ディーン・マーティン入門:名唱と必聴レコード6選+聴きどころガイド
Dean Martin — 魅力と楽しみ方の入口
「キング・オブ・クール」と呼ばれ、映画・テレビ・ステージでも活躍したDean Martin(ディーン・マーティン)。柔らかく伸びやかな声と、肩の力の抜けた歌い回しでポップスやジャズのスタンダードを歌い上げ、多くの名曲を残しました。本コラムでは、彼を初めて聴く人からコレクションを深めたい人までに向けて、“まず手に入れたいおすすめレコード”をピックアップし、その音楽的な魅力や聴きどころを詳しく解説します。
代表曲(押さえておきたい名唱)
- That's Amore — 軽快で映画的。観客を笑顔にするナンバー。
- Ain't That a Kick in the Head? — スウィング感あふれる代表的な一曲。
- Everybody Loves Somebody — 後年の大ヒットで、彼の“代名詞”的なラブソング。
- Return to Me — 映画やラジオで親しまれたメロウなバラード。
- Memories Are Made of This — ポップス/トラディショナル寄りの名曲。
おすすめレコード(必聴盤)
下はジャンル感や時期の異なる代表的なアルバムを厳選したものです。各盤の聴きどころと、なぜおすすめかを説明します。
Dream with Dean(ムード/バラード系)
彼の温かいバリトンが落ち着いたアレンジと相性抜群の一枚。夜にゆったりと聴きたいムード・アルバムで、アンニュイな情感を楽しめます。映画音楽やスタンダードをやわらかく歌い上げるスタイルが堪能でき、Deanの“歌の間”や語りかけるようなフレージングがよく分かります。
This Time I'm Swingin'!(スウィング/アップテンポ)
ビッグバンド調のアレンジやスウィング感が前面に出たアルバム。軽快なリズムの中で見せるDeanのリズム感とユーモアのある歌い回しを楽しめます。パーティーや軽やかなBGMとしてもぴったりで、彼の“陽気な一面”を知るのに最適です。
Dino: (イタリアン・ラヴ・ソング集)(イタリアン・レパートリー/ポピュラー)
イタリア系の血統を感じさせる楽曲群をまとめたアルバムは、民族的な色合いとポップな魅力が混ざり合っています。情熱的かつ親しみやすい旋律をDeanの暖かい声で聴くと、彼のルーツとも言える表現力が際立ちます。
Everybody Loves Somebody(タイトル曲が象徴)(1960s期の代表作)
1960年代に彼が大ヒットを飛ばした時期の代表的な楽曲を中心にした盤。大衆的なメロディとキャッチーなフックに、Deanのゆったりした歌い回しが絶妙にマッチしています。この曲が彼の世代を超えた人気の理由を物語っています。
ベスト/コンピレーション盤(Capitol/Reprise集)(入門に最適)
初めて聴くなら、時代ごとの代表曲をまとめたベスト盤が最も効率的。50年代の洗練されたポップ寄りの音から、60年代のリラックスしたアプローチまで、彼の幅を一度に把握できます。オリジナル・シングル群を年代順に追うことで、歌手としての変遷も楽しめます。
レア曲/映画音楽集(映画ファンにおすすめ)
Deanは俳優としても名声を得ており、映画の中で歌った曲やテーマ曲を集めた盤も興味深いコレクションになります。映画の情景がそのまま音に現れるような歌唱は、映像作品と合わせて聴くと味わいが深まります。
各時代の特徴と聴き分けポイント
1950年代(Capitol期) — ポップ/ジャズのスタンダード寄り。洗練されたポップス・アレンジとヴォーカルの粒立ちを楽しめる時期。
1960年代(Reprise期など) — よりリラックスした語りかけるような歌い方が増え、ラウンジ的な魅力が顕著。大衆ヒットも多く生まれた時期。
映画関連・シングル群 — シングルや映画音楽には映画的ドラマ性やコミカルな要素があり、彼の多彩さがよく表れています。
聴きどころの具体的ガイド(曲を深く味わうために)
声の“間”とフレージングに注目する:Deanはフレーズの最後にわずかに力を抜くことで独特の余韻を作ります。
アレンジとの対話を楽しむ:ストリングスやホーンとの掛け合いで曲の表情が変わります。アップテンポ曲ではリズム・セクションのノリにも耳を向けてください。
時代差を見る:同じ曲を別時期に歌っていることがあるので、録音年代ごとの解釈の違いを比較すると発見があります。
コレクションの視点で加えると良い観点
「スタジオ録音」と「ライヴ(映画)収録」の違いを楽しむ:映画での歌唱は演出が強く、スタジオ録音は細かな表情が聴き取りやすいです。
コンピレーションは入門に最適だが、アルバム単位で聴くと一貫したムードや演出意図が見えてきます。
デジタル配信とアナログ(LP)ではマスタリングの違いがあることが多いので、聴き比べて好みを見つけるのも面白いでしょう(※音質/機材の話は割愛)。
楽しみ方の提案
夜にムードを作るなら「Dream with Dean」系のバラード集を一枚。静かな照明で歌詞とフレーズをじっくり味わってください。
集まりや気分を上げたいときはスウィング系のアルバムやアップテンポ曲をプレイリスト化して、軽やかに流すのがおすすめです。
映画や彼の出演作とセットで楽しむと、歌のバックグラウンドや表情が一層深く理解できます。
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参考文献
- Dean Martin — Wikipedia
- Dean Martin — AllMusic アーティストページ
- Dean Martin — Discogs(ディスコグラフィ)
- Rolling Stone — Dean Martin 関連記事(楽曲紹介など)


