テイラー・スウィフトのレコードおすすめと選び方|名盤解説・Taylor’s Versionとオリジナルの違い
はじめに — テイラー・スウィフトと「レコードで聴く」魅力
テイラー・スウィフトはデビューからカントリー、ポップ、インディー、エレクトロニカ的要素まで幅広く表現を変化させてきたアーティストです。楽曲の物語性やアレンジの変化が鮮明なため、アナログレコードでアルバムを通して聴くと、楽曲群としての統一感や制作時の空気感を強く感じられます。本コラムでは「初期のカントリー期」「ポップ転向期」「近年のインディー/セルフカヴァー期」などの視点から、レコードで所有する価値が高いおすすめ盤を詳しく解説します。
選び方のポイント(簡潔に)
- アルバムの「バージョン」を確認する:オリジナル盤と「Taylor’s Version(再録)」は別作品としての味わいがあります。
- 限定カラー盤やボーナストラックの有無でコレクション性が変わります。どちらを重視するか(音楽体験か収集価値か)を判断しましょう。
- アルバム単位での制作背景・歌詞の物語性を重視すると、レコードならではの没入感が得られます。
おすすめレコード一覧と深掘り解説
Taylor Swift(2006) — デビュー作:物語性と素朴さ
代表曲:Tim McGraw、Teardrops on My Guitar
- 解説:テイラーの出発点。若きソングライターとしての率直な視点とカントリー色が強いアレンジが特徴です。曲ごとのストーリーテリングが親密で、アナログで聴くとボーカルのニュアンスやバッキングの温かみが良く伝わります。
- おすすめ盤:オリジナルの国内盤/輸入盤LP。初期の音像を楽しみたいならオリジナルプレスを。
Fearless / Fearless (Taylor's Version)(2008 / 2021) — ブレイクスルーと再解釈
代表曲:Love Story、You Belong with Me(オリジナル)/Mr. Perfectly Fine(Taylor's VersionのVault曲)
- 解説:フェアレス期はポップへの接近とキャッチーなメロディが際立つ時期です。オリジナルのフェアレスは若さの輝きがあり、Taylor’s Versionは成熟した歌唱と新規収録曲(“From the Vault”)で別の魅力を持っています。
- おすすめ盤:コレクション性を重視するならTaylor’s Versionのデラックスやカラー盤(ボーナストラック収録)を。オリジナルの音像を愛するなら2008年リリースのプレスを探す価値があります。
Red / Red (Taylor's Version)(2012 / 2021) — ジャンル横断と名曲群
代表曲:All Too Well、I Knew You Were Trouble(オリジナル)/All Too Well (10 Minute Version)(Taylor's Version)
- 解説:Redはカントリー、フォーク、ダンス要素までを取り込んだ野心作で、楽曲ごとの表情が非常に豊かです。特に“All Too Well”のロングバージョンはTaylor’s Versionで新たな注目を集め、アルバム全体のドラマ性が増しています。
- おすすめ盤:深く聴くならTaylor’s Version(2枚組など)が収録曲数的に満足度が高いです。コレクターはオリジナル2012年盤のシングルカットや限定プレスもチェックするとよいでしょう。
1989 / 1989 (Taylor's Version)(2014 / 2023) — フルポップへの転換点
代表曲:Shake It Off、Blank Space、Style
- 解説:ポップ・アイコンとしての地位を確立したアルバム。洗練されたプロダクションとキャッチーな曲作りが並び、レコードで聴くとビートやシンセの空間処理が際立ちます。ダンス/ポップ志向の強い楽曲たちは、音圧やアレンジの立体感が楽しめます。
- おすすめ盤:リスニング用には良好なプレス(重量盤や評判の良いマスタリング)の2枚組を。Taylor’s Versionが存在する場合は収録差を比較して選ぶと良いでしょう。
Reputation(2017) — ダークな美学とアグレッシブなサウンド
代表曲:Look What You Made Me Do、Delicate
- 解説:シンセと深い低域を多用したダークな音像が特徴。テーマ的にも“イメージ”や“再生”を扱っており、アルバム全体のコンセプトが強い作品です。レコードで聴くとサウンドの重心やリズムの感触が生々しく伝わりやすい。
- おすすめ盤:限定色やツアー盤などビジュアルの異なるエディションが多く出回っているため、アートワークやパッケージを重視するコレクターにおすすめです。
folklore / evermore(2020) — 物語志向のインディー・フォーク傾向
代表曲(folklore):Cardigan、exile(feat. Bon Iver)/(evermore):Willow
- 解説:COVID-19下でのサプライズリリース群で、アコースティック寄りの落ち着いたプロダクションと物語性の強い歌詞が特徴です。フォーク的な抑制されたアレンジは、アルバムを通して聴くことで伏線やテーマの繋がりが感じられます。
- おすすめ盤:サウンドの繊細さを味わうには高品質なプレス(重量盤や良好なマスタ)を選ぶと良い。アートワークや内袋の歌詞カードも魅力です。
Midnights(2022) — 夜の情緒とポップたっぷりの最新形
代表曲:Anti-Hero、Lavender Haze
- 解説:夜や思索をテーマにしたポップ作品。プロダクションは洗練されつつも表情豊かで、シンセ・ビートと歌詞の内省がバランス良く混ざる一枚です。アルバム単位での世界観が強く、レコードでの再生で雰囲気に没入しやすいです。
- おすすめ盤:リリース時に複数のカラー盤や特典盤が出たため、ビジュアル・コレクションとしての価値が高いです。
オリジナル盤 vs Taylor’s Version — どちらを選ぶか
Taylor’s Versionは再録により新たなボーカルとアレンジで作品を再提示する試みで、法的・アーティスト的な意味合いも大きいです。以下の観点で選ぶとよいでしょう。
- 音楽的な「新解釈」を楽しみたい:Taylor’s Version(歌声の変化やVault曲が魅力)
- 当時の空気感やオリジナルのプロダクションにこだわる:オリジナル盤(ただし権利関係で再発仕様が変わることがある)
- コレクション目的:限定カラー盤や初回盤、ショップ限定仕様などを狙うと価値が上がることがある
レコード購入時のチェックポイント(作品選びに関する注意)
- 収録曲(ボーナス含む)を確認して、聴きたいバージョンがきちんと入っているかを確認する。
- プレス情報やリリース年を確認すると、音源のマスタリングや収録内容の差が分かる。
- 限定盤は再生音質よりもビジュアルや将来的な希少価値を優先する傾向があるので、目的に応じて選ぶ。
まとめ — どのアルバムから始めるべきか
テイラー・スウィフトのレコード入門としては、まず「1989」または「folklore」をおすすめします。1989はポップとしての完成度が高く、アルバムとしての躍動感を楽しめます。folkloreは物語性と静けさが際立ち、レコードで聴くとアルバム構成の妙を堪能できます。既にファンであれば、再録プロジェクトのTaylor’s Versionシリーズ(Fearless, Redなど)を集めることで、テイラー自身のアーティストとしての物語も追体験できます。
参考文献
- Taylor Swift Official Website
- Taylor Swift (album) — Wikipedia
- 1989 (Taylor Swift album) — Wikipedia
- Folklore (Taylor Swift album) — Wikipedia
- Rolling Stone — Coverage on Taylor's Version and re-recordings
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