AKG N700NC M2 徹底レビュー:音質・ノイズキャンセリング・実用性を深掘りする
はじめに
AKG N700NC M2は、AKG(Harman傘下)が投入したアクティブノイズキャンセリング搭載のオーバーイヤーヘッドホンです。本稿ではデザイン、装着感、ノイズキャンセリング性能、音質、接続性、バッテリー持続時間、実使用での利便性などを細かく掘り下げ、購入検討者にとって役立つ実践的な情報を提供します。メーカー仕様だけでなく、実際のリスニングや外出での使用感をもとにした評価を中心にまとめます。
デザインと造り
N700NC M2は見た目に洗練された大人向けデザインで、マットなカラーと金属パーツをアクセントにした外観が特徴です。ヘッドバンドやイヤーカップは折りたたみ構造を採用しており、持ち運び時の収まりが良く、付属ケースで保管しやすい設計になっています。イヤーパッドにはクッション性の高い素材が使われ、長時間装着しても耳周りの痛みが出にくい点が評価できます。
装着感とフィット感
クランプ(締め付け)力は比較的中庸で、通勤・通学時の歩行や短いランニング時にも安定します。一方でヘッドの大きさや耳の形により個人差はあるため、長時間のヘビーリスニングでは感触が異なる可能性があります。イヤーパッドの密閉性は十分で、パッシブでの遮音性も確保されています。
ノイズキャンセリング(ANC)性能
ノイズキャンセリングは都市の通勤電車やカフェの環境で効果を実感できるレベルです。低域(エンジン音・車両の唸り)は比較的よく抑えられ、中高域の人声やアナウンスの抑圧はモデルや設定によって差が出ます。完全に無音化するタイプではなく、周囲の音を自然に削ぎ落とす方向のチューニングで、音楽を流すとノイズが気になりにくくなるバランスです。
本機はANCのオン/オフ切り替えが可能で、必要に応じて外音取り込みや環境音を聞きやすくする“透過”に近い挙動を期待することができます。街中での安全性確保や会話への即時対応を重視する場面でも使いやすい作りです。
音質(サウンド特性の詳解)
AKGらしい“バランス重視”のチューニングが特徴で、ボーカルの前後感と明瞭さに長けています。以下、帯域別に詳述します。
- 低域(ベース・キック):量感は過剰でなく、楽曲のテンポやアタック感を損なわない締まった低域。EDMやヒップホップの重低音を強く求めるリスナーにはやや物足りないと感じる場合がありますが、ジャズやアコースティックでは細かなリズム表現の良さが出ます。
- 中域(ボーカル・ギター):本機の魅力の中心。ボーカルは明瞭かつ自然で、声のニュアンスがよく伝わります。ポップスやアコースティックでの聴き心地が特に良いです。
- 高域(シンバル・空気感):派手さよりもコントロール重視。高域の伸びは十分にあり、スネアの細かな倍音やハイハットの粒立ちをきちんと描写しますが、極端なシャープネスは避けられています。
- サウンドステージと定位:クローズド型としては比較的開放感があり、楽器の定位がはっきりしています。オーケストラやアコースティック系でも演奏位置の把握がしやすい点は評価できます。
コントロールとマイク性能
再生/停止や曲送り、電話応答などの基本操作は直感的に行えます。ビルトインマイクはハンズフリー通話で実用的なレベルを確保しており、屋内や静かな環境での通話は良好です。ただし風が強い屋外や雑踏ではノイズが入りやすく、通話品質は環境に依存する点に注意してください。
接続性と対応コーデック
Bluetooth接続によりワイヤレスでの利用がメインになります。標準的なスマートフォンやタブレットと組み合わせてストレスなく使える安定性を備えています。対応コーデックは機種やファームウェアによって変動することがあるため、明確なコーデック表示が必要な場合は購入前に公式情報を確認してください。ワイヤード接続用のケーブルが付属し、充電切れ時やレイテンシーを気にする用途でも利用可能です。
バッテリー持続時間と充電
バッテリー持続時間に関しては使用状況(ANCのオン/オフ、音量、接続デバイス)で変動します。メーカー公称の値が存在するモデルもありますが、実使用ではそこから前後するため、長時間移動が多い方は予備手段(有線接続や携帯充電)も検討すると良いでしょう。充電はUSB経由で行い、短時間での一時的な充電で数時間の再生が可能な場合もあります。
ライバル機との比較
ノイズキャンセリング市場ではソニーやボーズの上位モデルが強豪ですが、AKG N700NC M2は「音質のバランス」と「装着感」の良さで差別化されています。強いANCや高度な機能(多段階のANC調整や高度なアプリ連携)を重視するならライバル機のほうが優位な場合がありますが、音楽を中心に高品位な再生を求める人には本機のバランスが合う可能性が高いです。
長所と短所(まとめ)
- 長所:音のバランスが良く、特に中域の表現力が高い。装着感が良く長時間でも疲れにくい。デザインが落ち着いていて普段使いに馴染みやすい。
- 短所:ANCの絶対性能はトップクラスに及ばない場面がある。低域の迫力を重視するユーザーにはやや物足りない可能性。ファームウェアやコーデック対応は購入前に要確認。
誰に向いているか
音楽を主目的にしたヘッドホン選びで、ナチュラルかつバランスの良いサウンドを求めるリスナーに適しています。通勤・通学などでのノイズ軽減も期待できますが、究極のANC性能や強烈な重低音を求める人は他モデルと比較検討する価値があります。
使い方のコツとメンテナンス
- 長時間利用後はイヤーパッドを柔らかい布で拭き、汗や汚れを落として保管すると寿命が延びます。
- ノイズキャンセリング使用時は音量を過度に上げがちになるため、周囲への配慮と耳の健康に留意してください。
- 有線接続を活用すると、バッテリー残量に不安がある場面でも安定した音質で再生できます。
総評
AKG N700NC M2は、「音楽を心地よく楽しむため」の設計思想が随所に感じられるモデルです。極端な個性を追求するのではなく、ジャンルを問わずバランス良く聴けること、装着性の良さ、可搬性の高さが魅力です。ノイズキャンセリング機能も実用的で、日常使いにおける快適性を高めてくれます。購入を検討する際は、自分の重視するポイント(ANC性能か音質か携帯性か)を明確にして、店頭での試聴をおすすめします。
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参考文献
- AKG 公式サイト
- What Hi-Fi? レビュー(AKG N700NC M2)
- Rtings.com レビュー(AKG N700NC M2)
- SoundGuys レビュー(AKG N700NC M2)
- TechRadar レビュー(AKG N700NC M2)


