Svenson & Gielen のおすすめレコード徹底解説!
Svenson & Gielenとは?トランス黄金期を象徴するベルギー・デュオ
Svenson & Gielen(スヴェンソン&ヒーレン)は、ベルギーのプロデューサー/DJデュオ、Johan Gielen(ヨハン・ヒーレン)とSven Maes(スヴェン・マース)によるトランス・プロジェクトです。Airscape名義でも活動し、荘厳なシンセ・リフと大きなブレイク、エモーショナルな展開で世界のクラブ・シーンを席巻しました。特に「The Beauty of Silence」「Twisted」「Answer The Question」などのアンセム級トラックで、2000年前後のトランス黄金期を象徴する存在となりました。
なかでも「The Beauty of Silence」は、日本でも大きな人気を獲得し、オランダのビッグ・レイヴ「Trance Energy」のアンセム曲としても知られています。
本稿では、レコードとしての魅力にフォーカスしながら、Svenson & Gielen名義で押さえておきたいおすすめ盤を深掘りして紹介します。
1. The Beauty of Silence ― まず最初に手に入れたい大本命
2000年前後にリリースされた「The Beauty of Silence」は、Svenson & Gielenを語るうえで絶対に外せない代表曲です。シンセ・リフとブレイクのダイナミクスに加え、タイトルどおり「一瞬の静寂(サイレンス)」を大胆に使った構成が特徴で、ブレイク後にドロップする瞬間の爆発力は今聴いても鳥肌もの。
オリジナル盤12インチはID&Tからリリースされており、Original MixやAirscape Remixなど複数のミックスを収録したバージョンが存在します。12インチらしいワイドなレンジとロング・ミックスが味わえるため、DJプレイでも家庭のリスニングでも、CDや配信とは一味違う迫力が楽しめます。
The Beauty of Silenceをレコードで楽しむポイント
- オランダ盤12インチ(ID&T):Original ExtendedやAirscape Remixを収録したプロパーなクラブ仕様の1枚。フロア映えを重視するならまずはここ。
- 日本盤コンピレーション:avexのコンピ『The Beauty of Silence』などにタイトル曲が収録され、日本のトランス・シーンでも広く知られるきっかけになりました
- リマスター/再発音源:近年はBlack Hole RecordingsからRemastered版や新しいアルバム形態でもリリースされており、オリジナルとの聴き比べも面白いところです。
「静」と「動」のコントラストが極端なこの曲は、アナログで大音量再生するとブレイクの無音に近いパートから一気に音が戻る快感が格別。トランスのドラマ性をレコードで味わいたい人にとって、最優先でコレクションに加えたい1枚です。
2. Twisted ― ハード寄りトランスのフロア・キラー
続いておすすめしたいのが、2001年のシングル「Twisted」。ID&Tから12インチでリリースされ、Original Mixに加えて「Svenson & Gielen Energy Mix」など複数のヴァージョンが存在します。
「The Beauty of Silence」が壮大でドラマティックなピークタイム・トランスだとすれば、「Twisted」はよりハードでアグレッシブな方向性。歪み気味のリードと固めのキックが前面に出たサウンドで、2000年代初頭のレイヴ感を強く感じさせるトラックです。
Twistedのおすすめ盤と聴きどころ
- 12" Original Mix / Energy Mix:ロングブレイクからの再ドロップが強烈なEnergy Mixは、ミックス中にしっかり「溜め」を作りたいDJに最適。
- リミックス盤:後年にはJochen MillerやJorn van Deynhovenらによるリミックスも登場し、クラシックを現代トランスのサウンドにアップデートした形で楽しむこともできます。
硬質なキックと疾走感のあるベースラインが特徴的で、「The Beauty of Silence」よりもハードトランス寄りのエネルギーを求めるリスナーやDJにとって、必携の一枚と言えるでしょう。
3. Answer The Question ― 硬派トランスの真骨頂
2002年リリースの「Answer The Question」は、Svenson & Gielen名義の中でも特に硬派なトランス・トラックとして人気の高い一枚です。Cosmic Gateや他アーティストのリミックスも展開され、シーン全体でヘヴィープレイされたクラブ・アンセムでもあります。
Original Mixは、低域からじわじわとビルドアップしながら、後半にかけてメロディアスなリフが浮かび上がってくる構成。ブレイクでは印象的なヴォーカル・サンプルとシンセ・コードが広がり、再度キックが戻ってきた瞬間に一気にテンションが爆発するタイプのトラックです。
