HTTPSとは?仕組み・役割・HTTPとの違いをわかりやすく解説
はじめに
インターネットでサイトを閲覧すると、アドレスバーに「https://」と表示されるのを見たことがあるでしょう。
この「HTTPS」は、Webサイトの安全性を高めるための仕組みです。
本記事では、HTTPSとは何か、HTTPとの違い、そしてなぜHTTPSが重要なのかを初心者にもわかりやすく解説します。
1. HTTPSとは?
**HTTPS(HyperText Transfer Protocol Secure)とは、
Web通信の基本プロトコルである「HTTP」に暗号化機能(Secure)**を加えた通信方式です。
つまり、Webサイトと利用者の間でやり取りされるデータを暗号化して、安全に通信する仕組みです。
2. HTTPとHTTPSの違い
通常のHTTP通信では、送受信されるデータは「平文(暗号化されていない状態)」で送られます。
そのため、通信経路上でデータが盗まれたり改ざんされたりするリスクがあります。
一方、HTTPSでは、通信内容を暗号化して安全にやり取りできるようにします。
| 項目 | HTTP | HTTPS |
|---|---|---|
| 通信内容 | 暗号化されていない | 暗号化されている |
| 安全性 | 低い(盗聴・改ざんの恐れ) | 高い(第三者が内容を解読できない) |
| URLの例 | http://example.com | https://example.com |
| 利用例 | 開発用・テスト用 | 商用サイト、ECサイト、SNSなど |
つまり、**HTTPS = 「安全なHTTP」**という位置づけです。
3. HTTPSの仕組み
HTTPSでは、主に「SSL/TLS」という暗号化技術を使います。
SSL(Secure Sockets Layer)またはTLS(Transport Layer Security)は、通信データを暗号化し、第三者が内容を覗けないようにする仕組みです。
● 通信の流れ
- ブラウザがWebサーバーへアクセス
「https://」のページに接続を要求します。 - サーバーがSSL証明書を送信
Webサイトの信頼性を証明する電子証明書をブラウザに渡します。 - ブラウザが証明書を確認
発行元(認証局)をチェックし、安全であれば暗号鍵を交換します。 - データ通信を暗号化して送受信
以降の通信は暗号化され、第三者に読み取られません。
このように、HTTPS通信は認証 → 暗号化 → 通信の流れで成り立っています。
4. SSL証明書とは?
**SSL証明書(デジタル証明書)**は、Webサイトの運営者が正当であることを証明するデジタルの「身分証明書」です。
この証明書は、認証局(CA: Certificate Authority)という第三者機関が発行します。
● 主なSSL証明書の種類
| 種類 | 概要 | 対象例 |
| DV(ドメイン認証) | ドメインの所有者を確認 | 個人ブログ、小規模サイト |
| OV(企業認証) | ドメインと運営企業を確認 | 法人サイト、業務システム |
| EV(拡張認証) | 企業の実在性を厳格に確認 | 金融機関、ECサイトなど |
証明書が正しく設定されているWebサイトは、ブラウザのアドレスバーに**鍵マーク(🔒)**が表示されます。
5. HTTPSのメリット
① セキュリティの向上
通信内容を暗号化することで、第三者による盗聴・改ざん・なりすましを防止できます。
クレジットカード番号や個人情報を扱うサイトでは必須です。
② ユーザーの信頼性アップ
ブラウザ上に「安全ではありません」という警告が出るHTTPサイトは、ユーザー離れを招きます。
HTTPS化することで、サイトの信頼性が向上します。
③ SEO(検索順位)への好影響
GoogleはHTTPS対応サイトをランキング評価で優遇しています。
そのため、SEO対策の一環としてもHTTPSは重要です。
④ データの改ざん防止
通信途中でデータが書き換えられるのを防ぎ、正しい情報をユーザーに届けることができます。
6. HTTPS化(SSL化)の方法
自分のWebサイトをHTTPS対応にするには、SSL証明書を導入します。
● 一般的な手順
- 証明書の取得(有料 or 無料の認証局)
- 無料例:Let’s Encrypt
- 有料例:GlobalSign、DigiCert、Sectigoなど
- サーバーへ証明書をインストール
- Web設定をHTTPS対応に変更(リダイレクト設定、URL修正など)
最近では、多くのレンタルサーバーやCMS(WordPressなど)がワンクリックでSSL化に対応しています。
7. HTTPSが使われていないとどうなる?
もしHTTPのまま通信している場合、以下のリスクがあります。
- 通信内容を盗聴される(例:ログイン情報や個人データ)
- 改ざんされたページを表示させられる(フィッシング詐欺など)
- ブラウザが「保護されていません」と警告を表示する
特にChromeやEdgeなどの主要ブラウザでは、HTTPサイトにアクセスすると明確な警告が出るため、ユーザーの信頼を大きく損なうことになります。
まとめ
| 項目 | 内容 |
| 定義 | HTTP通信に暗号化(SSL/TLS)を加えた安全な通信方式 |
| 主な役割 | 通信内容の暗号化・サーバー認証 |
| メリット | セキュリティ強化、信頼性向上、SEO効果 |
| 必要性 | 個人情報・決済情報を扱う全てのWebサイトで必須 |
HTTPSは、現代のインターネットにおける「標準の安全対策」です。
個人サイトでも企業サイトでも、**「HTTPからHTTPSへ」**の移行は避けて通れません。
セキュリティと信頼を守るために、あなたのWebサイトも今すぐHTTPS対応を検討してみましょう。


