カーター・ファミリーのレコード完全ガイド|歴史・名盤・選び方とおすすめ購入先
カーター・ファミリーとは何か?
アメリカン・フォークミュージックの歴史において、カーター・ファミリーは非常に重要な存在です。彼らは1920年代から1930年代にかけて活躍し、アパラチア地方の民謡や伝承音楽をベースにしたスタイルで多くの楽曲を録音しました。そのシンプルかつ心温まるハーモニーと歌詞は、後世のフォーク、カントリー、ブルーグラスなど多様なジャンルに多大な影響を与えました。
特にレコードでの録音は、当時まだ新しかった音楽の記録・流通方法の一つとして、カーター・ファミリーの楽曲を広く伝播させる役割を果たしました。本コラムでは、カーター・ファミリーのレコードにフォーカスし、その魅力やおすすめのレコード作品について詳しく解説します。
カーター・ファミリーのレコードの歴史と特徴
カーター・ファミリーは、1927年に最初のレコード録音を行いました。これがいわゆる「The Bristol Sessions」と呼ばれる一連の録音で、アメリカンルーツ音楽の発掘の意味でも非常に重要です。Victorレーベル(後のRCAビクター)に残されたこれらの録音は、当時の技術でありながら、その音楽性は現在でも色褪せることがありません。
彼らのレコードは、アナログならではの温かみのある音質、まるで目の前でライブを聴いているかのような臨場感が魅力です。特に78回転のシングル盤は歴史的価値が高く、コレクターズアイテムとしても非常に人気があります。盤の状態やプレスされた工場によっても音質に差があり、マニアの間で情報交換が盛んに行われています。
おすすめのカーター・ファミリー・レコード作品
カーター・ファミリーのレコード作品の中から、特に聴き応えのある名盤を紹介します。いずれもオリジナルの78回転盤や、その後LP化された作品などで入手可能です。
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「The Carter Family - Victor Sessions 1927-1930」
カーター・ファミリーの録音初期を網羅したコレクション。このシリーズでは彼らの代表曲「Bury Me Under the Weeping Willow」や「Wildwood Flower」などが収録されています。初期のシングル盤の音質と演奏の息づかいが生々しく伝わってきます。
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「Carter Family Box Set (5 x 10" 78rpm Records)」
オリジナル78回転レコードの再発セットで、1927年から1934年にかけての代表的な曲が収録された豪華ボックスです。アナログ愛好家にとっては価値の高いアイテムで、音の厚みやダイナミクスの豊かさを味わえます。
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「Can The Circle Be Unbroken: Vol. 1 & 2 - Carter Family」
アルバムとしてまとめられたLP盤ですが、元は78回転レコードの編集盤です。名曲「Will The Circle Be Unbroken」の初出盤としても知られ、ファミリーの歌唱力と楽曲の普遍性が堪能できます。
カーター・ファミリーのレコード選びのポイント
カーター・ファミリーのレコードを選ぶ際にはいくつか注意したいポイントがあります。特に中古やアンティーク市場での購入では以下の点をチェックしてください。
- 盤の状態:キズやノイズの有無はアナログレコードの音質に直結します。できるだけグッドコンディションのものを選びましょう。
- プレス年と工場:オリジナル盤は1920年代〜1930年代にプレスされたものが最も価値がありますが、音質面での違いもあります。再発盤の場合は録音のリマスター状態にも注目です。
- レーベルの種類:Victor、Decca、Bluebirdなど、どのレーベルに属するかで収録曲や音質にバリエーションが生まれています。
- 付属品:元々のジャケットやライナーノーツ、インサートが残っているかもコレクションの価値を高めます。
レコードならではの魅力と楽しみ方
カーター・ファミリーの音楽を聴くなら、やはりレコードでその深みを味わうことをおすすめします。デジタル音源に比べてアナログレコードは、柔らかく温かい音像が特徴で、彼らのハーモニーやギターの細かなニュアンスがより豊かに響きます。
また、古い78回転レコードをプレイヤーで再生すること自体が一つの文化体験。昔の録音技術の制約が逆に味となり、音の“揺らぎ”や“空気感”を感じられるのが楽しいポイントです。適切なクリーニングと針の選定が、より良い鑑賞には欠かせません。
さらに、レコードジャケットやラベルデザインも当時の文化や音楽産業の歴史を物語る貴重な資料です。コレクターとしてコレクションする楽しみもあります。
レコード購入の際におすすめのショップやオンライン市場
カーター・ファミリーのレコードは希少価値が高いため、専門的な中古レコードショップやオークションサイトで探すことが一般的です。以下のようなルートが特におすすめです。
- 専門的なヴィンテージレコード店:大都市圏のフォークやブルーグラスを扱う店で、保存状態の良いものを扱っていることが多い。
- オンラインマーケットプレイス(eBay、Discogsなど):海外のコレクターが出品していることも多く、希少盤も手に入りやすい。
- 地域のビンテージフェアやレコードフェア:直接盤の状態をチェックできるため、良質なものを見つけやすい。
まとめ
カーター・ファミリーは、アメリカ音楽のルーツを知る上で欠かせない存在であり、その音楽をレコードで聴くことは当時の空気感を体感する貴重な体験となります。特に78回転のオリジナル盤は、音質や歴史的価値においても非常に魅力的です。良質なレコードを選び、適切にメンテナンスしながら楽しむことで、カーター・ファミリーの音楽の素晴らしさをより深く味わうことができるでしょう。
これからカーター・ファミリーのレコード収集を始めたい方も、今回ご紹介したポイントやおすすめ作品を参考にして、ぜひその豊かな音楽世界に浸ってみてください。


