ジャズトランペッター・レッド・ロドニーの名演を堪能!代表曲&オリジナルレコードの魅力とコレクション完全ガイド

ジャズトランペッター、レッド・ロドニーの名曲を語る

レッド・ロドニー(Red Rodney、本名ロナルド・モリス・プリーストリー)は、ジャズ・トランペッターとして1940年代から1980年代にかけて活躍し、ビバップやハードバップの発展に大きく貢献したミュージシャンです。チャーリー・パーカーのバンドに参加したことでその名を広く知られるようになり、数多くの名曲をレコードに残しています。ここでは、特にレコードで聴くべきレッド・ロドニーの代表的な楽曲とその魅力、そして当時のレコード盤情報について解説していきます。

レッド・ロドニー概要とレコード時代の背景

レッド・ロドニーは1927年アメリカ・ペンシルベニア州フィラデルフィア生まれ。1940年代後半から1950年代初頭にかけてのニューヨーク、ジャズ・シーンの中心で活躍しました。特に1947年9月から1949年まで、ビバップの生みの親であるチャーリー・パーカーのクインテットに参加し、パーカーのリーダー作やセッションに多数参加しています。

当時の録音はもっぱらアナログ・レコード、特に10インチや12インチのLPが主流。オリジナル盤はプレス枚数が限られていたため、当時のオリジナル・レコードはコレクター間で非常に価値が高く評価されています。盤質の違いでジャズの雰囲気が変わって聴こえることもあり、当時の空気を感じられるアナログ盤は今なお根強い人気を誇っています。

レッド・ロドニーの代表的名曲一覧とレコード情報

では、レッド・ロドニーがトランペット奏者として特に評価されている名曲を紹介しましょう。原盤のレコードの情報も含め、レッド・ロドニーの魅力が伝わる名演を中心に解説していきます。

  • 「Ornithology」(オーニソロジー)

    1946年にチャーリー・パーカーが発表したこの楽曲は、ビバップを代表するスタンダード曲です。レッド・ロドニーは1947年にパーカーのバンドで参加した録音盤にてこの曲の雄弁なトランペットソロを残しています。

    代表盤は、Classic RecordsやSavoy Recordsなどの10インチ&12インチLPに収録されているものです。たとえば、Savoy 10インチ盤「Charlie Parker Memorial, Vol. 1 (Savoy MG 12058)」や、後に12インチLP化された「Charlie Parker with Strings」などです。オリジナルのラッカー盤は非常に希少で、オリジナルプレスの独特な温かい音色と響きを楽しめます。

  • 「Red Rodney Quintet - Night in Tunisia(トゥニジアの夜)」

    バド・パウエルのピアノ、ソニー・クラークとの共演により録音されたこのアレンジは、レッド・ロドニーのワイルドで表現力豊かなトランペットが堪能できる名演の一つです。特に1970年代後半から1980年代にかけてのアーコ・ジャズでの録音盤が有名です。

    この曲はLP時代には複数のジャズレーベルよりリリースされましたが、特に「Spotlite Records」からのオリジナル盤は品質が高く、ジャケットデザインも魅力的です。ジャズバーやレコ屋でめったに出会えない貴重なタイトルとして知られています。

  • 「Red Rodney with Ira Sullivan - Braziliant」

    1970年代後半、レッド・ロドニーはトランペット&フリューゲルホルン奏者アイラ・サリヴァンと共に活発なデュオやカルテット録音を行っています。その中でも「Braziliant」は情熱的でリズミカルなサウンドが印象的な楽曲。

    こちらは当時の日本でも人気が高く、ヴィンテージジャズ愛好家の間でLPレコードのオリジナル盤が重宝されています。日本の「Flying Disk」などで再発されていますが、オリジナル米国盤のポリドール12インチLP(例:Polydor 2310 314)は特におすすめです。

  • 「Moten Swing」

    ジャズの古典スタンダード曲ですが、レッド・ロドニーの演奏はビバップ的な解釈が加わり新鮮なリズム感をもたらしています。彼の若き日の録音はSavoyレーベルやDial Recordsの10インチLPに多く収録されており、オリジナル・レコードは状態が良ければ非常に高値で取引されています。

レッド・ロドニーのレコード収集の魅力

レッド・ロドニーのレコードは、単なる音楽体験以上の価値を持っています。当時のジャズシーンの息遣いがそのまま封じ込められ、「アナログならではの熱量」、「録音時の職人技」、さらには「ジャケットや帯のデザイン」などを楽しめる点です。

多くのジャズ・レコードは限定プレスや小ロット生産のため、オリジナル盤を収集すること自体が非常に価値のある体験です。レッド・ロドニーのオリジナル盤は、特にSavoy、Dial、Spotlite、Polydorなど、複数の老舗ジャズレーベルからのリリースがあるため、多彩な音源を探求できます。中古レコード店やジャズ市、オークションなどで掘り出し物を探す喜びも大きいでしょう。

まとめ

レッド・ロドニーは、ジャズの黄金期に輝いたトランペット奏者であり、彼の名演を収めたレコードはジャズファンにとって聴き逃せない宝物です。特にビバップやハードバップ時代の貴重な10インチや12インチLPは、現在も高い音楽的評価とコレクション価値を誇っています。

代表曲の「Ornithology」や「Night in Tunisia」、「Braziliant」、「Moten Swing」などは、彼の多彩な演奏性と歴史的背景を語るうえで重要な作品。レコードで聴くことで、ジャズの臨場感や当時の空気感をリアルに体験できるため、一度はオリジナル盤に触れてみることをおすすめします。

これからレッド・ロドニーのレコードコレクションを始める方は、有名レーベルのオリジナルプレスを中心に探し、ジャケットの状態や盤質をよく確認しながら、長く愛せる一本を見つけてください。彼のトランペットが織りなす鮮やかな旋律は、今なお多くのジャズ・ファンの心に響き続けています。