Answer The Questionのレコードを選ぶ際のポイント
- 12"シングル:Original MixとCosmic Gate Remixを収録した盤は、プレイ・スタイルに応じて使い分けが可能。オリジナルは王道トランス寄り、Cosmic Gate Remixはよりハードかつグルーヴィーな印象です。
- コンピレーション収録:トランス系コンピやミックスCDにも頻繁に収録されており、Svenson & Gielenの代表曲として扱われています。CDで馴染みがある人ほど、アナログで聴いたときの音圧の違いを楽しめるはずです。
ピークタイムのフロアにストイックな多幸感をもたらしてくれる1曲で、「The Beauty of Silence」「Twisted」と並べて揃えると、Svenson & Gielenのサウンドの幅が一気に見えてきます。
4. We Know What You Did... ― ダークでドラマティックな一枚
「We Know What You Did...」は2002年リリースのシングルで、Darkな雰囲気とドラマティックな展開が魅力のトラックです。オリジナルに加え、DJ TiëstoやKay Ceeらによるリミックスが収録された12インチは、内容的にもかなり豪華な一枚。
ベースラインとシンセが絡み合う前半から、徐々に不穏さを増していくブレイク、そして再びドロップする瞬間まで、一貫して緊張感をキープする構成が特徴的。ハッピーなヴォーカルトランスとは対照的な、「夜のフロア」を描くような世界観を持った作品です。
We Know What You Did...の聴き方・押さえどころ
- Original Mix収録12":Svenson & Gielenらしい硬質なシンセとリフが楽しめるオリジナルは、セットの中盤以降で空気を引き締めたいときにぴったり。
- DJ Tiësto Remix収録盤:よりスケール感のあるアレンジで、オリジナルよりもドライヴ感が強く、Tiëstoらしいビッグルーム・トランスの香りが加わっています。
同時期のトランス作品の中でも、どこかサスペンス映画のようなムードを漂わせる1枚で、コレクションに加えるとセットのカラーをガラッと変えられる「切り札」的な存在になります。
5. Beachbreeze (Remember The Summer) ― ヴォーカルトランスの名曲
2003年にリリースされた「Beachbreeze (Remember The Summer)」は、Jan Johnstonをフィーチャーしたヴォーカルトランスの名曲です。ヨーロッパではID&Tから12インチがリリースされ、Original Vocal MixやGreen Court Remixなど、複数のミックスを収録した盤も存在します。
タイトルどおり「夏の記憶」をテーマにしたようなメロディと歌詞が特徴で、ビーチパーティやサンライズ・セットと非常に相性の良い1曲。タイトなキックと軽やかなシンセ・アルペジオの上にJan Johnstonのヴォーカルが乗ることで、Svenson & Gielenのハードさとポップな側面のバランスが絶妙に保たれています。
Beachbreezeのおすすめ盤
- 12" Original Vocal Mix収録盤:フル尺でヴォーカルを楽しめるOriginal Vocal Mixは、レコードでこそ味わいたいグルーヴ感。イントロとアウトロもミックスしやすく構成されています。
- The Remixes 12":Green Court Remixやその他リミックスを収録した「The Remixes」盤は、同じ楽曲を複数の解釈で聴けるため、DJ的にもコレクター的にも満足度が高い一枚です。
ハードトランス寄りのクラブ・トラックが多いSvenson & Gielen作品の中で、キャッチーなメロディとヴォーカルが際立つ1曲。メロディアスなトランスが好きなリスナーには特におすすめです。
6. リミックスから追うSvenson & Gielen関連レコード
Svenson & Gielen(およびAirscape)名義は、オリジナル曲だけでなく多数のリミックスワークでも高く評価されています。特に以下のような作品は、12インチで押さえておくとSvenson & Gielenのサウンド・デザインをより立体的に理解できます。
- Ayumi Hamasaki – Depend on you (Svenson & Gielen Remix)
J-POPとトランスのクロスオーバーを象徴する1枚。原曲のメロディを活かしつつ、エッジの効いたリフと大きなブレイクを加えたリミックスで、日本のトランス・シーンでも人気の高いバージョンです。 - Des Mitchell – (Welcome) To The Dance (S&Gプロデュース)
プロデュース/アレンジ面で関わった代表的なクラブ・トラックのひとつ。序盤から疾走感のあるビートで煽り続ける構成は、後のSvenson & Gielen作品にも通じるテイストが感じられます。 - Delerium feat. Sarah McLachlan – Silence (Airscape Remix)
