L型側溝とは?特徴・用途・U型との違いをわかりやすく解説【建築・土木基礎知識】

L型側溝とは

L型側溝(エルがたそっこう)とは、断面が「L字形」をしたコンクリート製の側溝で、道路や敷地境界の排水を行うために設置される側溝の一種です。
道路の縁石(けいせき)と側溝が一体となっており、舗装端部の支持、歩行者の安全確保、排水機能を同時に満たすことができる点が特徴です。

一般道路・宅地造成・駐車場など、幅広い場面で使用される最も一般的な側溝のひとつです。


L型側溝の特徴

1. 縁石と側溝が一体構造

L型側溝はコンクリートの縁石と側溝が一体化した形状を持ちます。
段差をつけたい場所、道路端を明確にしたい場所に最適です。

2. 構造がシンプルで施工が容易

U形側溝に比べて構造が簡単で、据付がしやすく施工性が高い点がメリット。

3. 車両・歩行者の乗り入れに対応しやすい

宅地や駐車場の乗り入れ部分には、専用の「乗り入れブロック」と組み合わせることができます。

4. 排水機能も確保できる

側溝として雨水や生活排水の流入を受けることができ、道路の浸水対策にも有効。


L型側溝の主な用途

L型側溝は次のような場所で多く採用されています。

  • 公道・私道の道路端部
  • 宅地造成の境界
  • 駐車場の縁部
  • 工場や倉庫敷地の外周
  • 農地・山間部の簡易側溝
  • 歩道と車道の境界

特に、高さのある縁石で車両の侵入を防ぎたい場所などに適しています。


L型側溝の種類

一般的なL型側溝には複数の種類があります。

1. 標準型L側溝

最も一般的なタイプで、道路の端部に使用。

2. 乗り入れ用L側溝

車両の乗り入れが必要な場所に使用し、縁石部分が低く造られている。

3. 高さの異なるL側溝

歩道の高さや道路勾配に合わせて複数の規格がある。

4. 側溝蓋付きタイプ

グレーチング・コンクリート蓋を組み合わせて使用する場合。


L型側溝とU型側溝の違い

項目L型側溝U型側溝
断面形状L字形(縁石一体)U字形(箱状)
主用途道路端の縁石+排水排水量が多い場所
施工性高いやや手間
排水能力普通高い
乗入れ対応良い(専用品あり)一般的に不可

排水量重視ならU型、道路端の形状整備ならL型と使い分けます。


L型側溝の施工時のポイント

1. 砕石敷きと転圧を十分に行う

側溝沈下を防ぐため、基礎の締固めが重要。

2. 勾配を正確に設定

排水が滞らないように、1/100~1/300程度の勾配が一般的。

3. コンクリート基礎の有無を現場に応じて判断

交通量の多い道路や重量車が通る場所は基礎コンクリートを施工する場合が多い。

4. 蓋の種類に注意

グレーチングの場合、
・T-14(軽車両)
・T-25(中型車)
・T-40(大型車)
などの耐荷重を確認する必要がある。


まとめ

L型側溝とは、道路縁石と側溝が一体になったコンクリート側溝で、道路端部の整備と排水機能を兼ね備えた代表的な側溝です。
施工性が高く、住宅地から幹線道路まで幅広い場面で使用されます。
U型側溝とは用途が異なるため、排水量・設置環境・交通量に応じて適切に使い分けることが重要です。