ラウル・プレスコウが愛するレコード10選とその収集術|アナログハウスの魅力を徹底解説
はじめに:ラウル・プレスコウとは何者か?
ラウル・プレスコウ(Raul Prescod)は、世界的に評価されているDJ兼プロデューサーであり、その卓越したレコード収集家としての一面も知られています。主にハウスやディープ・ハウス、時にはアンビエントやレトロなディスコを織り交ぜた彼の音楽性は、レコードの質や選曲のセンスに深く根ざしています。本コラムでは、ラウル・プレスコウに関連したレコードのおすすめ作品を中心に紹介し、その魅力を解説していきます。CDやデジタル配信ではなく、“レコード”というフォーマットにこだわる理由や、その収集のポイントも併せて触れていきます。
なぜラウル・プレスコウはレコードにこだわるのか?
現代の音楽シーンでは、Spotifyなどのサブスクリプションサービスやデジタル配信が主流となっていますが、ラウル・プレスコウはレコードというアナログフォーマットに強いこだわりを持っています。その理由は複数あります。
- 音質の魅力:レコードはデジタル音源とは異なる暖かみのある音が特徴です。特に彼の選ぶハウス・ディープハウスの曲は、アナログレコードの回転と針の振動が生み出す繊細なノイズ感やヴィンテージ感と絶妙にマッチします。
- コレクターとしての喜び:稀少なレコードを探し出し、実際に手に入れることでDJとしての独自性が生まれます。特にラウル・プレスコウは希少レコードの知識が豊富で、その嗅覚はDJ界でもトップクラスです。
- プレイ体験の価値:レコードで曲をミックスするときの手触りやアナログ操作の楽しさは、デジタルには代えがたいものです。彼のセットではこの“ライブ感”が大きな魅力の一つとなっています。
ラウル・プレスコウおすすめのレコード10選
以下にラウル・プレスコウのDJセットやレコードコレクションで特に評価されているおすすめレコードを紹介します。これらは彼の音楽性やプレイスタイルを知る上でも欠かせません。
1. Virgo Four - "Do You Know Who You Are?"
シカゴハウスの名作として知られるこの12インチは、ラウルのセットに欠かせないヴィンテージトラック。深いベースラインと浮遊感あるシンセサウンドが特徴で、レコードのアナログ感が音質を一層際立たせています。
2. Joe Claussell - "Mi Ritmo" (Dance Ritual Mix)
プレスコウが得意とするラテンフレーバーを取り入れた逸品。12インチの重量感ある盤面から紡ぎ出される暖かくソウルフルな音が魅力。実際のレコード盤から感じる音圧はCD級とは段違いです。
3. Blaze - "Lovelee Dae"
深いハウス要素とソウルフルなボーカルが融合した、レコード市場でも根強い人気を誇る定番。彼のセットには欠かせない名曲の一つとして挙げられます。
4. Larry Heard - "Can You Feel It"
ハウスの原点を示す一曲。オリジナルのアナログ盤は特に音の温かみが高く、回転速度や針圧で微妙なニュアンスを表現できるため、プレスコウのような熟練者向けのタイトルです。
5. MAW (Masters At Work) - "To Be In Love" (MAW 97 Mix)
ニューヨークハウスの代表格とも言えるMAWの一曲。レコードでのフィジカルな操作感が活きるグルーヴ感で、彼の選曲センスを感じられます。
6. Jimpster - "English Rose"
英国ディープハウスシーンの名手ジンプスターの作品。アナログ盤で聴くと、その繊細な音像と空間表現がより実感できるため、ラウル自身も好んでプレイしている様子。
7. DJ Sprinkles - "Midtown 120 Blues"
現代ディープハウスを象徴する名盤。特にヴィニールでの再生が推奨されており、サブスクでは味わえないアナログ特有の濃密さが魅力となっています。
8. Azymuth - "Jazz Carnival"
ブラジリアンジャズ・フュージョンの名曲。ラウルのセットによく採用されるこのレコードは、レトロで温かみのある音質が生々しく伝わるため、アナログでの所有価値が高いです。
9. Ron Trent - "Altered States"
シカゴハウスの重要人物による一曲。レコード盤独自の深みのあるベースラインと細かなパーカッションがアナログ特有の質感を引き出します。
10. Theo Parrish - "Falling Up"
モダン・ディープハウスからインダストリアルな要素まで備える彼の曲は、アナログ盤の物理的・音響的特性によって、DJプレイ時に独特の表情をみせます。
ラウル・プレスコウのレコード収集術と購入のコツ
ラウル・プレスコウのレコード収集は、単なる物の収集ではなく「音楽そのもの」と向き合う行為として知られています。彼が実践する収集術や購入のポイントを紹介しましょう。
- 現地レコードショップ巡り:彼はニューヨークやロンドン、ヨーロッパ各地のマニアックなレコードショップを足で探し回り、プリントプレスやマイナー盤の掘り出し物を探します。
- フェアやマーケット参加:Vinyl FairやRecord Marketは直接的に盤の状態をチェックできるため、レア盤だけでなくコンディションの良い盤を厳選。
- 盤の状態重視:プレスコウは状態の良いレコードを重視します。キズやスクラッチが少ないものを選んで長くプレイできることを大切にしています。
- プレスバージョンの見極め:初期プレス、リイシューなど複数バージョンがある盤の場合、音質や人気差異を熟知し、より良い音を追求します。
- ネットオークションや専門サイトの利用:ビンテージディープハウス盤を専門に扱うオンラインストアやオークションも活用。プレミア価格でも品質優先が基本です。
レコードの魅力を最大限に活かすラウル・プレスコウのプレイスタイル
レコードを用いたDJの妙技は、ラウル・プレスコウの表現力の中核をなしています。彼のプレイスタイルの特徴は次の通りです。
- アナログ機器との親和性:ターンテーブルとミキサーを巧みに操り、曲間のシームレスなミックスと微細な調整でオリジナリティを演出。
- 限定盤やエディット盤の活用:独自に編集した12インチ盤や、入手困難なエディションを用い、セットに希少価値をプラス。
- ストーリーテリング的選曲:曲順や音色の変化をドラマティックに展開し、レコードならではの感触を生かす。
- 生のグルーヴを重視:デジタルの補正なしで、レコード特有の小さなノイズや温かみをあえて残し、ライブ感を高める。
まとめ:ラウル・プレスコウとレコードの魅力を味わう
ラウル・プレスコウがレコードにこだわる理由は、単なる音源としての利便性以上に「音楽と向き合う本質と精神」を表現することにあります。彼が選ぶヴィンテージからモダンまでの優れたレコード作品は、独特の温かみと深みを持っており、実際に手に取ってアナログ再生することで初めて味わえる魅力を備えています。
もしあなたがラウル・プレスコウのミックスやDJセットに興味を持ったなら、まずは彼が愛するレコードを少しずつ収集することから始めてみてはいかがでしょうか。レコードの質感、音質、そしてDJ機器を触りながら音楽を紡ぐ楽しさは、まさに唯一無二の体験です。今回紹介したおすすめ盤を参考に、是非あなたもレコードの世界に足を踏み入れてください。


