日本のレトロブームを彩る!シティ・ポップの魅力とレコード収集の極意【初心者必見】
シティ・ポップとは?
シティ・ポップは1970年代後半から1980年代にかけて日本で流行した音楽ジャンルで、都会的で洗練されたサウンドが特徴です。当時の経済成長と都市文化の拡大を背景に生まれ、洋楽のAOR(アダルト・オリエンテッド・ロック)やソウル、ファンク、ジャズなどの要素を日本語の歌詞やメロディに融合させた音楽スタイルです。軽快で爽やかなメロディに、緻密に作り込まれたサウンドプロダクションが魅力で、「夏のドライブ」や「夜のドキドキ」といった情景を思い浮かべるリスナーも多いでしょう。
なぜレコードで聴くべきか?
シティ・ポップはCDやサブスクリプションで簡単に聴ける音楽ですが、あえてレコードで聴くことをおすすめしたい理由がいくつかあります。
- アナログならではの音質の豊かさ:レコードの暖かみや空気感はデジタル音源とは異なり、音の余韻や細かなニュアンスが聴き取れます。特にシティ・ポップの緻密でリラックスしたサウンドにはアナログの質感がよく合います。
- アートワークやジャケットの魅力:シティ・ポップのレコードジャケットは80年代の都会的なイメージやデザインセンスが光るものが多く、所有する喜びも大きいです。視覚的な楽しみもレコードならではの魅力です。
- コレクターズアイテムとしての価値:オリジナルプレスのレコードは希少価値があり、中古市場では高値で取引されることもしばしば。好きなアーティストのオリジナル盤を手に入れることは趣味としても充実感があります。
シティ・ポップ レコード おすすめ作品
ここではシティ・ポップの中でも特に人気が高く、音質やジャケット、音楽性のバランスが優れたおすすめのレコードを紹介します。
山下達郎『FOR YOU』(1982年)
シティ・ポップの代表格であり、山下達郎の名盤中の名盤。特徴的なギターサウンドと豊かなコーラスワークが光り、アナログレコードでの再生ではその繊細なアレンジがより際立ちます。「Sparkle」や「風の回廊」など、聴きどころが満載です。ジャケットも都会的な夜景が美しく、コレクションにぴったり。
角松敏生『SEA IS A LADY』(1985年)
角松敏生はシティ・ポップとAORを融合したサウンドメイクの達人です。このアルバムはロマンティックなムードとハイセンスなサウンドトラックが特徴。特に「夏のリビエラ」や「夜のおとぎ話」はレコードならではのアナログの音質の良さが楽しめます。
大瀧詠一『A LONG VACATION』(1981年)
もはや説明不要の不朽の名盤。軽快なメロディに浮遊感のある楽器アレンジが絶妙に絡み合い、レコードで聴くことで一層の臨場感が得られます。ジャケットのゆるやかな風景も80年代の開放感を感じさせ、聴きながら当時の気分に浸れる一枚です。
竹内まりや『VARIETY』(1984年)
竹内まりやはシティ・ポップシーンの女性アーティストの代表格。特に「Plastic Love」は世界的にリバイバルヒットしています。オリジナルのアナログ盤はファンの間で人気が高く、アナログならではのサウンドの厚みと抑揚を堪能可能です。
稲垣潤一『夕暮れのライト』(1982年)
切なく都会的なボーカルとメロディセンスが魅力。緻密に作られたサウンドアレンジはレコードで味わうと抜群の臨場感と深みが出ます。80年代の日本の夜をイメージさせる一枚です。
レコード購入時のポイント
シティ・ポップのレコードを集める際には、以下のポイントを意識すると良いでしょう。
- オリジナル盤の見分け方
オリジナルの日本盤や海外盤は音質が良く、プレスの質も高いことが多いです。レーベルの印刷やマトリクス番号(run-out grooveの刻印)で初版を見分けられます。 - 盤面の状態
中古で購入する場合は盤質が非常に重要です。キズやノイズが少なく、しっかりクリーニングされているものを選びましょう。 - ジャケットの状態
折れや破れ、日焼けの程度も重要なポイントです。保存状態が良いものはコレクションとしての価値も高まります。 - 再発盤の狙い方
高価なオリジナル盤が手に入らない場合、信頼できるレーベルからの再発盤を選ぶのも手。最近はアナログブームにより高品質の再発も増えています。
おすすめのシティ・ポップのレコードショップ
実際に手に取って買い物するなら、シティ・ポップを専門的に扱うショップや、良質な日本の中古レコード店がおすすめです。例えば東京の下北沢、吉祥寺、中野などには名店が多く、初心者にも親切にアドバイスしてくれます。
- ディスクユニオン(東京近郊に複数店舗あり)
豊富な在庫とスタッフの知識が自慢。シティ・ポップコーナーも充実。 - JET SET(下北沢)
国内外の良質な中古盤を多数扱い、シティ・ポップに詳しいスタッフが丁寧に案内してくれます。 - レコードショップ・スイッチ(京都)
シティ・ポップからジャズ、フュージョンまで幅広くカバー。落ち着いた雰囲気でゆっくり選べる店。
最後に〜シティ・ポップの魅力をレコードで味わう喜び〜
シティ・ポップの魅力は単なる音楽体験を超え、80年代日本の豊かな都市文化や青春の記憶を呼び起こしてくれることです。サブスクで気軽に聴ける時代だからこそ、あえてレコードで聴くことには、当時の空気感やアナログならではの音の温かさを五感で味わい、音楽コレクションの楽しさを味わうという価値があります。
これからシティ・ポップのレコード収集を始める方は、今回紹介した名盤を基点に、自分だけの“都会の夜”のサウンドトラックを作ってみてはいかがでしょうか。レコードならではの魅力が、きっと新たな音楽体験をもたらしてくれるはずです。