ローリング・ストーンズ必聴10枚|年代別おすすめアルバムとレコード選びのコツ
はじめに
ローリング・ストーンズ(The Rolling Stones)は、1960年代から現在に至るまでロックの最前線を走り続けてきたバンドです。ブルースに根ざした初期からロック、サイケ、カントリー、ソウル、ディスコ風のダンス・ロックまで様々な表現を取り入れ、多彩な名盤を残しています。本コラムでは「入門に向く一枚」「音楽的な転機を示す一枚」「隠れた名盤」などの観点から、レコードとして揃えておきたいおすすめアルバムを時代ごとに深掘りしてご紹介します。
おすすめアルバム(年代順に深掘り)
Out of Our Heads(1965)
ポイント:ブリティッシュ・ロックの代表曲「(I Can't Get No) Satisfaction」を含む、初期の成功を象徴するアルバム(米盤の構成)。ストーンズがR&B/ブルースのカバーと自作曲を混在させながら、徐々にポップ/ロックの大衆性を確立していく過程がうかがえます。
代表曲: (I Can't Get No) Satisfaction / The Last Time / Play With Fire
おすすめ理由:シンプルながらキャッチーな楽曲が多く、ストーンズ入門用として最適。初期の荒々しさとヒット性が詰まった一枚です。
Aftermath(1966)
ポイント:Jagger/Richardsによるオリジナル曲が中心となった初のアルバム群のひとつ。ブライアン・ジョーンズのマルチな楽器使いや実験的なアレンジが光り、従来のR&Bコピーから創作志向への大きな転換点です。
代表曲: Paint It Black / Lady Jane / Under My Thumb
おすすめ理由:フォークやインド音楽的要素、バロック風のアレンジなど、幅広い音楽性を聴ける一枚。バンドの作曲力とアレンジの幅がはっきり示されています。
Beggars Banquet(1968)
ポイント:ストーンズの“ルーツ回帰”を象徴する作品で、ブルース/カントリー/ゴスペル的要素を取り入れた渋い名盤。プロデューサーのジミー・ミラー期の始まりでもあり、音作りがタイトになります。
代表曲: Sympathy for the Devil / Street Fighting Man / Stray Cat Blues
おすすめ理由:社会的なテーマと壮大なサウンドの融合。後のストーンズ像(ダーティで大人のロック)を確立した重要作です。
Let It Bleed(1969)
ポイント:Beggars Banquetの流れを受けつつ、ゴスペルやロックが混ざり合った名作。アルバム全体に漂う陰影と緊張感は、1960年代末の時代感と密接に結びついています。
代表曲: Gimme Shelter / You Can't Always Get What You Want / Midnight Rambler
おすすめ理由:ライブでの定番曲が多く、ストーンズのダークでスリリングな側面を堪能できる一枚。バンドの演奏力と曲の深さが共に充実しています。
Sticky Fingers(1971)
ポイント:アンディ・ウォーホルが関わったアートワークでも話題になった一枚。ロックンロールとブルースを土台に、メロウなバラードまで幅広く収録。
代表曲: Brown Sugar / Wild Horses / Can't You Hear Me Knocking
おすすめ理由:70年代のストーンズを代表する名曲ぞろい。ギターのリフやスライド、長尺のジャム的展開など、演奏面の魅力も際立っています。
Exile on Main St.(1972)
ポイント:ダブルLPの大作で、ブルース、ロック、ゴスペル、カントリー、ソウルなどを泥臭く混ぜ合わせた“圧倒的な厚み”が特徴。制作背景(プロヴィデンスでの混沌した録音)も伝説的です。
代表曲: Tumbling Dice / Rocks Off / Soul Survivor
おすすめ理由:ストーンズの“総合芸術”ともいえる作品。音楽的幅とアルバム単位での完成度を重視する人にぜひ聴いてほしい一枚です。
Goats Head Soup(1973)
ポイント:個人的な感傷やメロディ重視の曲が多く、シングル「Angie」が世界的ヒットを記録したアルバム。Exile後の落ち着きと新たなメロウさを感じさせます。
代表曲: Angie / Dancing with Mr. D / Winter
おすすめ理由:大作路線から一歩引いた作風がお好みなら。バンドの成熟期における異なる面が出ています。
Some Girls(1978)
ポイント:パンク/ディスコ/ファンクなど1970年代後半の流行を取り込みつつ、ストーンズ流に消化した作品。ヒット曲「Miss You」をはじめ、軽快で現代的な感覚が魅力です。
代表曲: Miss You / Beast of Burden / Shattered
おすすめ理由:ダンサブルでポップな一面が強く、ライブでも盛り上がる曲が多い。80年代以降のストーンズを理解するための橋渡し的作品です。
Tattoo You(1981)
ポイント:多くが過去の未発表セッション(アウトテイク)を再構築したアルバムですが、シングル「Start Me Up」をはじめとしてアルバムとしての完成度が高い一枚。
代表曲: Start Me Up / Waiting on a Friend / Hang Fire
おすすめ理由:“出戻り名盤”とも言える作品で、キャッチーなロックンロールが揃い、ラジオヒットも狙えるポップ性があります。
Get Yer Ya-Ya's Out!(1969、ライヴ)
ポイント:1969年のツアーを収めた公式ライヴ盤。スタジオ録音とは異なる迫力とスリル、アレンジの変化をダイレクトに楽しめます。
代表曲: Jumpin' Jack Flash (live) / Sympathy for the Devil (live) / Street Fighting Man (live)
おすすめ理由:ライブでのリアルなエネルギーを記録した名盤。スタジオ音源中心に集めたコレクションに加えるとバンドの別の顔が見えてきます。
どの順で聴くと面白いか(初心者〜コア・リスナー向け)
時系列で聴く:デビューから80年代までを年代順に追うことで、バンドのサウンド変遷(ブルース→サイケ→ルーツ回帰→70sのダーティなロック→ディスコ/ポップ志向)がよく分かります。
テーマ別に聴く:「ブルース色の強い曲」「ダークでシネマティックな曲」「ダンサブルなナンバー」などテーマを決めてプレイリスト化すると、同じ時期でも異なる側面が際立ちます。
名盤を軸に深掘り:まずは《Beggars Banquet》《Let It Bleed》《Exile on Main St.》《Sticky Fingers》を抑え、その後で《Some Girls》《Tattoo You》といった変化球に進むと理解が深まります。
選び方のコツ(盤やエディションについての簡潔な注意)
初期(60年代)の作品はUK盤とUS盤で曲順や収録曲が異なるものがあるため、聴き比べると面白い発見があります。
人気作はリマスター/スーパー・デラックス盤(ボーナス・ディスク、未発表音源、ライブ等)が出ていることが多く、史実や制作過程に興味があるなら拡張盤を探す価値があります。
ライブ盤やコンピレーションは“その時のストーンズ像”を知るのに便利。とくに1969年ツアーや70年代の長期ツアーを抑えた盤は名演が多く残っています。
まとめ
ローリング・ストーンズは長いキャリアの中で何度もスタイルを更新してきたため、「この一枚だけ」というよりも時代ごとの代表作を数枚押さえることで彼らの全体像が見えてきます。まずはここで挙げた名盤群から自分の好みに合う一枚を見つけ、そこから周辺作へ広げていくことをおすすめします。
参考文献
- The Rolling Stones 公式サイト
- The Rolling Stones - Wikipedia
- AllMusic: The Rolling Stones
- Rolling Stone Magazine: 500 Greatest Albums of All Time(一覧)
- Exile on Main St. - Wikipedia
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