Anderson Bruford Wakeman Howe(ABWH)おすすめレコード完全ガイド:必聴スタジオ盤・ライブ盤・リマスターの選び方と聞き方

はじめに — Anderson Bruford Wakeman Howe(ABWH)とは

Anderson Bruford Wakeman Howe(以下 ABWH)は、1988年に元Yesメンバーのジョン・アンダーソン(Vo)、ビル・ブルーフォード(Dr)、リック・ウェイクマン(Key)、スティーヴ・ハウ(G)が集まって結成したプロジェクトです。公式には“Yes”の名を冠していませんが、楽曲や演奏は70〜80年代のプログレッシブ・ロックの伝統を色濃く受け継いでおり、Yesの黄金期を愛するリスナーにとって重要な一章になっています。本コラムでは、ABWHのおすすめレコード(スタジオ作・ライブ作・再発/選盤の指針)を音楽的観点から深掘りして紹介します。

おすすめレコード一覧(優先度順)

  • 1. Anderson Bruford Wakeman Howe(1989) — スタジオ・アルバム(必聴)

    ABWHが発表した唯一のフル・スタジオ・アルバム。ジョン・アンダーソンの高音域ヴォーカル、リック・ウェイクマンのシンセ/ピアノ/Mellotron的サウンド、スティーヴ・ハウの多彩なギター・レイヤー、ビル・ブルーフォードの繊細かつ変拍子を見逃さないドラミングが結実した作品です。

    聴きどころ:

    • バンド・メンバーそれぞれの“らしさ”がストレートに出た楽曲群。複雑なアンサンブルとメロディアスなパートの同居が魅力。
    • ジョンの詞世界やコーラス・アレンジはYes的な夢想性を残しつつ、当時の音作り(デジタル/シンセの導入)も併存している点。
    • 楽曲構成は長尺曲から歌モノまで幅広く、プログレ入門者にも比較的聴きやすい部分がある。

    購入時のおすすめ盤:

    • オリジナルのアナログLP(コレクターズ・アイテム) — 初期プレスはアートワークやマスタリングのオリジナリティがあります。
    • 日本盤CD(帯・歌詞対訳付き)や後年のリマスター盤 — ボーナストラックやリマスタリングで音像が整えられているものもあります。
  • 2. An Evening of Yes Music Plus(ライブ盤/映像:1989ツアー収録、CD/DVD等で流通)

    ABWH名義で行った1989年のツアーを収めたライブ音源/映像は、彼らのスタジオ曲に加え、古くからのYesのレパートリー(メンバーの代表曲)を大胆に取り入れている点が見どころです。ステージでの即興的なやり取りや、バンドの一体感が味わえます。

    聴きどころ:

    • ライブならではのダイナミクス(ギターのアコースティック/エレクトリックの切り替え、キーボードの生の厚み)が際立ちます。
    • 古典的YesナンバーとABWHのオリジナルを組み合わせたセットリストは、両方のファンにとって見逃せない内容。
    • 映像で見ると演奏者間の視線やアレンジ変更がよく分かり、ライブ盤での体験価値が高いです。

    購入時のおすすめ盤:

    • 公式CD/DVD/Blu-rayパッケージ(映像を重視するなら映像収録盤を) — ライブの臨場感を楽しめます。
    • デジタル豪華版やボックス収録のライブ音源 — 未発表テイクやリハーサルが含まれることがあります。
  • 3. コンピレーション/再発(編集盤やデラックス・エディション)

    ABWHの楽曲は単独での作品数が少ないため、再発時にボーナス・トラックやデモ、ライブ音源を併録したエディションが狙い目です。デラックス盤には当時のセッション・アウトテイクやリマスター音源が含まれている場合があり、制作過程や別テイクを楽しめます。

    選び方のポイント:

    • 収録内容(ボーナス曲・ライブ音源の有無)を確認する。
    • マスタリング情報(リマスターの有無や誰が手掛けたか)をチェックすると、音の解像度や迫力に差が出ます。

音楽的な深掘り — 何が魅力か

ABWHは“過去の延長線上にある新作”と言える側面が強く、以下の要素が特に魅力です。

  • メロディとハーモニー:ジョンのリリカルで浮遊感あるメロディラインとコーラス・アレンジが全体を牽引します。
  • 複雑だが親しみやすい構成:プログレ的な編成や変拍子がある一方で、歌のフックやリフの魅力も失っていない点。
  • 演奏の技巧とバンド感:個々の技巧(ハウのフィンガーワーク、ウェイクマンのシンセ・アレンジ、ブルーフォードのタイトかつ洗練されたドラミング)が一体となる瞬間に聴き手は高揚します。
  • 音響的な広がり:70〜80年代のYesとは違った、当時のスタジオ技術を反映した音作りがされており、テクスチャーの豊かさが特徴です。

代表曲・ライブでの必聴パート(具体的な推奨箇所)

ABWHのレパートリーはスタジオ曲が中心ですが、ライブではYesクラシックを交えているため以下のような「聴くべき瞬間」があります。

  • スタジオ曲の序盤〜中盤にある展開部:テーマが展開して楽器間で受け渡されるパッセージ(ギター⇄キーボード⇄ヴォーカル)が聴きどころ。
  • ハウのアコースティック・ギター導入部:曲によってはアコースティックでの繊細なフレーズが楽曲の雰囲気を決定づけます。
  • ウェイクマンのシンセ/ピアノ・ソロ:往年のキーボード・ワークの延長で、シンセパッドからリード系フレーズまで幅広く楽しめます。
  • ライブでのYesクラシック再現パート:往年の名曲のフレーズをどのように再構築しているか(アレンジ差)を比較するのも面白いです。

購入ガイド:どのエディションを選ぶか

  • 音質重視なら:リマスター盤や日本盤CDなど、音圧・解像度の面で定評のある盤が無難です。
  • コレクション重視なら:オリジナルのアナログ初回プレス(ジャケット・帯・ライナーなどの完全なパッケージを求める)を探す価値あり。
  • ライブ体験を重視するなら:映像付き(DVD/Blu-ray)やボーナス・ライブ収録のエディションを選びましょう。
  • 限定盤・デラックス盤:未発表テイクやセッション音源が含まれていることが多く、バンドの制作過程を知るには最適です。

聞き方の提案(初めて聴く人向け)

  • まずはスタジオ・アルバムを通して聴き、曲ごとのメロディとアンサンブルを把握する。
  • その後ライブ盤で同曲の演奏差異(テンポ感、ソロの展開、観客の反応)を比べてみると味わい方が深まります。
  • メンバー個別の代表作(ソロ作やYes時代の名盤)と照らし合わせると、各楽器のパーソナリティがより明確になります。

まとめ

ABWHは“Yesの別形態”として、往年のファンにとっては懐かしさと新鮮さを同時に提供するプロジェクトです。スタジオ・アルバムの緻密なアレンジ、ライブでの即興的な高揚感、そしてメンバー個々の演奏技術が合わさった音楽体験は、プログレ好きのみならず演奏表現を好むリスナーにも強く推薦できます。レコード/CDを選ぶ際は、音質・収録内容・付帯資料(ブックレット等)を基準に検討すると満足度が高まります。

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