The Animals完全ガイド:60年代英国ロックの名盤と希少オリジナルレコードの魅力と価値

The Animalsとは:60年代英国ロックの革新的バンド

The Animalsは、1960年代初頭のイギリス・ニューカッスル出身のロックバンドであり、ブルースやリズム&ブルースを強く取り入れたサウンドで注目を集めました。大ヒット曲「The House of the Rising Sun」をはじめとした彼らの作品は、ロック史において重要な位置を占めています。この記事では、The Animalsの歴史、特徴、そしてレコードに残された彼らの作品群について詳しく解説します。

バンドの結成と初期の活動

The Animalsは1963年に結成されました。中心メンバーはエリック・ブルー(ボーカル)、アラン・プライス(キーボード)、ヒルドゥル・ハットン(ギター)、チャス・チャンドラー(ベース)、ジョン・スティール(ドラム)です。彼らはニューカッスルでのライブ活動を経て、地元から注目を浴びるようになりました。

1964年に初めてのシングル「Baby Let Me Take You Home」をリリース。ブルース色の強いスタイルは当時のポップシーンとは一線を画し、レコード会社からの期待も高まりました。同年のアルバム『The Animals』で本格デビューを果たします。

代表曲「The House of the Rising Sun」とアルバム『The Animals』

1964年に発表された「The House of the Rising Sun」は、イギリスのみならずアメリカでも大ヒットし、全世界にThe Animalsの名前を知らしめることとなりました。この曲は、アメリカ南部のフォークソングを原曲とし、バンドはエリック・ブルーの独特なボーカルとアラン・プライスのオルガン演奏をフィーチャーしてアレンジしました。

バンドのデビューアルバム『The Animals』(UK盤)は、ブルースカバーやオリジナル曲を織り交ぜた内容で、英国リズム&ブルースブームの象徴的作品となりました。また、このアルバムはビニールレコードのヴィンテージ市場でも高い評価を受けており、オリジナルプレスはコレクターにとって貴重なアイテムです。

レコード盤における特徴と価値

  • オリジナルプレスの価値: The Animalsの初期作品は特に英国におけるオリジナル盤(1964年リリースのDecca、またはColumbiaレーベル盤)が人気です。これらのレコードは独特のラベルデザインやアナログならではの温かみが魅力で、オリジナル盤は価格が高騰していることもあります。
  • ジャケットデザイン: 初期はシンプルながらインパクトのある白黒写真を用いたデザインが特徴的で、英国ロック黎明期の雰囲気を感じられます。また、アメリカ盤ではジャケットや収録曲が異なる場合が多く、両国盤の比較も楽しめます。
  • プレスの違い: 音質面では、初期アナログ盤はモノラルが主流で、音の厚みや迫力が現代のCDやデジタル音源とは異なるため、アナログ愛好家からの支持が厚いです。特にオルガンのファンキーな音色やエリックのボーカルが更に生き生きと響きます。

2ndアルバム『The Animals on Tour』とシングル盤

続くセカンドアルバム『The Animals on Tour』(1965年)もオリジナル盤はヴィンテージ市場で高評価です。タイトルに「Tour」とありますが、実際はライブではなくスタジオ録音のコンピレーションです。ヒットシングル「Don't Let Me Be Misunderstood」や「Boom Boom」なども収録されており、ブルース色の濃いアレンジが魅力的です。

シングル盤では「We Gotta Get Out of This Place」(1965年)や「It's My Life」(1965年)などが重要です。これらはオリジナル盤の7インチレコードがマニアに人気で、特にラベルのデザインやカントリーナンバーの違いなど細かいポイントでコレクションの価値が変動します。

アナログ盤収集のポイントとおすすめ盤

The Animalsのレコード収集を楽しむなら以下の点に注目しましょう:

  • ラベルデザイン: Deccaの初期モノラル盤(UK盤)が最も価値が高く、ラベルが黒・赤の「ターンテーブル」タイプが特に人気。
  • 盤質: 若い時代の音楽ファンからコレクターまで音質を重視するので、キズやスクラッチがない良好なコンディションが望ましい。
  • ジャケットの保存状態: 色褪せや折れ、書き込みがないものが高評価。特に英国盤はジャケットの紙質が薄く、劣化しやすいので注意が必要。
  • プレスの希少さ: 初回プレスは通常再発盤に比べて希少価値があり、これを集めることがコレクターの醍醐味です。

おすすめのレコード盤としては、下記が挙げられます:

  • 『The Animals』(UK Decca SXL 6012) 1964年オリジナルモノラル盤 - 伝説的なデビューアルバムのファーストプレス。
  • 『The House of the Rising Sun』(7インチシングル)Decca F 11733 - バンドの代表曲が収録された初回シングル。
  • 『The Animals on Tour』(Columbia CS 8161) 1965年 UKオリジナル盤 - 代表的なセカンドアルバムで、ブルース感たっぷりの収録曲が魅力。

バンドの解散とその後のレコードリリース

The Animalsは1966年にいったん解散するものの、その後メンバーの入れ替わりや再結成を経て複数のアルバムをリリースしました。後期の作品もアナログ盤でリリースされましたが、初期ほどの注目は集めませんでした。

ファンやコレクターにとっては、やはり「初期The Animals」と呼ばれる1963~1966年の作品が最も魅力的です。この時代のレコードは音楽史的価値も高く、演奏の生々しさを感じられる音質はアナログ盤ならではです。

まとめ:The Animalsのレコードを楽しむ

The Animalsは、英国ビート、ブルースロックの礎を築いたバンドのひとつです。特にレコードで聴く初期作品は、オルガンのファンキーな響きとエリック・ブルーの魂を込めたボーカルをアナログならではの温かみで堪能できます。

ヴィンテージ市場においては、オリジナルプレス盤の収集は趣味としても価値が高く、状態の良い初版のレコードやシングルを見つける喜びも大きいものです。The Animalsのレコードは、その歴史的背景とともに、ロック音楽の原点に触れる財産と言えるでしょう。