リフレッシュトークンとは?仕組みと役割を初心者にもわかりやすく解説

はじめに

Webアプリやスマホアプリなどでログインを行うとき、
「一度ログインしたらしばらくログイン状態が続く」という経験はありませんか?

実はこの仕組みの裏側で使われているのが、**リフレッシュトークン(Refresh Token)**です。

この記事では、リフレッシュトークンの基本的な役割や仕組み、アクセストークンとの違いを、
初心者にも分かりやすく解説します。


1. リフレッシュトークンとは?

**リフレッシュトークン(Refresh Token)**とは、
ユーザーのログイン状態を長期間維持するために使用される「再認証用のトークン」です。

Webサービスでは、ログイン後に「トークン」と呼ばれるデジタルな鍵を使って、
ユーザーが誰であるかを識別します。

ただし、このトークン(=アクセストークン)には有効期限があるため、
時間が経つと使えなくなります。
そのとき、新しいアクセストークンを発行するために利用されるのがリフレッシュトークンです。


2. トークン認証の基本的な仕組み

トークン認証では、パスワードを毎回送信する代わりに、
ログイン時に発行される「アクセストークン」を使ってサービスにアクセスします。

流れを図にすると、以下のようになります。

① ユーザーがログイン(IDとパスワード送信)
② サーバーがアクセストークンとリフレッシュトークンを発行
③ アプリはアクセストークンでAPIへアクセス
④ アクセストークンが期限切れになったら、
    リフレッシュトークンを使って新しいアクセストークンを取得

このように、リフレッシュトークンは「トークンを再発行するためのトークン」として機能します。


3. アクセストークンとの違い

項目アクセストークンリフレッシュトークン
役割APIにアクセスするための認証キー新しいアクセストークンを発行するためのキー
有効期限短い(数分〜数時間)長い(数日〜数週間)
保存場所アプリやブラウザに一時保存安全な領域(サーバーや暗号化領域)
利用頻度毎回のアクセスで使用アクセストークン失効時のみ使用

簡単に言うと、**アクセストークンは「今すぐ使う鍵」**で、
**リフレッシュトークンは「新しい鍵を作るための予備鍵」**のような存在です。


4. なぜリフレッシュトークンが必要なのか?

セキュリティと利便性の両立が、リフレッシュトークンの最大の目的です。

● アクセストークンを短くして安全に

アクセストークンは、万が一漏れてしまうと不正アクセスに使われる可能性があります。
そのため、短い有効期限で発行し、被害を最小限に抑える仕組みが取られています。

● リフレッシュトークンで利便性を維持

しかし、毎回ログインし直すのはユーザーにとって不便です。
そこで、リフレッシュトークンを使って自動的に新しいアクセストークンを発行することで、
ログインし直さなくても認証を継続できるようにしています。


5. リフレッシュトークンの運用例

● 例1:Googleアカウント

GoogleではOAuth2.0という仕組みでリフレッシュトークンを活用しています。
ログイン後にアクセストークンが失効しても、リフレッシュトークンがあれば自動的に再発行されるため、
ユーザーは再ログインする必要がありません。

● 例2:スマホアプリの自動ログイン

アプリを閉じても次回起動時に再ログイン不要なのは、
リフレッシュトークンによってバックグラウンドで再認証されているからです。


6. リフレッシュトークンのセキュリティ対策

リフレッシュトークンは長期間有効なため、もし盗まれた場合は重大なリスクになります。
そのため、以下のような対策が必須です。

  1. HTTPS通信を使用(暗号化されていないHTTPは危険)
  2. 安全な保管場所(サーバーやセキュアストレージに保存)
  3. 再利用防止機能(トークンローテーション)
    → 新しいトークンを発行したら古いものを無効化する
  4. 有効期限と失効機能の設定
    → 定期的にリフレッシュトークンも更新する

こうした仕組みにより、不正利用やトークンの漏洩リスクを最小限に抑えます。


7. リフレッシュトークンを使う際の流れ(OAuth 2.0の例)

  1. ユーザーが認証サーバーでログイン
  2. 認証サーバーが「アクセストークン」と「リフレッシュトークン」を発行
  3. アプリはアクセストークンでAPIにアクセス
  4. 有効期限が切れたらリフレッシュトークンを送信
  5. 認証サーバーが新しいアクセストークンを返す

この流れにより、ユーザーはログインし直すことなく継続的にサービスを利用できます。


8. まとめ

項目内容
定義アクセストークンを再発行するためのトークン
目的ログイン状態を維持しつつ、安全性を確保する
有効期限長期間(数日〜数週間)
注意点セキュリティ管理・暗号化保存が必須

リフレッシュトークンは、
「ユーザー体験(UX)」と「セキュリティ」のバランスを取るために欠かせない技術です。

ログイン状態を安全かつ快適に維持する仕組みとして、
Webアプリやモバイルアプリの認証システムを支える重要な要素といえるでしょう。