AC/DC:ロックンロールの雷鳴とレコードの歩み
AC/DCは1973年11月、オーストラリア・シドニーでアンガス・ヤング(リードギター)とマルコム・ヤング(リズムギター)を中心に結成され、初代ボーカルのデイヴ・エヴァンス、ベースのラリー・ヴァン・クライデット、ドラムのコリン・バージェスらを擁してスタートしました。
バンド名は、マーガレット・ヤングが妹のミシンで見た「AC/DC」のロゴから着想を得たもので、“Alternating Current/Direct Current”(交流/直流)という電気用語に由来し、その稲妻のようなエネルギーを音楽性に重ね合わせたものです。
これまでに18枚のスタジオ・アルバムをリリースし、全世界で2億枚以上を売り上げるなど、史上最も成功を収めたハードロック・バンドのひとつとして知られています。中でも1980年発表の『Back in Black』は5000万枚以上を売り上げ、史上2番目のセールスを誇る不朽の名盤となっています。
バンド結成とメンバーの変遷
初期〜ボン・スコット期
1973年秋に結成されたAC/DCは、翌1974年にボーカルがボン・スコットへ交代し、グルーヴ感溢れるブルース・ロック路線を確立しました。1975年2月発売のオーストラリア限定デビュー作『High Voltage』では、パンチの効いたリフとストレートなリズム隊が早くも高い評価を得ました。
続く『T.N.T.』(1975年)と国際盤『High Voltage』(1976年)で世界進出を図り、1977年の『Let There Be Rock』では長尺の演奏を含むライブ感あふれる構成でバンドの力量を見せつけました。1978年リリースの『Powerage』も含め、スコット在籍期のラスト・アルバム『Highway to Hell』(1979年)はバンドの商業的ブレイクスルーとなり、タイトル曲は今なお代表曲のひとつです。
ブライアン・ジョンソン加入後〜黄金期の継続
1979年のスコット急逝後、1980年に迎えたブライアン・ジョンソンをフロントマンに制作された『Back in Black』は、一部追悼作としても位置づけられる記念碑的作品です。オープニングの「Hells Bells」から「You Shook Me All Night Long」に至るまで、不朽のアンセムを多数生み出し、全世界で5000万枚以上を売り上げました。
1981年発表の『For Those About to Rock (We Salute You)』は初のBillboard 200首位を獲得し、そのタイトル曲は大砲を用いたステージ演出とともにライブ定番曲となりました。その後も『Flick of the Switch』(1983年)などでハードロックへの探究を続け、1990年の『The Razors Edge』では再び商業的成功を収めました。
近年の活動
2008年の『Black Ice』は29か国で首位を記録し、2014年のマルコム・ヤング死去を受けて制作された『Rock or Bust』ではスティーヴィー・ヤング(マルコムの甥)が参加。その後2020年にリリースされた17枚目のスタジオ・アルバム『Power Up』は、マルコム追悼の意を込めた作品として全世界のチャート上位を席巻し、2024年2月には同作を携えた“Power Up Tour”が発表されました。
音楽的特徴と影響
AC/DCのサウンドは、英国のブルース・ロックやオーストラリアのパブ・ロック伝統に根ざしたシンプルかつパンチの効いたギターリフと、キック・スネアの四つ打ちを基盤とするドライヴ感あふれるリズムが特徴です。そのスタイルはニュー・ウェイヴ・オブ・ブリティッシュ・ヘヴィ・メタルのバンドたちに大きな影響を与え、後進のハードロック/メタル・シーンに多大な影響を及ぼしました。
ライブ・パフォーマンスとツアー史
AC/DCのライブは、稲妻のようなステージ照明、タイムリーなサウンド、そしてアンガス・ヤングのスクールボーイ衣装による狂騒的なギター・ソロで知られています。そのエネルギーはファンを圧倒し続け、1973年末のシドニーCabaret Bar“Chequers”での初ライヴ以来、一貫して高揚感あふれるパフォーマンスを貫いてきました。2025年春に北米で行われる“Power Up Tour”では、アンセム「Back in Black」や「Thunderstruck」などを携え、13都市の大規模スタジアム公演が予定されています。
コレクターズ・アイテムとレア盤
初期オーストラリア盤(Albert Productionsレーベル)からのファースト・プレスはプレス数が少なく、特に『High Voltage』(1975年)や『T.N.T.』(1975年)のブルー・ルー(カンガルー)・ラベル仕様はコレクター間で高額取引されます。さらに1977年発売の7枚組ボックス・セット(Vol. 1 Box Set)や、未発表曲を収録した『Backtracks』などの限定盤は、レア度と投資価値が非常に高いアイテムとなっています。
レガシーと評価
AC/DCは2003年にロックの殿堂入りを果たし、全世界で2億枚以上のレコードを売り上げるなど、ロック史に燦然と輝く功績を残しました。シンプルでありながら圧倒的な説得力を持つロックンロールは、世代を超えて愛され続け、今後も「雷鳴のごとき一撃」を音楽シーンに刻み続けることでしょう。
参考文献
・https://en.wikipedia.org/wiki/AC/DC
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