘッドセットよりは用途が限定されます。

バッテリーと充電、接続機能

公称の連続再生時間は約24時間で、日帰り〜数日の外出なら充電を気にせず使えるスペックです。またUSB-Cによる充電に対応し、充電時間や持続時間の扱いが現代的になっています。公式には急速充電で15分の充電が約3時間の再生に相当するとされていますので、出発直前の短時間充電でも安心です。

Bluetooth接続では、複数機器を同時接続できるマルチポイント機能に対応するモデル仕様があり、スマートフォンとPCを同時に接続して利用するなどの利便性が高いです。Bluetoothコーデックは基本的なA2DP/AVRCP/HFPに対応しますが、aptXやLDACのようなハイレゾ向けコーデックの対応状況はモデルや地域で異なります。音質や遅延に厳しい用途では、有線接続(付属のケーブルでの有線リスニング)を検討するのも手です。

専用アプリとカスタマイズ性

Bose Musicアプリ(またはBoseの専用アプリ)を通じて基本的なファームウェア更新や接続管理が可能です。ただし、ANCの細かいレベル調整や詳細なイコライザー(EQ)調整は製品によって制限があるため、音質の細かなカスタマイズを求めるユーザーは注意が必要です。シンプルで扱いやすい反面、専門的なチューニング機能は他社の一部機種に劣ります。

比較:QC45 vs QC35 II / QC45 vs WH-1000XM4

・QC35 IIとの比較:QC45はUSB-C採用やバッテリー性能・ANCの微調整、マイクやドライバーの最適化などの点で進化しています。装着感や基本的な使い勝手はQC35 IIの良さを引き継ぎつつ、現代のワイヤレス規格に合わせた改善がされています。

・Sony WH-1000XM4との比較:SonyのWH-1000XM4はANCのカスタマイズ性や音質調整の自由度、コーデック対応の面で優位な点が多く、音質の細かい好みに応じた設定が可能です。一方でQC45はチューニングが自然でマイルド、装着感や直感的な使い勝手を重視するユーザーに向いています。総合的なANCの強さや機能の豊富さを重視するならSony、シンプルで安定した体験を好むならBoseという棲み分けです。

音楽ジャンル別の向き・不向き

  • ポップス/ロック:向いている。ボーカルの聴きやすさと低域の厚みで楽曲の魅力が出やすい。
  • EDM/ヒップホップ:向いている。低域の存在感があるが、過度に締まった低音を好む場合は物足りなさを感じることもある。
  • ジャズ/クラシック:やや近めの音場感で、音場の広がりや超微細な音の分離を重視するリスナーにはモニター系ヘッドホンの方が好まれる。

実用上のメリットとデメリット

メリットとしては、抜群の装着感と安定したANC、長時間再生、USB-C対応の利便性、Boseらしい自然で疲れにくい音作りが挙げられます。デメリットは、ANCや音質の細かいカスタマイズ性が限定的で、ハイレゾコーデック対応やプロフェッショナル向けのモニタリング特性を求めるユーザーには物足りない点です。

購入を検討する際のポイント

QC45は「音楽を快適に長時間楽しみたい」「飛行機や通勤でのノイズを十分に抑えたい」「操作が分かりやすく安定した接続を重視する」といったニーズに合致します。反対に「ANCの細かい調整や最高レベルのノイズキャンセリング」「詳細な音質チューニング」「最先端の高解像コーデック利用」を重視するなら、他モデルとの比較検討を推奨します。

まとめ(総合評価)

Bose QuietComfort 45は、シリーズ伝統の“快適でストレスの少ない聴取体験”を現代のワイヤレス仕様にアップデートしたモデルです。のんびりと音楽を楽しみたいリスナーや、移動時に安心して使えるヘッドホンを求める人には非常に向いています。機能面での派手さは控えめですが、安定感と実用性という面で高い評価ができます。

購入後の活用アドバイス

  • フライトや長時間移動での使用:ANCをQuietにしてプレイリストを流すだけでかなりのノイズ軽減効果を体感できます。
  • デスクワークや集中用途:Awareモードで周囲の音を取り込みつつBGMを流す運用が便利です。
  • 通話利用時:静かな屋内では問題ありませんが、屋外での通話頻度が高い場合は風対策やマイク性能の限界を念頭に置いてください。

購入を検討するユーザー別の推奨

  • 初心者〜中級者:迷わずおすすめ。使いやすさと快適性重視なら満足度が高い。
  • 音質マニア:チューニングの方向性を好むなら問題なしだが、詳細調整やハイレゾ再生を重視するなら別機種検討を。
  • ビジネスユーザー:長時間会議や出張用途でのバランスが良く、持ち運びにも便利。

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参考文献