演歌の境界を超えて──『藤圭子リサイタル』を聴く

このコラムでは、藤圭子が1971年7月5日に大阪・サンケイホールで収録し、同年10月5日にRCAビクターからLP(規格品番JRS-7157)としてリリースしたライブ・アルバム『藤圭子リサイタル』の魅力を、制作背景から収録内容、パッケージ仕様、市場価値、おすすめ聴きどころまで徹底的に解説します。
作品概要
1971年10月5日にリリースされた本作は、藤圭子の2作目にあたるライブ・アルバムです。ステレオLPのゲートフォールド仕様で、当時のライブ音源を余すところなくステレオ収録。舞台と客席の息遣いまで切り取った臨場感あふれるサウンドが最大の魅力です。
録音は同年7月5日、大阪・サンケイホールにて行われました。ワンマンコンサート形式のライブをそのままパッケージし、観客の拍手やMCまで収録することで、一体感あるライブ体験を再現しています。
プログラム構成
全15曲からなるセットリストは、藤圭子のヒット曲だけでなく、洋楽カバーも大胆に取り入れた多彩な内容。
- A面(代表的な5曲)
- 出世街道
- 東京ブルース
- ざんげの値打ちもない
- 恋のハレルヤ
- 朝日のあたる家(The House Of The Rising Sunカバー)
- この胸のときめきを
- B面(演歌名曲やナンバー・トラックを含む10曲)
圭子の網走番外地、悲しみの町、ほか演歌ファン必聴のナンバーが並びます。
歌謡曲の情感と、洋楽原曲の持つグルーヴ感が融合し、演歌の枠を超えた選曲が本作の大きな特徴です。
音楽性とステージパフォーマンス
1971年当時の藤圭子はまさに全盛期。ハスキーかつエモーショナルな歌声による圧倒的なシャウトは、スタジオ録音では味わえないダイナミクスを聴き手に与えます。観客のリアクションやMCまで余すことなく収めることで、レコードを通じて当時のライブ会場の熱気と緊張感を追体験できる一枚です。
ジャケット・仕様詳細
- フォーマット:12インチLP、ステレオ、ゲートフォールド・スリーブ
- プレス:RCAビクター(旧ビクター音産)自社工場
- ジャケット:見開き全面にライブ写真をあしらった豪華仕様。帯付きオリジナル盤は、コレクターの間で特に人気があります。
プレス品質は中高域の切れ味と温かみのある低域バランスに優れ、当時の技術水準を感じさせる音質です。
市場価値とコレクターズ視点
- 帯付き良品:プレミア化が進行中。
- 特上コンディション:希少な初版マト1帯付きは、オークションで高額に達することもあります。
帯の有無、ジャケットの折れ・汚れ、盤質のキズの有無が価格を大きく左右します。オリジナル盤の良好品は流通量が減少しており、コレクター必携の一枚です。
聴きどころ
- 「恋のハレルヤ」:原曲のキャッチーさを活かしつつ、エネルギッシュなライブ・アレンジで聴かせる名演。
- 「朝日のあたる家」:The Animalsの名曲を和製演歌テイストで大胆に再構築。藤圭子ならではの艶やかな歌声が新たな魅力を引き出しています。
- 観客の拍手とMC:歌い終わりの拍手や、合間のトークが収録されているため、ライブ感あふれる臨場体験が楽しめます。
まとめ
1971年の『藤圭子リサイタル』は、演歌というジャンルを越えた選曲と、ライブならではのダイナミックな歌唱が融合した異色のライブ盤。発売から半世紀を経ても色あせない臨場感と歌唱の力強さは、演歌ファンのみならず、あらゆる音楽リスナーに手に取ってほしい名盤です。
参考文献
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%97%A4%E5%9C%AD%E5%AD%90
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