J・J・ジョンソンの名盤アナログレコード5選|選び方のポイントと魅力を徹底解説

はじめに:J・J・ジョンソンとは

J・J・ジョンソン(J. J. Johnson)は、ジャズのトロンボーン奏者として20世紀のジャズ界に多大な影響を与えた偉大なミュージシャンです。1924年生まれ、ハードバップやビバップの時代に活躍し、そのテクニックと表現力は今なお多くのトロンボーン奏者やジャズファンから尊敬されています。

本コラムでは、J・J・ジョンソンがリリースしたレコード作品の中から、とくにおすすめのものをピックアップし、その魅力や選ぶポイントを解説します。CDやデジタル配信ではなく、アナログレコードならではの音質の深みとジャケットの魅力を楽しむための参考にしていただければ幸いです。

J・J・ジョンソンのレコードを選ぶ際のポイント

J・J・ジョンソンのレコードは多数リリースされていますが、選ぶ際には以下のポイントを押さえると良いでしょう。

  • オリジナル盤か再発盤か:オリジナル盤は当時の録音の雰囲気をそのまま楽しめますが、状態の良いものは少なく価格も高めです。音質重視の場合は優れたマスタリングの再発盤もおすすめ。
  • 録音年代:ジョンソンのキャリアは長く、そのスタイルも進化しました。ビバップからモダンジャズまで幅広いため、自分の好みのスタイルが録音されている盤を選びましょう。
  • 共演者:ジョンソンは数多くの名ミュージシャンと共演しています。有名なピアニストやドラマーが参加しているレコードは聴きごたえがあります。
  • レーベル:ブルーノート、キャピトル、ヴァーヴなどジャズ名門レーベルの盤は、音質もジャケットデザインも優れておりコレクションの価値が高いです。

おすすめJ・J・ジョンソンのレコード5選

ここからはJ・J・ジョンソンのレコードの中から特におすすめの5枚をご紹介します。アナログならではの音質とパッケージを楽しむための定番盤です。

1. “The Eminent Jay Jay Johnson” (1953)

J・J・ジョンソンの初期の代表作で、ビバップからハードバップへと移行する時期の名演を収録したアルバムです。1953年録音のオリジナルプレスは非常に稀少。ブルーノートからのリリースでジャズファンには定番とされています。

  • おすすめポイント:ハードバップにおけるトロンボーンの新しい表現を聴ける。ジャズ・ファン必携のオリジナル・レコード。
  • 共演者:ヴァーノン・バーデット(ベース)、ケニー・クラーク(ドラム)、他。
  • 注目曲:“Turnpike,” “Old Devil Moon”

2. “Jay Jay Johnson with Clifford Brown” (1953)

トランペットのクリフォード・ブラウンと共演した伝説的セッションの1枚。ブルーノートの貴重な初期録音であり、両者の技巧がぶつかり合うアルバムです。音質の良いアナログ盤で聴くと、より迫力を感じることができます。

  • おすすめポイント:ジャジーな掛け合いやフレーズの切れ味をアナログの温かみで堪能できる。
  • 共演者:クリフォード・ブラウン(トランペット)、レニー・ジョーダン(ピアノ)など。
  • 注目曲:“Kush,” “Jay”

3. “J Is for Jazz” (1956)

このアルバムはヴァーヴ・レーベルからのリリースで、よりモダンなジャズ・サウンドを追求した作品です。洗練されたアレンジやジョンソンの自在なトロンボーンが絶妙なバランスで楽しめます。状態の良いオリジナル盤はコレクションとしても価値が高いです。

  • おすすめポイント:50年代モダンジャズの息吹を感じられる一枚。レコードジャケットのデザインもシンプルで格好良い。
  • 共演者:ヴィック・メイ(トランペット)、ボビー・トゥループ(ピアノ)など。
  • 注目曲:“Blue Lou,” “It’s a Most Unusual Day”

4. “The Great Kai & J. J.” (1960)

サックス奏者カイ・ウィンディングとのデュオアルバム。二人のトロンボーンの対話が魅力的な一枚です。60年代のジャズの冷静さと情熱が融合した作品で、アナログレコードで聴くとその繊細なニュアンスが伝わりやすいでしょう。

  • おすすめポイント:トロンボーンのユニゾンやハーモニーの面白さを味わえる。レトロなジャケットも収集価値大。
  • 共演者:カイ・ウィンディング(トロンボーン)、パーシー・ヒース(ベース)、他。
  • 注目曲:“Turnabout,” “Bird Calls”

5. “J.J.’s Broadway” (1963)

こちらはより大きな編成でジャズ・ブロードウェイのヒット曲を取り上げたアルバム。ジョンソンのジャズメイカーとしての面も感じられ、アレンジや演奏の幅広さが楽しめる作品です。アナログレコードでそのライブ感を楽しみたい方におすすめします。

  • おすすめポイント:幅広い楽曲とオーケストレーションの魅力。レコードで聴くことで音場の広がりも感じられます。
  • 共演者:多人数編成のセクションメンバー
  • 注目曲:“My Favorite Things,” “Hello, Dolly!”

アナログレコードならではの魅力

J・J・ジョンソンの音楽はトロンボーン特有の深みや温かみを持っています。アナログレコードはデジタル音源にはない独特の音場の広がりやアナログ特有の厚みが感じられ、ジョンソンの演奏の細かなニュアンスをよりリアルに伝えます。レコードのジャケットアートも当時の時代背景や雰囲気を楽しむうえで重要な要素です。

また、オリジナル盤を手に入れる楽しみや、レコード針で音を楽しむアナログならではの体験は、音楽を愛する者にとって唯一無二の時間となります。

まとめ

J・J・ジョンソンのレコードは、ジャズトロンボーンの頂点を極めた貴重な作品群です。今回ご紹介した5枚はどれも彼のキャリアの異なる側面を映し出す重要なアルバムであり、音質やジャケットも含めてレコード収集の醍醐味を味わえます。

これからJ・J・ジョンソンのレコードを集めようと考えている方は、まずはブルーノートやヴァーヴのオリジナル盤、中古市場で状態の良い再発盤などで実際に音を聴き比べてみるとよいでしょう。レコードショップやオンラインオークション、専門店での情報収集もポイントです。

ジャズの歴史を語るうえで欠かせないJ・J・ジョンソンの音楽をアナログレコードで深く味わうことで、より一層ジャズへの理解と愛着が深まるはずです。