名義はAirscapeですが、実質Svenson & Gielenサウンドの象徴とも言えるリミックス。壮大なパッドと分厚いリフ、ブレイクのドラマ性は、彼らのトレードマークそのものです。
これらのリミックス作品をレコードで揃えていくと、Svenson & Gielenのサウンド・メイクの共通点――例えば、ボーカルのループの使い方や、ブレイクで一度リズムを引いてから再度ビートを戻す構造などが、よりクリアに見えてきます。
7. どのレコードから集めるべき?タイプ別おすすめルート
最後に、「何から集めればいいか分からない」という人向けに、タイプ別のおすすめ購入ルートを整理してみます。
① まずは代表曲を押さえたい人
- The Beauty of Silence(12" / ID&T盤)
- Twisted(12" / ID&T盤)
この2枚があれば、Svenson & Gielenの「壮大なアンセム」と「ハードなクラブ・トラック」という両側面を一気に体感できます。
② ヴォーカルトランス好きの人
- Beachbreeze (Remember The Summer) feat. Jan Johnston(12")
- Depend on you (Svenson & Gielen Remix)収録盤
メロディアスで歌心のあるトランスが好きな人は、このセットがおすすめ。夏のビーチやサンライズ・シチュエーションをイメージしながら聴くと、楽曲の世界観がより鮮やかに立ち上がります。
③ ハードでダークなフロア向けセットが好みの人
- Answer The Question(12")
- We Know What You Did...(12"、特にDJ Tiësto Remix収録盤)
- Twisted(Energy Mix収録盤)
ハードトランス寄りのセットや、ナイトタイムのフロアを意識した選曲をしたい人にはこの組み合わせが最適。レコードで大音量再生したときの低域の押し出しは、デジタル音源とはまた違う「圧」を感じさせてくれます。
④ 近年のリマスター/リワークもチェックしたい人
- The Beauty of Silence (Remastered)(Black Hole Recordings)
- The Beauty of Silenceの2020年代リミックス群(例:W&W vs Jonas Stenberg Remix、Svenson & Gielen & Nifraバージョンなど)
オリジナルのアナログと、リマスター/現代的なリミックスを聴き比べると、ミックスやマスタリングの変化、キックやベースの質感の違いなども楽しめます。コレクション志向のリスナーには、こうした「旧盤+新盤」の二枚持ちもおすすめです。
まとめ:Svenson & Gielenのレコードでトランス黄金期を追体験する
Svenson & Gielenは、Airscape名義とともに2000年前後のトランス・シーンを代表する存在であり、その作品群は今なお多くのDJやコレクターに愛されています。レコードで聴くことによって、ブレイクのダイナミクスや低域の量感、シンセ・リフの厚みといった要素がより生々しく伝わってくるのも大きな魅力です。
まずは「The Beauty of Silence」「Twisted」といった代表的な12インチから集め、そこから「Answer The Question」「We Know What You Did...」「Beachbreeze (Remember The Summer)」と広げていくことで、Svenson & Gielenの世界観を深く味わえるはずです。トランス黄金期の空気を、ぜひレコードで追体験してみてください。
参考文献
- Airscape / Svenson & Gielen - Biography & Discography
- The Beauty of Silence - Wikipedia
- Svenson & Gielen – The Beauty Of Silence (Discogs)
- Svenson & Gielen – Twisted (Discogs)
- Svenson & Gielen – Answer The Question (Discogs)
- Svenson & Gielen – Discography Overview (Discogs)
- Svenson & Gielen – We Know What You Did... (Discogs)
- Svenson & Gielen feat. Jan Johnston – Beachbreeze (Remember The Summer) (Discogs)
- The Beauty of Silence (Remastered) – Apple Music
- Svenson & Gielen x Nifra – The Beauty Of Silence (TranceAttack)
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