OceanLab(オーシャンラボ)徹底ガイド:『Sirens of the Sea』・代表曲・制作の魅力と聴き方

OceanLab(オーシャンラボ)とは:背景とメンバー

OceanLab(正式表記は OceanLab)は、トランス/プログレッシヴ・シーンで高い評価を受けるプロジェクトで、Above & Beyond のメンバー(Jono Grant、Paavo Siljamäki、Tony McGuinness)とヴォーカリストの Justine Suissa によって結成されました。クラブ/フェス向けのトラック制作と、歌ものとしての叙情性を両立させた楽曲群が特徴で、ヴォーカル・トランスの代表的存在のひとつと言えます。

OceanLab の音楽的特徴

  • ヴォーカル中心のメロディアスな展開:Justine Suissa の澄んだ、感情の込められた歌声が楽曲の核となり、サビやブレイクでの歌メロがエモーショナルなカタルシスを生み出します。
  • ドラマティックな構成:典型的なトランスの構造(イントロ→ビルド→ブレイク→ドロップ→アウトロ)を踏襲しつつ、ブレイクにおける歌と静寂の対比で強い印象を与えることが多いです。
  • テクスチャの重ね方:厚みのあるパッド、アンビエントなパーツ、シンセのアルペジオ、そしてアクセントとしてのピアノやストリングス的要素が織り込まれ、広がりのある音像を作ります。
  • 感情的コード感:サブドミナントやマイナー→メジャーの転調など、聴き手の感情を動かすコード進行を多用します。これが「祝祭性」と「郷愁」を同居させる要因です。
  • プロダクションの丁寧さ:シンセやエフェクトの空間処理、ボーカルのディエッシング/リバーブ処理、コンプレッションやサイドチェインによるダイナミクス管理など、細部にこだわった作りが目立ちます。

代表曲と名盤の紹介

OceanLab の代表作はシングル群と、唯一のフル・アルバムと言える作品に集約されています。以下は特に評価の高い楽曲とアルバムです。

  • 「Sirens of the Sea」(アルバム)

    OceanLab 名義でリリースされたフル・アルバムで、プロジェクトの世界観が最もまとまって示された作品です。エモーショナルなヴォーカル曲とアンビエント寄りのインスト曲やリミックスがバランスよく並び、ヴォーカル・トランスの魅力を総合的に体現しています。アルバム全体を通しての流れ、シネマティックな演出、そして楽曲ごとの多彩なアレンジが聴きどころです。

  • 「Satellite」

    OceanLab を象徴する一曲。イントロの美しいコード進行と、Justine の伸びやかなヴォーカルが直ちに印象を残します。トランス/プログレッシヴ両方のエッセンスが入り混じったアレンジで、クラブプレイでもフェスでも高い支持を得ました。

  • 「Clear Blue Water」

    深い郷愁と希望が混在する曲で、歌メロのセンチメンタルさとトラックの透明感がよく噛み合っています。リミックスでも広く知られているため、様々なバージョンで聴き比べるのも楽しい曲です。

  • 「On A Good Day / Breaking Ties」等のシングル

    これらのシングルもOceanLabの代表曲として定着しており、エモーショナルなボーカルラインとドラマ性の高い展開が魅力です。

「Sirens of the Sea」を深掘りする

アルバムは単なるシングルの寄せ集めではなく、流れを意識した構成になっています。特に注目すべきポイントは以下です。

  • 曲順とドラマ構築:アルバム序盤でリスナーを引き込み、中盤で感情のピークを作り、終盤で余韻を残す設計がなされている点。ヴォーカル曲とインスト曲の配置が巧みで、アルバムの起伏を作ります。
  • アレンジの妙:同じ歌メロでも、楽曲ごとにシンセの質感やビートの厚みを変えることで色付けをしており、単調にならないよう配慮されています。
  • リミックスの存在価値:アルバム周辺には多彩なリミックスが存在し、トラックの別側面(クラブ向け、アンビエント寄り、プログレ寄り)を楽しめます。オリジナルを中心に、好みのリミックスを探すことで新たな発見があります。

楽曲制作の観点から見る OceanLab の魅力

制作面では、以下の点がOceanLabの楽曲を際立たせています。

  • 歌とサウンドの密な連携:Justine の歌い回しに合わせてシンセやリズムのタイミング、ハーモニーを綿密に設計。歌を中心に据えることで、ダンスミュージックでありながら「聴かせる」曲になっています。
  • 空間表現の工夫:リバーブ、ディレイ、EQで作る「広がり」がトラックに奥行きを与え、ダンスフロア外でのリスニングにも耐える音像を作ります。
  • サウンドデザインとダイナミクス:波打つようなフィルター動作、レイヤードされたパッド、サイドチェインによる呼吸感。これらの手法が楽曲の躍動と余韻を同時に生みます。

ライブ/DJセットでの役割とシーンへの影響

OceanLab のトラックは、フェスやクラブでの盛り上がりを演出するだけでなく、聴衆を感情的に引き込む“歌ものトランス”としての機能を持ちます。Above & Beyond のセットにも自然に組み込まれることが多く、ヴォーカル・トランスの潮流を代表する音源として長く支持されています。

初めて聴く人へのおすすめの聴き方

  • まずは代表曲(例:Satellite、Clear Blue Water)を一度通して聴き、Justine の歌声とメロディの印象を掴む。
  • アルバム「Sirens of the Sea」は通しで聴くことを推奨。曲順の流れで感情の起伏を体験できる。
  • 気に入った曲はリミックスを探してみる。クラブ向けのダンスリミックスやアンビエント寄りのバージョンで別の表情が見えてきます。
  • ライブ映像やAbove & Beyond のセットでの使用例を見ると、トラックがどのようにフロアで機能するかがわかります。

OceanLab の遺産と今後

OceanLab は「ヴォーカルとトランスの融合」を高いレベルで具現化したプロジェクトであり、その楽曲群は現在のエモーショナルなダンスミュージックにも影響を与えています。メンバーたちは各自の活動(Above & Beyond 等)で活躍し続けており、OceanLab 名義の曲は今なお多くのリスナーにとっての“名盤/定番”であり続けています。

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