『West Side Story』映像と音楽が描くニューヨークの愛と対立ドラマ
『West Side Story』は、1957年のブロードウェイ・ミュージカルを原作とし、1961年にロバート・ワイズとジェローム・ロビンスの共同監督で映画化されたミュージカル映画です。
シェイクスピアの『ロミオとジュリエット』を現代のニューヨークに置き換えた物語は、移民問題や人種間の対立を背景に、ジェッツとシャークスという二大ストリート・ギャングの確執と、その狭間で芽生えるトニーとマリアの悲恋を描き出しました。
公開当初は北米で大ヒットを記録し、アカデミー賞で11部門にノミネートされ10部門を受賞する快挙を成し遂げました。また、サウンドトラックはBillboardのステレオ・アルバム・チャートで史上最長となる54週間連続首位を記録し、音楽面でも不朽の成功を収めています。
映画について
制作背景とキャスト
原作ミュージカルはジェローム・ロビンス演出、レナード・バーンスタイン作曲、スティーヴン・ソンドハイム作詞によるもので、1957年の初演以来斬新な舞台として注目を集めました。映画版ではロビンスとロバート・ワイズが共同監督を務め、ナタリー・ウッド(マリア役)、リチャード・ベイマー(トニー役)、ラス・タンブリン(リフ役)、リタ・モレノ(アニータ役)、ジョージ・チャキリス(ベルナルド役)といった当時の若手スターが出演しています。
興行成績と受賞歴
1961年10月18日の公開後、北米では当時の最高興行収入を記録し、1962年の第34回アカデミー賞では11部門にノミネートのうち10部門を受賞。作品賞、監督賞(ワイズ&ロビンス)、助演男優賞(チャキリス)、助演女優賞(モレノ)など主要部門を制し、ミュージカル映画としての歴史に残る実績を打ち立てました。さらに全米映画批評家協会賞やゴールデン・グローブ賞でも高評価を獲得しています。
ロケーションと振付
撮影はマンハッタン西68丁目周辺の実際の廃棄予定テナメントやリンカーン・センター地区などで行われ、ストリートの生々しさと美術セットの融合が図られました。ロビンスの振付はジャズやラテンの要素を取り入れた群舞が特徴で、特に冒頭の“Prologue”は群衆の動きが一体となった圧巻の映像美を見せています。
音楽について
作曲・作詞とサウンドトラック
映画版でもレナード・バーンスタイン作曲、スティーヴン・ソンドハイム作詞のオリジナル楽曲がそのまま使用され、大規模オーケストラによる録音が行われました。1961年にリリースされたオリジナル・サウンドトラックは、Billboardのステレオ・アルバム・チャートで連続54週間首位を獲得し、アルバム史にその名を刻んでいます。
主要楽曲の特色
- “Maria”
切なくも高揚感に満ちた旋律が特徴のバラードで、マリアへの想いが豊かなハーモニーと共に表現されています。 - “Somewhere”
平和と希望を歌うナンバーとして映画のクライマックスを彩り、数多くのアーティストにカバーされ続けています。 - “America”
ラテン・ビートを強調しつつ、プエルトリコ移民とアメリカ本土の生活をコミカルに対比させた楽曲で、群舞による演出が観客を魅了します。 - “I Feel Pretty” や “Tonight” などもスタンダード・ナンバーとして後世に受け継がれています。
文化的影響
『West Side Story』はメジャーな映画作品でラテン系移民を前面に描いた初の大作として、その後のエンタテインメント作品に大きな影響を与えました。舞台版・映画版ともに世界各地で上演・上映が続き、2021年にはスティーヴン・スピルバーグ監督によるリメイク版も公開されるなど、半世紀以上にわたり再評価が重ねられています。
まとめ
『West Side Story』は、映像と音楽が一体となって青春と愛、社会的テーマを鮮烈に描き出した傑作です。斬新な振付と群舞のダイナミズム、バーンスタイン&ソンドハイムの名曲群によって、ミュージカル映画の可能性を大きく拡張しました。その興行・受賞実績やサウンドトラックの成功は、今日においても映像音楽史に燦然と輝くレガシーとして輝きを放ち続けています。
参考文献
- https://en.wikipedia.org/wiki/West_Side_Story_(1961_film)
- https://en.wikipedia.org/wiki/West_Side_Story
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