ハイ・ファイ・セットの名盤&名曲をレコードで味わう魅力と歴史的価値【70年代日本フォークの先駆者】
ハイ・ファイ・セットとは
ハイ・ファイ・セットは、1969年に結成された日本のフォーク・グループで、細野晴臣や大瀧詠一、山下達郎らが影響を受けた重要な先駆者のひとつです。グループのメンバーは、在籍時期によって変動はありますが、代表的なメンバーは山本潤子、池田大輔、佐藤奈々子の3人で、特に1970年代前半の日本のフォークシーンに強い印象を残しました。
レコード時代に輝いたハイ・ファイ・セットの名曲
ハイ・ファイ・セットの楽曲は、レコードという形態でリリースされたものが多く、その温かみのあるアナログサウンドがファンの間で今も愛されています。彼らの音楽は主にフォークやポップ、カントリーの要素が美しく融合し、日本の70年代フォークの重要な一片を担いました。ここでは、レコードにて高く評価された代表的な名曲について詳しく解説します。
「フィーリング」 - 1971年リリースのシングル
ハイ・ファイ・セットの代表曲の一つである「フィーリング」は、1971年に発売されたシングル盤で特に人気を博しました。透き通るようなハーモニーとフォーク調のサウンドに、切なくも柔らかなメロディが印象的です。この曲はオリジナルLPや当時の45回転シングルで聴くことができ、盤の音溝に刻まれたアナログの暖かさが、デジタル化された現代の音源とはまた違った感動を呼び起こします。
「卒業写真」 - カバーとしての名演
山口百恵の楽曲としても知られる井上陽水の「卒業写真」をハイ・ファイ・セットがカバーしたバージョンは、彼らのハーモニーの美しさが際立ち、評価が高いです。オリジナルレコードで聴くことで、楽曲の持つ叙情性とグループならではの柔らかなアレンジがよりはっきりと感じ取れます。
「風をあつめて」 - 原曲ははっぴいえんど、ハイ・ファイ・セットのカバーも話題に
はっぴいえんどの名曲「風をあつめて」をハイ・ファイ・セットがカバーした音源は、彼らの繊細なアプローチとボーカルが光る一曲です。レコードの音質を通して聴くと、楽器の響きや空気感などが生々しく伝わり、当時のスタジオの雰囲気まで感じられます。
ハイ・ファイ・セットのレコード盤の魅力
ハイ・ファイ・セットのレコードは、特にアナログの温かみと香りを感じられることから、コレクターやフォークファンの間で今なお根強い人気があります。1970年代にプレスされたオリジナル盤は中古市場でも高値で取引されることが多く、ジャケットのアートワークや盤の質感も楽しめる点が魅力です。
- アナログサウンドの温かみ:現代のデジタル録音と違い、アナログレコードは音の丸みや自然な響きが特徴で、ハイ・ファイ・セットの繊細なハーモニーがより豊かに聴ける。
- ジャケットの芸術性:レコードのジャケットは大きなキャンバスであり、彼らの作品にはセンスの良い写真やイラストが使われていることが多い。購入後に眺める楽しみも大きい。
- オリジナル盤の価値:発売当時のプレス盤は状態によっては高額で取引されており、コアなファンにとっては音源の質だけでなく歴史的価値も持つ。
名盤紹介:ハイ・ファイ・セットの代表的LPレコード
以下に、ハイ・ファイ・セットの中でも特に評価が高く、レコード収集家に人気のあるアルバムを紹介します。
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『ハイ・ファイ・セット』(1970年)
キングレコードデビューアルバムであり、彼らの音楽性が詰まった作品。シンプルながら上質なアレンジで、フォークとポップが美しく融合している。初期の稚拙さとも言える魅力が感じられ、レコードの音質で楽しみたい一枚。
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『グッバイ』(1971年)
キングレコードより洗練されたサウンドプロダクションが特徴の2ndアルバム。「フィーリング」をはじめとした楽曲群が初期のフォークの枠を超えてポップスとしての魅力を強めている。
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『愛の絆』(1972年)
キングレコード感情豊かな歌声と繊細な演奏が秀逸な3作目。こちらもレコード盤で聴くと、各楽器の空気感や微妙なニュアンスが際立ち、ハイ・ファイ・セットの魅力が凝縮されている。
まとめ:レコードで味わうハイ・ファイ・セットの世界
ハイ・ファイ・セットの音楽は、デジタル全盛の現代においても、1970年代のアナログレコードを通して聴くことで、その魅力の真髄がより伝わってきます。スクラッチ音や盤の反響音すらも、当時の音楽制作の雰囲気を感じさせる重要な要素であり、今なお「聴く体験」として価値があります。
彼らが残した名曲群は、特にレコードの針が奏でる音の温かさのなかで、まるで当時のスタジオにいるかのような錯覚を与え、時代を超えた感動を与えてくれます。今後もハイ・ファイ・セットのレコードは日本のポップ・フォーク史を語る上で欠かせない宝物であり続けるでしょう。


