ダニー・エルフマン厳選レコードガイド:必聴サウンドトラック&Oingo Boingoのアナログ盤の選び方と聴きどころ
Danny Elfman(ダニー・エルフマン)おすすめレコード深掘りコラム
ダニー・エルフマンは映画音楽作曲家として、また1980年代のニュー・ウェイヴ/オルタナティブ・ポップ・バンド「Oingo Boingo」のフロントマンとして知られる稀有な存在です。ティム・バートン作品をはじめとする映画音楽で築いたドラマティックで時にゴシック、時にコミカルな作風は、レコード収集にも魅力的な対象を提供します。本コラムでは、コアなファンにもヴィニール初心者にも勧めたい「買い」「聴き」のレコード(主にサウンドトラック+代表的なOingo Boingo作品)をピックアップし、それぞれの聴きどころと選び方のポイントを解説します。
ダニー・エルフマンの作風を短く整理
- メロディとリズムの両立:ポップ的なフックと映画音楽的なオーケストレーションを両立させる才能。
- ティム・バートンとのコラボレーション:独特のゴシック/ファンタジー美学を音楽で体現する代表作多数。
- 多彩な編成:フルオーケストラ、合唱、ロック・バンド的楽器、電子音までを自在にミックス。
おすすめレコード(厳選)
- Pee-wee's Big Adventure(Pee-wee's Big Adventure OST)
エルフマンの映画音楽家としてのブレイク作のひとつ。コミカルでカラフルなオーケストレーションが光る初期傑作。映画のトーンに寄り添う軽快なテーマが特徴で、エルフマンらしい「物語性」を感じられます。オリジナル・サウンドトラックLP(初期プレス)か、ボーナストラックを含むCD/再発を比較して探すと良いでしょう。
- Beetlejuice(Beetlejuice OST)
バートン作品との相性が顕著に出た一枚。ダークでコミカルな要素を併せ持つスコアは、雰囲気重視のリスニングに最適。劇中テーマのフックが強く、サウンドトラック盤はコレクター人気も高い作品です。
- Batman(1989)
大スケールのオーケストレーションとブラスの効果的使用など、スーパーヒーローものとしてのスケール感が魅力。エルフマンの力強いシンフォニックな面を堪能できるため、音像の広がりを楽しみたい人におすすめ。オリジナルLPやその後のリマスター盤(2LP拡張盤など)をチェックしてみてください。
- Edward Scissorhands(1990)
切なく繊細なメロディが印象的な名作スコア。ピアノと弦、そして儚いモチーフの組み合わせで、映画の童話的・悲恋的な情緒を音楽だけで再現します。サウンドトラックはエルフマンの作曲家としての美的核が最もわかりやすく現れている作品の一つです。
- The Nightmare Before Christmas(ナイトメアー・ビフォア・クリスマス OST)
エルフマンが歌曲(歌唱=ジャックの声も担当)と劇伴の双方で深く関わった代表作。ゴシックでポップな楽曲群は単体のアルバムとしても完成度が高く、リスナーやコレクターの間で非常に人気があります。初期のサウンドトラックLP、映画音楽ファン向けのデラックス盤、また歌詞や楽曲の別テイクが入った再発など、様々なヴァージョンが出ています。
- Spider-Man(2002)
ヒーローもののドラマ性を強く意識したスコアで、アクションと感情の両立が巧み。近年のサウンドトラック再評価の流れで、オリジナル盤や高音質再発が注目されています。映画スコアらしい「テーマ性」を求めるリスナーにおすすめです。
- Big Fish(2003)
メランコリックで叙情的な面が際立つスコア。物語の「語り」を音楽で支える作りになっており、映画的な風景描写に寄り添うサウンドが魅力です。落ち着いて聴けるエルフマンの一面を知るには最適。
- Corpse Bride(2005)/Alice in Wonderland(2010)
両作ともバートン作品に対するエルフマンの成熟した応答を示すスコア。ゴシックな色彩とオーケストラルなテクスチャが深化しており、映画音楽ファンの間で高い評価を得ています。特に歌もの要素を含む作品は、サントラ盤で楽曲の全貌を楽しめます。
- Oingo Boingo – Dead Man's Party / Only a Lad(代表的アルバム)
エルフマンのもう一つの顔、バンド活動を味わうならOingo Boingoの代表作を。ポップでありながらダークな感覚、ホーン・セクションや非定型リズムを用いたアレンジは、映画音楽とは違った生のグルーヴと個性を提示してくれます。オリジナルの初期プレスや最新リマスターを比べて好みのサウンドを選ぶと良いでしょう。
各レコードを選ぶときのポイント(音質/盤の種類や内容面の見方)
- オリジナル・サウンドトラックLPは当時のミックス感が楽しめるが、音質や音圧は再発の方が安定していることが多い。
- 「デラックス版」「拡張デラックス」は未発表トラックやより完全なスコアを収録している場合があるので、スコア全体を楽しみたいなら検討に値する。
- 歌曲(ミュージカル性の強い作品)と劇伴が混在するタイトルでは、歌詞ブックレットやクレジット表記を確認すると作曲・編曲の関係性が理解しやすい。
- サウンドトラックは版権/ラベルにより収録曲や編集が異なることがある。コレクション目的なら複数版を比較すると発見がある。
聴きどころのガイド(トラックや場面ごとに)
- 主題歌・メイン・テーマ:エルフマンは明確で記憶に残る主題を作るのが得意。まずはメインテーマを聴いて作曲家としての「顔」を掴むのが早道です。
- 対比的な短いジングルや動機:短いリフや音型でキャラクターを表現する手法も多用されているので、短い cue(トラック)にも注目。
- オーケストレーションの差分:同じテーマが弦楽器主体/ブラス主体/コーラス込みで何度も変奏されることが多く、編曲面の妙を追うと聴きごたえがあります。
最後に — 何を買うか迷ったら
まずは「The Nightmare Before Christmas(サウンドトラック)」か「Edward Scissorhands」をおすすめします。前者は楽曲の魅力とヴィジュアル・カルチャーの結びつきが強く、後者はエルフマンの叙情性をダイレクトに感じられる代表作です。Oingo Boingoのアルバムを並べれば、エルフマンのポップ/ロック的ルーツも楽しめ、映画音楽との対比がより鮮明になります。
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参考文献
- Danny Elfman — Wikipedia
- The Nightmare Before Christmas (soundtrack) — Wikipedia
- Edward Scissorhands (soundtrack) — Wikipedia
- Batman (1989 soundtrack) — Wikipedia
- Pee-wee's Big Adventure (soundtrack) — Wikipedia
- Beetlejuice (soundtrack) — Wikipedia
- Spider-Man (2002 film score) — Wikipedia
- Oingo Boingo — Wikipedia


