マーティ・ペイチの魅力を徹底解説|代表レコード&西海岸ジャズの名アレンジャーとは?

マーティ・ペイチとは?

マーティ・ペイチ(Marty Paich、1925年1月23日 - 1995年8月12日)は、アメリカのジャズピアニスト、作曲家、編曲家、指揮者として知られています。西海岸ジャズの重要人物であり、多数の著名なジャズミュージシャンと共演、また多くの映画音楽やテレビ番組の編曲も手掛けました。彼の作品は、ジャズの枠を超えた洗練されたアレンジと豊かなハーモニーで非常に高く評価されています。

マーティ・ペイチの代表曲とそのレコード情報

ペイチの音楽は大部分が編曲家・指揮者としての作品となっており、彼自身の名前でリリースされているレコードは比較的少ないですが、その中でも特に注目すべき作品をご紹介します。

  • “The Broadway Bit”
    1956年リリースのアルバムで、マーティ・ペイチが編曲・指揮を担当した作品です。ジャズ・オーケストラを用い、ブロードウェイのヒット曲を洗練されたジャズアレンジに仕上げています。
    代表的なレコードは、Pacific Jazz RecordsからのオリジナルLP(PJ-1217)がよく知られており、アナログレコード愛好家の間で高く評価されています。特に、流麗でスマートなホーンセクションの活かし方は、西海岸ジャズらしい軽快さと都会的な雰囲気が融合しています。
  • “Marty Paich and His Orchestra” (1954)
    これは、ペイチが率いるオーケストラによる初期のレコードで、アレンジの巧みさとダイナミックな編成が魅力の一枚です。
    1954年にDeccaレーベルからリリースされたオリジナルLPが存在し、レコード盤の状態が良いものはコレクター間で人気です。ジャズのエッセンスをふんだんに盛り込み、多彩な楽器編成を駆使した作品は、ペイチの編曲家としての本領を示しています。
  • “The Music from Richard Diamond” (1959)
    この作品は、テレビドラマ『Richard Diamond, Private Detective』の音楽を収録したもので、マーティ・ペイチが音楽監督と編曲を務めています。
    Liberty RecordsからのオリジナルLP(LL-1335)が発表されており、特にソフトなビッグバンドサウンドとモダンなジャズ感覚の融合が楽しめます。サスペンスドラマの雰囲気を巧みに表現したアレンジは、レコードならではの温かみが伝わる貴重な音源として評価されています。
  • “Jazz for Lights” (1960)
    マーティ・ペイチが編曲・指揮を手掛けた作品で、自動車や都市の夜景をテーマにした都会的なムードジャズの名盤です。
    Capitol RecordsよりリリースされたLP(T-1357)は、時代を映すサウンドの特徴とペイチの洗練されたアレンジの両方を楽しめ、アナログサウンドの魅力を存分に味わえる一枚です。ジャズファンのレコードコレクションに欠かせない存在です。

マーティ・ペイチのレコードの魅力

マーティ・ペイチの作品をレコードで聴くことの最大の魅力は、録音とアナログならではの音質にあります。デジタルリマスター音源と比べて、アナログレコードは独特の暖かみを持ち、ペイチの洗練されたアレンジの細部にわたるニュアンスが際立ちます。特に、ペイチが率いる大編成のオーケストラやビッグバンド作品では、一音一音の響きに深みと豊かな空気感が感じられます。

また、多くの作品が1950年代から1960年代の黄金期にリリースされているため、当時の録音技術とジャズ音楽の成熟が融合した貴重な音源が楽しめます。レコード盤のアートワークやインナースリーブも昭和のジャズ文化を感じさせ、聴覚だけではなく視覚的にも楽しめるのがレコードの特権です。

まとめ

マーティ・ペイチは、その編曲・指揮の才能でジャズの世界に多大な影響を与えました。彼の代表作は、西海岸ジャズの洗練されたスタイルを色濃く反映しており、特にレコード盤で聴くことで、時代の空気を感じながらその魅力を最大限に味わうことができます。

「The Broadway Bit」や「Marty Paich and His Orchestra」、「The Music from Richard Diamond」、「Jazz for Lights」などのオリジナルLPは、ジャズファンやレコードコレクターにとって必須のアイテムです。これらの作品を通じて、マーティ・ペイチの音楽的な世界観と技術の高さを堪能し、日本・世界のジャズ史における彼の位置を改めて認識できるでしょう。