ファビオ・サルトリの名唱をアナログレコードで楽しむ―イタリアオペラの至宝と厳選おすすめ盤ガイド
ファビオ・サルトリとは?
ファビオ・サルトリ(Fabio Sartori)はイタリア出身のテノール歌手で、世界各地のオペラ舞台で活躍を続けている実力派の歌手です。主にイタリア・オペラのレパートリーを得意とし、その端正で力強い声と豊かな表現力で聴衆を魅了しています。特にヴェルディやプッチーニの役柄に定評があり、熱心なオペラファンからは日本を含む世界中で支持されています。
ファビオ・サルトリの名曲とは?
ファビオ・サルトリは多くの名曲を歌い上げていますが、ここでは代表的なものや彼の個性がよく表れているレコード作品、ライブ録音の名演を中心に解説していきます。なお、本稿ではCDやサブスクリプションといったデジタル媒体よりも、ファビオ・サルトリの魅力を味わうことができるレコード、つまりアナログ盤情報を優先してご紹介します。
ヴェルディ:『アイーダ』より「エジプトの王女アムネリスのアリア」
ヴェルディの名オペラ『アイーダ』はテノールの花形役、ラダメスを中心に物語が進みますが、ファビオ・サルトリの歌唱によるラダメスは数多くのレコードで聴くことができます。特にイタリア・レーベルから発売されたアナログ盤は彼の声の魅力を生々しく伝えており、ウォーマーな音質と相まって、当時のコンサートの臨場感が蘇ります。
- レコード例:EMIイタリア盤「Verdi: Aida」(ファビオ・サルトリ、ライナー・トリュファイ指揮)
- 特徴:彼のクリスタルクリアな高音と強靭な声量は、オケのなかで際立ち、イタリア・オペラらしいドラマティックな表現が楽しめる。
プッチーニ:『トスカ』より「テ・デウム」
ファビオ・サルトリの『トスカ』でのカヴァラドッシ役も非常に人気が高いです。特に『テ・デウム』の場面での彼の持つ力強いテノールは、レコード再生時に「鋼のような」緊張感をもたらします。1970年代以降に録音されたアナログ・レコードには、当時の録音技術の温かみと彼の気品ある歌唱が鮮明に残っているものがあります。
- レコード例:Deccaイタリアプレス盤「Puccini: Tosca」(サルトリ、指揮:カルロ・ベルゴンツィ)
- 音質特徴:オリジナルのアナログ録音のため、音の自然な広がりがあり、ライブ感を味わいたい人には最適。
ドニゼッティ:『愛の妙薬』より「人知れぬ涙」
ドニゼッティ作品の中でも『愛の妙薬』のネモリーノ役はファビオにとって得意中の得意な役柄です。特に「人知れぬ涙(Una furtiva lagrima)」はテノール・アリアの代表作として世界中の歌手に歌われていますが、ファビオ・サルトリのアナログレコードで聴く演奏は、声の柔らかさと同時に感情の伝わり方が段違いです。イタリア盤のレコードメーカーがリリースしたLPは非常に貴重で、コレクターズアイテムにもなっています。
- レコード例:RCAイタリアプレス盤「Donizetti: L’elisir d’amore」(ファビオ・サルトリ、指揮: ジュゼッペ・シノーポリ)
- 特徴:マイクの臨場感と温度感が絶妙で、歌心が細部にわたって感じ取れる。
ファビオ・サルトリのアナログ盤の魅力
ファビオ・サルトリの歌声をアナログレコードで楽しむことには、いくつもの魅力があります。
- 音の温かみと深み: アナログ録音特有の波形の連続性が彼の声の力強さや繊細さを豊かに伝えます。
- ジャケットの存在感:レコードの大型アートワークは、ファビオのイメージやアルバムの世界観を視覚的にも楽しめます。
- 古典的録音との音質差:例えば1960~70年代にイタリア現地で行われた録音は、現在のデジタル録音とは違う生々しさを残しています。
- コレクターズ価値:限定プレスやイタリア国内のみで流通した盤などは希少価値が高く、音楽ファンの間でたいへん人気です。
おすすめレコードショップと入手方法
ファビオ・サルトリのレコードはイタリア国内に加え、日本や欧州各地のヴィンテージレコードショップ、オペラ専門店で見つけることができます。特にイタリアのフィレンツェ、ミラノの専門店では、当時の現地プレスは比較的入手しやすいです。
- イタリア・ヴィンテージレコードショップ:都市部の老舗店で直接購入や通信販売も行われています。
- 日本のクラシック専門中古ショップ:ファビオ・サルトリの人気により、国内盤や輸入盤が見つかることも。
- オークションサイト:希少盤の入手に有効ですが、盤状態の確認を慎重に行う必要があります。
まとめ:レコードで味わうファビオ・サルトリの名曲体験
ファビオ・サルトリは現代オペラ界において、その美声と情感豊かな表現力で数々の名演を残しています。彼の録音をレコードで聴くことで、イタリアオペラの本質的な魅力と当時の録音現場の空気感を生き生きと体験することが可能です。CDやデジタルでの再生では体感しにくい、音の細やかなニュアンスや温かみを楽しみたいクラシックファンには、ぜひアナログ盤でファビオ・サルトリの世界を味わうことを強くおすすめします。


