メモリとは?役割・種類・容量の目安を初心者にもわかりやすく解説
メモリとは?
メモリ(Memory)とは、コンピュータが作業中のデータを一時的に保存しておくための装置のことです。
正式には「主記憶装置(メインメモリ)」と呼ばれ、CPUが処理するデータを一時的に記録し、必要なときにすぐ取り出せるようにしています。
パソコンやスマートフォンを人間の作業にたとえると、
- CPU(脳):考える役割
- メモリ(作業机):考えるために資料を広げて作業するスペース
- ストレージ(引き出し・本棚):長期保管する場所
という関係になります。つまり、メモリが大きいほど「一度にたくさんの作業をスムーズに進められる」ということです。
メモリの役割
メモリの主な役割は次の3つです。
- CPUとストレージの橋渡し
CPUは超高速で動作しますが、ストレージ(HDDやSSD)は比較的遅いため、処理が追いつきません。
そこでメモリが間に入ることで、必要なデータを一時的に保管し、高速な処理を実現します。 - プログラムの実行領域
OS(WindowsやmacOSなど)やアプリが動作するとき、そのデータやコードはメモリ上に展開されます。
メモリが不足すると、アプリの起動や切り替えが遅くなったり、動作が重くなったりします。 - マルチタスクの処理
複数のアプリを同時に開いても快適に操作できるのは、十分なメモリ容量があるからです。
逆にメモリが少ないと、動作がカクついたりフリーズしたりする原因になります。
メモリの種類
現在、主に使用されているメモリには以下の種類があります。
1. DRAM(Dynamic RAM)
パソコンで一般的に使われているタイプ。電源を切るとデータが消える「揮発性メモリ」です。
代表的な規格は以下の通りです。
- DDR3(旧世代)
- DDR4(主流)
- DDR5(最新世代・高速通信対応)
2. SRAM(Static RAM)
キャッシュメモリとしてCPU内部で使用される高速なメモリ。価格が高いため少量のみ搭載されます。
3. VRAM(Video RAM)
GPU(グラフィック処理装置)専用のメモリ。ゲームや映像編集などで多くのデータを一時処理します。
メモリ容量の目安
用途に応じて、必要なメモリ容量は変わります。
| 用途 | 推奨メモリ容量 |
|---|---|
| Web閲覧・メール・Wordなどの軽作業 | 4GB〜8GB |
| 画像編集・マルチタスク | 8GB〜16GB |
| 動画編集・3DCG制作・ゲーム | 16GB〜32GB |
| 専門的な開発・AI・データ解析 | 32GB以上 |
メモリは多ければ多いほど快適になりますが、無制限に増やしてもCPUやアプリの処理能力が追いつかない場合もあります。
バランスの良い構成が大切です。
メモリ不足になるとどうなる?
メモリが不足すると、次のような現象が起こります。
- アプリの起動が遅くなる
- ウィンドウ切り替え時にフリーズする
- 処理が遅延する(マウスや入力が反応しない)
- システムが仮想メモリ(ストレージ領域)を使い始めるため、動作が極端に遅くなる
こうした症状が続く場合は、メモリの増設や不要アプリの終了を検討しましょう。
メモリとストレージの違い
| 項目 | メモリ(RAM) | ストレージ(SSD/HDD) |
|---|---|---|
| 役割 | 作業中の一時記憶 | 長期的なデータ保存 |
| データ保持 | 電源を切ると消える | 電源を切っても保持される |
| 処理速度 | 非常に速い | メモリより遅い |
| 容量 | 数GB〜数十GB | 数百GB〜数TB |
メモリはあくまで「一時的な作業スペース」であり、保存用ではありません。
データの保管にはストレージを使用します。
まとめ
メモリはコンピュータの処理をスムーズに行うための作業領域です。
CPUとストレージの間でデータをやり取りし、同時に複数のタスクを快適に処理するために欠かせません。
パソコンを購入する際は、CPU性能だけでなくメモリ容量にも注目することで、用途に合った快適な環境を整えることができます。


