Ubersuggest完全ガイド|使い方・主要機能・メリット・デメリットと導入時チェックポイント
Ubersuggest とは — 概要
Ubersuggest(ウーバーサジェスト)は、SEO(検索エンジン最適化)やコンテンツマーケティング向けの分析ツールです。デジタルマーケターの Neil Patel が運営・改良を行っているツール群の一つで、キーワードリサーチ、競合分析、サイト監査、被リンク分析、ランクトラッキングなど、ウェブサイトのトラフィック改善に必要な機能を比較的手軽に提供する点が特徴です。フリーミアム形式で提供され、無料でも基本的な検索やレポートを利用できますが、より高度な分析や大量のリクエストを行う場合は有料プランにアップグレードします。
主な機能
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キーワードリサーチ
キーワードの検索ボリューム、CPC(広告単価)、SEO難易度(Organic Difficulty)や有料広告向けの競合度(Paid Difficulty)などを表示。関連キーワード・ロングテールの候補や、キーワードごとのトラフィック推定値・検索トレンドも確認できます。
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コンテンツアイデア(Content Ideas / Top Pages)
指定キーワードやドメインに関連する上位表示ページや、SNSでシェアされている多くのページを抽出し、どのようなコンテンツがユーザーや検索エンジンに評価されているかを把握できます。
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サイト監査(Site Audit)
クローラビリティ、モバイル対応、ページ速度、内部リンク構造、メタ情報の欠落など、技術的なSEOの問題点を検出し、優先度に応じた改善点をレポートします。
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被リンク分析(Backlink Data)
ドメインやページ単位での被リンクプロファイルを確認可能。被リンク数、参照ドメイン、アンカーテキストの傾向、獲得元のページなどを調べ、リンク構築の参考にできます。
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競合分析・ドメイン概要(Domain Overview)
競合サイトの推定オーガニックトラフィック、主要キーワード、上位ページ、被リンク状況などを一元的に把握できます。競合の成功要因やギャップを発見するのに役立ちます。
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ランクトラッキング(Rank Tracking / Position Tracking)
監視対象キーワードの検索順位変動を追跡し、期間比較や地域別の順位を確認します。SEO施策の効果測定に使えます。
実際の使い方(ワークフロー)
ここでは、Ubersuggest を利用した典型的なワークフローを段階的に示します。
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1. シードキーワードの入力
まず自社サービスや取り上げたいテーマに関連する「シードキーワード」を入力します。Ubersuggest はそのキーワードについて検索ボリューム、トレンド、難易度を表示します。
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2. 関連キーワードの抽出とフィルタリング
「関連キーワード」「質問形式」「比較語」などのタブから、ロングテールやユーザー意図の異なる候補を抽出。ボリュームや難易度でフィルタして優先順位をつけます。
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3. SERP(検索結果)と上位ページの分析
特定キーワードの上位10〜20ページの共通点(見出し構成、コンテンツ長、参照ドメイン数)をチェックし、競合に勝つためのコンテンツ要件を設計します。
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4. コンテンツ作成と内部最適化
得られたインサイトを元に記事構成(見出し、ターゲットキーワード、想定検索意図)を作成し、ページのメタ情報や内部リンクを整備します。
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5. 被リンク候補とアウトリーチ
上位表示ページの被リンク元を分析して、自社コンテンツにリンクしてくれそうなサイトをリストアップ。優先的にアプローチします。
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6. モニタリングと改善
ランクトラッキングやサイト監査を定期実行し、順位変動や技術的な劣化を検知して対処します。
メリット
- 操作が直感的で学習コストが低く、初心者から中級者まで使いやすい。
- フリーミアムで最低限の分析ができ、まず試しやすい。
- キーワード→コンテンツ→被リンクの流れを一貫して見られるため、実務ワークフローに取り込みやすい。
- 競合比較や上位ページの把握が迅速で、コンテンツ企画のスピードを上げられる。
デメリット・注意点
- データの正確性はツールによって差があり、Ubersuggest の数値も「推定値」である点に注意が必要。特に検索ボリュームやトラフィック推定は他ツールや Google Search Console の実データと差異が出る場合があります。
- 被リンクデータの規模(インデックスの網羅性)は Ahrefs や Majestic に比べて小さいと評価されることがあり、深い被リンク調査には他ツールの併用が有益です。
- 無料版は検索回数やプロジェクト数に制限があるため、複数サイトや大規模サイトの継続監視には有料プランが必要になります。
- 国や言語によるデータ精度の違いがあり、ローカル市場(特に日本語検索)ではデータの有用性を事前に検証することが重要です。
実務での活用例
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ブログ運営
検索ボリュームはそれほど大きくないがコンバージョンにつながりやすいロングテールキーワードを発掘し、集客とマネタイズを狙う。
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ECサイト
商品名やカテゴリ名の検索需要と競合度を調べ、商品ページのタイトルや説明、商品ページ同士の内部リンク構造を改善する。
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ローカルビジネス
地域名+サービス名での検索順位を追跡し、ローカルSEO(Googleビジネスプロフィールなど)と組み合わせて対策する。
他ツールとの比較(短評)
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Google Search Console / Keyword Planner
これらはGoogle公式のデータ(実測値)や広告指標を提供するため、実データの確認用として必須。Ubersuggest は補助的な推定データとして利用するのが現実的です。
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Ahrefs / SEMrush / Moz
総合力や被リンクインデックスの規模ではこれらの大手が優れることが多い。Ubersuggest はコスト面や操作の簡便さで差別化されています。
導入時の実務的なチェックポイント
- 無料版で自社の主要キーワードや競合を試し、データの妥当性(検索ボリュームの傾向、SERPの一致など)を確認する。
- 被リンク調査や大規模解析が必要な場合は、Ubersuggest 単体では不十分なことがあるため、他ツールとの併用計画を立てる。
- ローカルや日本語市場でのデータ精度を確認する。言語・国別のサンプル検索を行い実務で使えるか評価する。
- プライバシーやデータ保持ポリシーについて、社内ルールに適合するか確認する(特に外部ツールへデータを送る場合)。
まとめ
Ubersuggest は、初心者〜中級者のマーケターや中小サイト運営者がコストを抑えてキーワード調査や競合分析、サイト監査を行うのに適したツールです。データは推定値であるため、Google Search Console 等の実測値と組み合わせて活用するのが望ましいです。被リンクや大規模な競合調査が必要なケースでは、Ahrefs や SEMrush といった専門ツールの併用を検討してください。導入前には無料版での検証を行い、自社の用途に応じたプラン選定をおすすめします。
参考文献
- Ubersuggest — Neil Patel(公式ページ)
- Neil Patel Blog — Ubersuggest に関する記事(製品紹介・更新情報)
- Google Search Console(公式)
- Ahrefs(公式)
- SEMrush(公式)
- Moz — SEO 入門(キーワードリサーチ解説)


