オンページSEO完全ガイド:内部最適化の重要項目と実践チェックリスト
オンページSEOとは — 概要と重要性
オンページSEO(On-Page SEO)は、ウェブページそのものの構造やコンテンツを最適化して、検索エンジンでの可視性やユーザー体験を高める施策群を指します。ページ内のタイトル、見出し、本文、画像、メタタグ、構造化データ、内部リンク、ページ速度、モバイル対応など、ページ単位でコントロールできる要素が対象です。オフページSEO(被リンクなどの外部要因)と補完し合いながら、検索順位向上やクリック率(CTR)、滞在時間、コンバージョン率の改善を目指します。
オンページSEOの主要要素
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タイトルタグ(<title>)
検索結果で最も目立つ要素の一つ。ページの主題を正確かつ簡潔に表現し、主要キーワードを前方に置くのが基本。長さは一般に50〜60文字程度(ピクセル表示の制約)に収めると良い。
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メタディスクリプション(meta description)
検索結果のスニペットとして表示される可能性がある要素。直接的なランキング要因ではないが、CTRに大きく影響するため、魅力的で要点を押さえた説明を入れる。
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見出しタグ(<h1>〜<h6>)と文書構造
文書の論理構造を明確にするために見出しを適切に使う。h1はページごとに一つ、サブセクションはh2/h3で階層を付ける。検索エンジンは見出しをコンテキスト把握に利用する。
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本文の品質とキーワード最適化
ユーザーの検索意図(インテント)に合致した高品質なコンテンツが最優先。キーワード詰め込みは避け、自然な語順で関連語(LSI語)や派生語を使い、読みやすさと網羅性を高める。
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URL構造
短く意味のあるURLを推奨。可能であれば主要キーワードを含めて階層を明確にする。動的パラメータが多いURLは正規化やパラメータ管理を考慮する。
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画像の最適化
ファイル名、alt属性(代替テキスト)、サイズ圧縮、レスポンシブ画像(srcset)の使用などで読み込み速度とアクセシビリティを改善。altは視覚障害者向けの説明としても重要。
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内部リンクとアンカーテキスト
関連ページ同士を適切に内部リンクすることでクローラビリティとページの関連性を高める。アンカーテキストは自然で説明的にする。
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構造化データ(Schema.org / JSON-LD)
記事(Article)、FAQ、Breadcrumb、Product、HowToなどのスキーマを導入すると、リッチリザルト(スニペット)やナレッジパネルの対象になりやすい。Googleのガイドラインに従うこと。
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canonicalタグ(正規化)
重複コンテンツがある場合に正規URLを指定して、重複による評価分散を防ぐ。rel="canonical"は検索エンジンに正規ページを伝えるために有効。
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meta robots と HTTP ヘッダー
インデックスやフォローを制御するための meta robots(noindex, nofollow)や X-Robots-Tag ヘッダーを適切に設定する。重要でないページはnoindexで検索結果から除外する判断も必要。
テクニカルなオンページ考慮点
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モバイルフレンドリーとモバイルファーストインデックス
Googleはモバイルファーストインデックスを採用しているため、モバイル表示のコンテンツ・構造が重要。レスポンシブデザインが推奨される。
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ページ速度とコアウェブバイタル
LCP(Largest Contentful Paint)、CLS(Cumulative Layout Shift)、INP(Interaction to Next Paint:FIDの代替)などのコアウェブバイタルはUXとランキングに影響を与える。画像圧縮、遅延読み込み、キャッシュ、軽量なCSS/JSなどで改善する。
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HTTPS(TLS)の導入
通信の安全性は信頼性の指標であり、HTTPSは必須。混在コンテンツ(HTTPリソースの読み込み)を避け、常時HTTPSを維持する。
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サイトマップとクローリング
XMLサイトマップを用意し、Search Consoleに送信する。robots.txtでクローラのアクセス制御を行い、重要ページをクロールさせやすくする。
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hreflang(多言語サイト)
複数言語・地域をターゲットにする場合、hreflangで言語/地域別の正規性を示すことで適切な地域のユーザーに表示されやすくする。
コンテンツとE-E-A-T(Experience, Expertise, Authoritativeness, Trustworthiness)
Googleの評価指標では、情報の信頼性や専門性が重要です。特に医療・金融・法律など「YMYL(Your Money or Your Life)」分野では信頼できる著者情報、出典、更新履歴、サイトの透明性が不可欠。著者プロフィールや引用、外部ソースへのリンク、実践的な経験の提示(E-E-A-Tの「Experience」)も評価に寄与します。
測定と改善のためのツール
- Google Search Console — インデックス状況、検索パフォーマンス、URL検査
- PageSpeed Insights / Lighthouse — パフォーマンスとコアウェブバイタルの診断
- Chrome DevTools — ネットワーク、レンダリング、メモリ分析
- 構造化データテストツール(リッチリザルトテスト) — JSON-LDの検証
- Screaming Frog / Sitebulb — サイト全体のオンページ監査
- キーワードツール(Googleキーワードプランナー、Ahrefs、SEMrushなど) — 検索意図分析とキーワード選定
実務でのチェックリスト(オンページSEO)
- タイトルタグがページの内容を反映しているか(50〜60文字目安)
- メタディスクリプションは魅力的でクリックを促す内容か
- 見出しタグで論理的な階層化ができているか(h1は一つ)
- 主要キーワードと関連語を自然に本文に織り込んでいるか
- 画像に適切なalt属性と圧縮、レスポンシブ対応があるか
- 内部リンクは適切に張られ、アンカーテキストは説明的か
- 構造化データを必要に応じて導入しているか(JSON-LD推奨)
- canonicalタグで正規化を行っているか
- ページ速度(LCP/CLS/INP)が基準を満たしているか
- モバイルで正常に表示され、タップターゲットやフォントサイズは適切か
- HTTPSで配信されているか、混在コンテンツはないか
- 重要でないページはnoindexで検索結果から除外しているか
よくある誤解と注意点
- 「キーワードを詰め込めば良い」は誤り。ユーザー満足度と文脈を重視する。
- リッチスニペットを付ければ必ず順位が上がるわけではない。CTR向上や表示幅拡大が主なメリット。
- タイトルや見出しにキーワードを入れるのは有効だが、不自然な操作はペナルティの対象になり得る。
- テクニカル最適化だけでなく、実際のコンテンツ価値(独自性・網羅性)が長期的評価を左右する。
まとめ
オンページSEOは技術的要素とコンテンツ品質の両方を含む総合的な作業です。検索エンジンのアルゴリズムは進化を続けますが、ユーザーにとって価値のある情報を、正しい構造と高速で安全な配信で提供するという原則は変わりません。定期的な監査と改善を行い、Search Consoleやパフォーマンスツールのデータをもとに施策の効果を検証していきましょう。
参考文献
- Google Search Central — SEO スターター ガイド
- Google Search Central — 構造化データ(Structured Data)
- web.dev — Core Web Vitals
- Google — Mobile-first indexing
- Google Search Central Blog — E-E-A-T に関する説明(Google Blog)
- Google リッチリザルト テスト
- PageSpeed Insights(Lighthouse)
- Schema.org — 構造化データ語彙


