ヴィック・ダモン入門:代表曲とおすすめレコード5選|オリジナル盤・編集盤の選び方

イントロダクション — Vic Damone(ヴィック・ダモン)とは

Vic Damone(本名 Vito Rocco Farinola、1928–2018)は、戦後アメリカの“トラディショナル・ポップ”を代表する歌手の一人です。滑らかなバリトンと端正なフレージングで、ブロードウェイ・ナンバーや映画音楽、スタンダードに新しい魅力を与え、1940〜60年代にかけて多数のヒットを残しました。いわゆる“クルーナー”の系譜に連なる存在で、ジャズ寄りの即興というよりは、美しい歌唱線(レガート)とドラマ性を重視した歌い方が特徴です。

おすすめレコード(厳選5枚)

ここではVic Damoneの魅力がよく分かる主要シングルおよびアルバムをピックアップし、各盤の聴きどころやコレクション上の魅力を解説します。オリジナル盤/初期プレスを中心に注目すべきポイントを挙げていますが、初めて聴くなら編集盤やベスト盤も入門に最適です。

  • 「You're Breaking My Heart」 — シングル(1949)

    Vic Damoneを世に知らしめた記念碑的なヒット曲。甘く切ないメロディと真っ直ぐな歌唱で、大衆に強い印象を残しました。彼の「声の魅力」をストレートに味わえる代表曲です。オリジナルの78回転/45回転シングルはコレクターズアイテムとして人気があります。

  • 「On the Street Where You Live」 — シングル(1956)/関連アルバム

    『My Fair Lady』のナンバーを取り上げたヴァージョンで、Vicの解釈が広く支持されヒットしました。舞台曲をポピュラー・ソングとして歌いこなす技巧と感情表現が光る一曲で、ミュージカル系のスタンダードを好むリスナーにも刺さる録音です。シングルのほか当時のLPやベスト盤にも収録されています。

  • 初期ヒット集(1949–1955 のシングル集) — オリジナルEP / コンピレーション

    ヴィック・ダモンの“黄金期”はシングル曲のまとまりにあります。初期のヒット群をまとめたEPや編集盤は、声質の変化や解釈の幅が分かりやすく、新たに彼の世界を知るにはうってつけです。レアなB面や別ミックスが楽しめる場合もあるので、選ぶ楽しみがあります。

  • アルバム作品(1950s〜1960s) — オリジナルLP

    フル・アルバムでは、ブロードウェイ曲やスタンダードを中心に構成されたものが多く、オーケストラとの一体感が魅力です。全体を通して聴くと、単発のヒット曲とは違った“歌手としての表現力”やレパートリー選曲のセンスが見えてきます。オリジナルLPはジャケットアートも時代性がありコレクション性が高いです。

  • ベスト/編集盤(The Very Best / Best Of など)

    初めての入門盤としては、近年の編集盤やベスト盤が便利です。代表曲を網羅しており、時代を超えた名唱を一度に把握できます。また、レア音源やリマスター音源を含む編集盤もあり、音質面や音源の充実度で選べる点が利点です。

各盤の聴きどころと選び方のポイント

以下はレコード/盤選びの際に注目してほしい点です(再生・保管方法自体の解説は含めません)。

  • 楽曲の時代背景を意識する:戦後〜50年代のポピュラーはブロードウェイや映画音楽との結びつきが深く、歌唱のスタイルも「物語る」ような表現が多いです。どの曲がミュージカル由来か、映画主題歌かをチェックすると理解が深まります。

  • シングル群を聴く:Vic Damoneはシングルヒットで人気を確立したタイプ。シングルでのコンパクトなドラマ性、A面の“魅せ方”はアルバム曲とは異なる魅力があります。

  • オリジナル盤 vs 編集盤:オリジナルLPや当時のシングルは時代の空気感やジャケット/ライナーノートも含めて楽しめます。一方で現代の編集盤は選曲が洗練され、良好なマスターからの音源(リマスター)が使われていることも多いので、まずは編集盤で代表曲を押さえるのも合理的です。

  • アレンジと伴奏者に注目:オーケストラ伴奏の扱い方、イントロや間奏のアレンジが曲の印象を左右します。伴奏がシンプルで歌が前に出るタイプ、あるいはストリングスが大きく盛り上げるタイプなど、好みに応じて盤を選んでください。

聴きどころの具体例(代表曲の注目ポイント)

  • You're Breaking My Heart:歌唱の抑揚と語り口の自然さ。ダモンの声が持つ“純度”が最もよく出ています。

  • On the Street Where You Live:ミュージカル・ナンバーをポップスとして消化した好例。ロマンティックさの演出が巧みです。

  • スタンダード集のバラード曲:バラードでのレガート(声のつながり)の美しさと、歌詞表現の丁寧さに注目してください。派手さはなくとも“歌の巧さ”がよく分かります。

どんなリスナーにおすすめか

  • ブロードウェイ/映画音楽の名曲をポピュラー歌手の解釈で聴きたい人。

  • Frank SinatraやTony Bennettの系譜を好み、もう少し抑制された抒情性を求めるリスナー。

  • 戦後アメリカの大衆音楽の歌唱表現を体系的に楽しみたいコレクター。

まとめ

Vic Damoneは「スウィートで正統派の歌唱」を楽しませてくれる歌手です。まずは代表曲のシングル(「You're Breaking My Heart」「On the Street Where You Live」)と、時代の歌をまとめた編集盤やオリジナルLPの歌謡集を押さえると、彼の魅力を効率よく味わえます。興味が湧いたらオリジナル・シングルやLPのジャケットやクレジットを追うと、当時の制作背景や編曲者の名前など、より深い楽しみが広がります。

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参考文献