レコードの価値を守るための最適保管法
本コラムでは、レコード保管における最適な環境設定、収納方法、保護材の選び方、日々の取り扱いとクリーニング方法、短期・長期保管の注意点について、最新の実践的知見を豊富な事例とともに詳解します。
1. 理想的な保管環境
温度と湿度の管理
レコードに最適な保管温度は約18〜21℃、湿度は約30〜45%が推奨されます。
高温や高湿は盤の反りやカビ発生を招き、低湿や極端な乾燥は盤やジャケットの乾燥割れを引き起こすため、温湿度計とエアコンや除湿器で安定した環境を維持してください。
光と直射日光の回避
紫外線や直射日光はジャケットの色あせだけでなく、ビニール素材の劣化や熱による反りを誘発します。
窓辺や照明直下を避け、カーテンやブラインドで光を遮断した暗所で保管しましょう。
空気質とホコリ対策
大気中の微細なホコリや汚染物質はレコード表面に付着し、再生時のノイズや針の摩耗を加速します。
密閉性の高い収納ケースやラックを利用し、定期的に内装を掃除、空気清浄機の導入も検討してください。
2. 垂直保管と適切な収納方法
垂直保管の重要性
レコードは水平に重ねると、下層に過度の圧力がかかり反りや割れの原因となります。
本棚や専用ラックに本と同様に「立てて」収納することで、重量を均等に分散させ、長期的な反り防止につながります。
ボックス収納の活用
貴重なコレクションは、酸性を含まないアーカイバル品質の段ボールやポリプロピレン製ボックスに収納すると、酸化ダメージや害虫侵入を防げます。
Gaylord ArchivalやArchival Methods製の二重壁ポリプロピレン箱は、防湿性・耐候性に優れ、長期保管にも最適です。
3. スリーブと保護材の選び方
インナースリーブ
インナーにはACIDフリーのバッファードペーパー製、あるいは高品質なポリプロピレン/ポリエチレン製で、非研磨性・静電気抑制機能を持つものを選びます。
特に欧米の輸入盤には帯電防止機能付きスリーブが装着されている場合があり、再生後もこの順番で戻すとホコリ混入を最低限に抑えられます。
アウタースリーブ
厚さ3 mil(約75 μm)以上のクリアポリエステルまたはポリプロピレン製が理想で、ジャケットを埃・汚れ・湿気から保護します。
再剥離性の高いフラップ付きやサイド開閉タイプは、出し入れのたびにジャケットが傷みにくい構造です。
4. 取り扱いとクリーニング
取り扱いの基本
レコードは盤面に直接触れず、必ずエッジ部分を持つことが重要です。
指紋や皮脂が付着するとカビの原因になり得るため、必要に応じて綿手袋の着用を推奨します。
再生前後のクリーニング
専用クリーニングキットやブラシで、再生前後にホコリや汚れを除去することで、ノイズ低減と針の摩耗防止に繋がります。
真空吸引式のクリーナーやワインディングブラシを併用することで、溝に入り込んだ微細な粒子も効果的に除去できます。
5. 短期保管と長期保管の違い
短期保管
数週間~数ヶ月程度なら、頑丈なラックやスタンドでの垂直保管で問題ありませんが、日光・高温多湿には引き続き注意が必要です。
長期保管
数年以上の保管には、クライメートコントロールされた専用室やアーカイバルボックスを推奨します。
温湿度のデータロガーで環境を記録し、1年に1度は点検・クリーニングを実施すると安心です。
6. 避けるべき保管場所
- 地下室:湿気が籠りやすく、カビやサビのリスクが高まります。
- 屋根裏:高温・乾燥でレコードが反りやすく、ジャケットの劣化も進行します。
- 段ボール箱:通気性が低く湿気を含みやすいため、アーカイバル素材以外は避けてください。
7. 付録:保管チェックリスト
- 温度:18〜21℃を維持 ✔
- 湿度:30〜45%を維持 ✔
- 垂直保管:本棚やラックで立てて収納 ✔
- インナー・アウタースリーブ:ACIDフリー・高品質素材 ✔
- クリーニング:再生前後に必ず実施 ✔
- 点検サイクル:半年〜1年ごとに見直し ✔
上記のポイントを踏まえ、適切な環境設定と日々のメンテナンスを継続することで、大切なレコードの価値を末永く守り、クリアな音質を次世代へと受け継ぎましょう。
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