Reloop Mixon 4徹底レビュー:ハイブリッド設計がもたらす柔軟性と実戦力

Reloop Mixon 4とは何か

Reloop Mixon 4は、ドイツのオーディオ機器メーカーReloopがリリースした4チャンネル対応のハイブリッドDJコントローラーです。ハードウェア設計は従来のクラブ向けコントローラーとモバイルでの運用を両立させることを目標にしており、デスクトップDJソフト(主にSerato)とモバイル/タブレット向けのAlgoriddim djay系ソフトウェアの両方にネイティブ対応する点が大きな特徴です。

本稿ではMixon 4のハードウェア・ソフトウェア面、実戦での使い勝手、長所と短所、導入時のポイントを詳しく掘り下げます。購入検討中の方、既に導入したが使いこなしたい方の参考になれば幸いです。

主要スペックと設計思想(概要)

Mixon 4は4デッキ操作に対応したコントローラーで、直感的なレイアウト、パフォーマンスパッド群、EQ/フィルター・セクション、ジョグホイール、そして入出力端子を備えます。Reloopはこのモデルを“ハイブリッド”と位置づけ、同一ハードウェアで複数のDJソフトのワークフローに対応できることを重視しました。

公式資料ではSerato DJとAlgoriddim djayの両対応が明記されており、ソフト側のマッピングや機能連携が最適化されています。オーディオインターフェース機能も内蔵しており、外部ミキサーやPAへの接続、ヘッドフォンキューなどDJに必要な基本機能をサポートします。

ハードウェアの詳細と使い勝手

まず筐体の作りですが、Mixon 4はプラスチック主体ではありますが、実戦に耐える堅牢さと適度な重量感があり、移動DJやイベントでの常用にも耐えうる設計です。フェーダーやノブの操作感は堅実で、長時間の使用でも致命的な弱点は報告されていません。

ジョグホイールはレスポンスが良く、スクラッチからトラックの微調整までストレスなく扱えます。パフォーマンスパッドは4バンクなど複数モードに対応しており、Cue/Loop/Sample/FXなどを割り当てられます。エフェクトやフィルターの操作系も直感的に配置されているため、ライブパフォーマンス時に素早くアクセスできます。

ソフトウェア統合:SeratoとAlgoriddimの両立

Mixon 4の最大の売りは「複数ソフトウェアとの密な連携」です。Serato DJ系統では伝統的なクラブDJのワークフロー(ライブラリ管理、プラッター的スクラッチ、Serato専用エフェクトなど)に自然に馴染みます。一方でAlgoriddim djay系統ではタブレットやスマート機器との親和性が高く、iPadやMacでのシンプルかつ迅速なプレイが可能です。

現場では、PC/MacでのクラブセットはSerato、カジュアルなハウスパーティーやモバイルの出張演奏ではiPad+djayといった使い分けが現実的です。ただしソフトごとにマッピングや機能が異なるため、普段使う環境に合わせて設定やワークフローを最適化する作業は必要です。

オーディオ品質と入出力

内蔵オーディオインターフェースはDJ用途として十分なクオリティを提供します。出力はマスターアウト、ブースアウト、RCAやTRSなどの一般的な端子を備え、PAやアンプへの接続に柔軟に対応します。ヘッドフォンのモニタリングも安定しており、キューイングの遅延も実用上問題にならないレベルに収まります。

ただしプロのレコーディング用途や超高解像度を求める場面では外部の専用オーディオインターフェースを併用することでさらなる音質向上が望めます。ライブ現場での信頼性を重視する場合は接続ケーブルや電源環境の整備を忘れないようにしてください。

実戦での使用感:強みと注意点

  • 強み:ハイブリッド対応により、複数のプレイスタイルを1台で賄える柔軟性。
  • 強み:4チャンネル対応なので複数ソースを同時に操作したい場面(バックスピン、ゲストとの交代、サンプル重ねなど)で有利。
  • 強み:汎用性の高い入出力と堅牢な筐体により移動DJにも適している。
  • 注意点:ソフトの違いによって操作感が変わるため、事前に慣らす時間が必要。特にクラブセットとiPadセットを頻繁に切り替える場合はプレイリスト構成やホットキューの整理を両方に合わせて準備しておく必要があります。
  • 注意点:最新のOSやソフトウェアのアップデートで動作に影響が出る可能性があるため、ファームウェアやドライバ、ソフトウェアの互換性情報は定期的にチェックすることをおすすめします。

他機種との比較(短評)

市場にはPioneerやDenonなどの競合製品も存在します。Pioneer系はクラブ定番のレイアウトと頑強性、Denon系は高機能なオーディオ回路で評価されています。その中でMixon 4は“ソフトの幅広い互換性”という点で差別化されており、特にiPadでのパフォーマンスを重視するユーザーや、1台で複数ワークフローをこなしたいユーザーに向いています。

導入・設定時のチェックポイント

  • 使用する主要ソフト(Serato / djay)に応じてファームウェアとドライバを最新に保つ。
  • iPadで使う場合はケーブル種類(Lightning/USB-C)や電源供給条件を確認する。アダプタやバスパワーの挙動に注意。
  • 現場での入出力(PA、ブース、録音)を事前に確認し、必要ならライントーン合わせやリハーサルを行う。
  • ホットキュー、ループ、サンプルの配置を両ソフトで合わせておくと切り替えがスムーズになる。

誰に向いているか

Mixon 4は次のようなユーザーに適しています。

  • iPadを使った手軽なDJプレイと、PCベースの本格的なクラブプレイを1台で切り替えたい人。
  • 4チャンネルを活かした複数ソースのミックスやライブパフォーマンスを行いたい中級者〜上級者。
  • 移動の多いモバイルDJで、堅牢性と汎用性のバランスを重視する人。

まとめ — 購入判断のポイント

Reloop Mixon 4は「ハードウェア1台で複数ソフトを実用的に使い分けたい」というニーズに応えるコントローラーです。クラブ向けの本格運用からモバイルでのカジュアルプレイまで幅広く対応できること、4チャンネルによる拡張性、そしてSeratoとAlgoriddimの両対応という強みがあります。

反面、ソフト間での操作差や将来のソフト/OSアップデートに伴う互換性チェックなど、導入後にも一定のメンテナンスが求められます。購入前には自分の主要ワークフロー(使うソフト、接続環境、持ち運び頻度)を整理し、Mixon 4がその要件を満たすかを確認してください。

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参考文献