SSHとは?仕組みと使い方を初心者向けにわかりやすく解説|安全なリモート接続の基本


■ SSHとは

SSH(Secure Shell)とは、ネットワークを通じて他のコンピュータに安全に接続するための通信プロトコルです。
主にサーバー管理やリモート作業に利用され、暗号化によって通信内容を保護します。

簡単に言うと、SSHは「安全な遠隔操作のためのトンネル」のようなものです。
リモートサーバーにログインして、コマンド操作やファイル転送を行う際に使われます。


■ SSHの仕組み

SSHの最大の特徴は「通信の暗号化」です。
従来はTelnetなどの仕組みを使って接続していましたが、Telnetでは通信内容が暗号化されず、
第三者にパスワードやデータを盗み見られる危険がありました。

SSHでは以下の3つの要素で通信を保護します。

  1. 暗号化通信
     通信経路上のデータを暗号化し、盗聴や改ざんを防止します。
  2. 認証(Authentication)
     ユーザー本人であることを確認します。パスワード認証や公開鍵認証などの方式があります。
  3. 整合性確認(Integrity Check)
     通信中にデータが改ざんされていないかを検証します。

■ SSHの主な利用シーン

  1. サーバー管理・運用
     レンタルサーバーやクラウド(AWS、VPSなど)へ安全にログインし、
     ファイル操作や設定変更を行う際に使われます。
  2. ファイル転送(SCP / SFTP)
     SSHの仕組みを利用した安全なファイル転送方式。
     FTPよりもセキュリティが高く、企業環境ではSFTPが主流です。
  3. Gitや開発環境の接続
     GitHubやGitLabへのアクセスもSSHキーで認証するケースが多く、
     パスワード不要で安全にリポジトリへ接続できます。
  4. リモートデスクトップやIoT機器の制御
     Raspberry Piなどの小型デバイスを遠隔操作する際にも活用されます。

■ SSHの接続方法(基本)

1. パスワード認証

もっともシンプルな方法です。

ssh ユーザー名@ホスト名

接続時にパスワードを入力して認証します。

2. 公開鍵認証

より安全で、現在主流の方式です。

  1. 自分のPCで「公開鍵」と「秘密鍵」を生成
     例:ssh-keygen -t rsa
  2. 公開鍵をサーバーに登録
  3. 秘密鍵を使って接続(パスワード不要)

この方式では、秘密鍵が外部に漏れない限り、高い安全性を確保できます。


■ SSHのポート番号と設定

SSHの標準ポートは 22番 です。
ただし、セキュリティ強化のために別ポートに変更することもあります。

設定ファイル例(/etc/ssh/sshd_config):

Port 2222
PermitRootLogin no
PasswordAuthentication no

これにより、特定ポートへのアクセス制限やrootログインの無効化が可能です。


■ SSH接続を安全に保つポイント

  • 公開鍵認証を利用する(パスワードより安全)
  • rootユーザーでの直接ログインを禁止する
  • ファイアウォールで接続元IPを制限する
  • ポート番号を変更して攻撃を避ける
  • 定期的に鍵や設定を更新する

■ まとめ

SSHとは、インターネット上で安全にサーバーへ接続するための基本技術です。
特にWeb開発・サーバー運用・IoT機器制御など、
あらゆるITシーンで欠かせない仕組みとなっています。

セキュリティを保ちながら効率的にリモート操作を行うためにも、
SSHの基礎を理解し、公開鍵認証を活用することが重要です。