二次製品とは?土木工事で欠かせないコンクリート製品の役割と特徴をわかりやすく解説
二次製品とは
二次製品(にじせいひん)とは、工場で成形・養生されたコンクリート製のプレキャスト製品のことを指します。
現場で生コンクリートを打設する一次製品(現場打ち)に対し、
工場であらかじめ作られた「既製品」であることが特徴です。
道路工事・排水工事・造成工事など、多くの土木現場で使用されます。
二次製品が選ばれる理由(メリット)
1. 品質が安定している
工場で管理された環境のため、
温度・湿度・配合・強度試験などが均一で品質が高い。
2. 施工が早い
現場で型枠・配筋・打設・養生を行う必要がなく、
据え付けるだけで施工できるため工期短縮につながる。
3. 天候に左右されない
雨や寒冷期でも安定して施工できる。
4. 労務削減
職人の手間が減り、工程もシンプルになる。
5. 強度・耐久性が高い
JIS規格に沿って大量製造されるため、耐荷重・耐久性に優れる。
二次製品の代表的な種類
1. U型側溝(U字溝)
道路や宅地造成で雨水排水に使用。
2. L型側溝
縁石一体型で道路端部に多用。
3. ボックスカルバート
河川横断や道路下の大断面排水路に使用。
4. ふた(コンクリート蓋)
側溝用の蓋として使用される。
5. 歩車道境界ブロック(縁石)
歩道と車道を区分するためのブロック。
6. 擁壁ブロック・間知ブロック
法面・宅地の土留めに使用。
7. 擁壁用L型ブロック(L型擁壁)
敷地造成や宅地の土留めで主流。
8. 管渠製品(ヒューム管、BOX管)
上下水道工事の配管や排水路に使用。
工事の目的に応じて種類は非常に多く、自治体の仕様書に適合した規格品が選ばれます。
二次製品と一次製品(現場打ち)の違い
| 項目 | 二次製品(既製品) | 一次製品(現場打ち) |
|---|---|---|
| 製造場所 | 工場 | 現場 |
| 品質 | 高く安定 | 現場条件で変動 |
| 工期 | 非常に短い | 長い(型枠〜養生まで必要) |
| 天候の影響 | 受けにくい | 受けやすい |
| 設計自由度 | 規格品が中心 | 自由度が高い |
| コスト | 部材単価は高め | 人件費が多く総合的には高くなることも |
「品質・スピードを重視するなら二次製品」、
「現場条件が特殊で自由形状が必要なら現場打ち」という選択になります。
二次製品を使う際の注意点
1. 施工誤差に注意
規格品のため、据付け精度が求められる。
2. 施工機械(吊り具)が必要
クレーン・ユニック等が必須となることが多い。
3. 運搬スペースの確保
大量搬入の場合はヤード確保が必要。
4. 規格適合の確認
自治体の仕様書(例:T形側溝、L型側溝の規格)が定められているので要確認。
まとめ
二次製品とは、工場で製造されたコンクリート製の既製品で、
品質安定・工期短縮・施工効率化といった多くのメリットから、
土木工事のあらゆる現場で多用されています。
側溝、縁石、擁壁、ボックスカルバートなど種類も豊富で、
現場のコスト削減と品質向上の両立に欠かせない建設資材です。
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