Squeeze(スクイーズ)徹底ガイド:代表曲・名盤・入門聴き方とディフォード×ティルブルックの魅力

Squeeze — プロフィールと魅力を深掘り

Squeeze(スクイーズ)は、1970年代後半から活動するイギリスのポップ/ニュー・ウェイヴ・バンド。クリス・ディフォード(Chris Difford)とグレン・ティルブルック(Glenn Tilbrook)のソングライティング・コンビを中心に、巧みなメロディーと物語性のあるリリックで多くのファンを獲得してきました。バンドはシンプルなコーラス・ポップに留まらず、ロック、R&B、カントリー的要素まで取り入れた幅広いサウンドを聴かせます。

結成と主要メンバー

  • 中心人物:クリス・ディフォード(作詞・ギター)とグレン・ティルブルック(作曲・ボーカル/ギター)。この二人のコンビネーションがSqueezeの核。
  • その他の主要メンバー:初期にはピアノのジョールズ・ホランド(Jools Holland)、ドラマーのギルソン・ラヴィス(Gilson Lavis)などが在籍し、バンドの音楽性に重要な役割を果たしました。
  • 活動の流れ:デビュー~黄金期を経てメンバー交代・活動休止と再結成を繰り返しながら、現在に至るまで断続的に作品やツアーを行っています。

Squeezeの音楽的特徴

  • 物語性の高い歌詞:ディフォードの作る歌詞は会話調や具体的な日常描写が多く、短編小説のようにストーリーを押し進めるタイプの楽曲が多い。
  • メロディとコード感:ティルブルックのメロディ構築力は非常に高く、聴きやすいポップなフックと一方で予想外の和声進行や転調を織り込むこともある。
  • ジャンル横断性:パンク/ニュー・ウェイヴの時代背景を持ちながらも、R&Bやカントリー、バラード的要素などを自然に取り入れる柔軟さ。
  • コーラスとアンサンブル:ハーモニーやピアノワーク(特にジョールズ・ホランド在籍期)が楽曲の魅力を後押しします。

代表曲と短評

  • Cool for Cats — 会話調のヴォーカルとキャッチーなリズム。若者文化を切り取った歌詞と英語圏での大ヒットでバンドの知名度を決定づけた曲。
  • Up the Junction — 物語性の高い歌詞(韻を踏むような語り口)と、クライマックスに向かうドラマ性が印象的なナンバー。
  • Tempted — ソウル風のアレンジとティルブルックの切ない歌声が光る名バラード。英米問わず多くのリスナーに刺さる一曲。
  • Pulling Mussels (From the Shell) — 旅行や日常の小さな観察を切り取る歌詞とポップなアレンジが融合した代表曲。
  • Labelled with Love — カントリー調の語り口で、英国らしい哀愁を漂わせる異色の一曲。
  • Hourglass — 1980年代後半のヒットで、よりモダンなポップ感覚とスタジオ巧者ぶりを示した曲。

名盤/おすすめアルバム

  • Argybargy(1980) — バンドの多彩さがよく出た傑作。ポップセンスと演奏力、そして詞のバリエーションが詰め込まれています。初めて聴く人に最もおすすめの一枚。
  • East Side Story(1981) — スタイルの拡張(R&B、ポップ、バラードなど)を感じさせるアルバム。プロデュース面でも多くの協力があった意欲作。
  • Cool for Cats(1979) — シングル群を中心にバンドの初期の持ち味が濃く出た作品群。ヒット曲が多く、入門盤としても最適。
  • Babylon and On(1987) — 80年代後半の洗練されたポップサウンドを反映。海外でのヒット曲を含むため、バンドの商業的側面を知るのに良い。
  • Some Fantastic Place(1993) — 90年代の作品ながらバンドらしいメロディ・センスが健在で、隠れた名盤としてファンに支持されています。

ソングライティングの妙 — ディフォード × ティルブルック

Squeeze最大の魅力は、ディフォードの「語るような」歌詞と、ティルブルックの「歌わせる」メロディの組み合わせにあります。ディフォードは登場人物や情景を具体的に描き、ティルブルックはその語りをポップスとして昇華させる。伝統的なブリティッシュ・ポップの枠組みを理解しつつ、その中で小さな驚きを作る手腕が光ります。

ライブとパフォーマンス

  • 演奏力の高さ:スタジオ録音の緻密さだけでなく、ライブでも演奏力を前面に出すバンド。ティルブルックのギターワークや即興的なフレーズが楽しめます。
  • 観客との距離感:歌詞の多くが“語り”であるため、ライブでは物語を伝える力が強調され、観客を引き込む力があります。

影響とレガシー

Squeezeの影響は英国の後続ミュージシャン、特にメロディックなポップやブリットポップ系のアーティストに見られます。バンドの楽曲構造や歌詞の焦点は「ポップ・ソングの教科書」と評されることもあり、多くのソングライターにとって手本となりました。

どこから聴き始めるか(入門ガイド)

  • まずはベスト盤や代表曲プレイリストで「Tempted」「Cool for Cats」「Up the Junction」を聴いて雰囲気を掴む。
  • その後、アルバム単位で「Argybargy」→「East Side Story」→「Cool for Cats」と辿ると、バンドの進化と多様性を実感できます。
  • 歌詞を味わいたいなら和訳や歌詞サイトを参照して、ディフォードの語り口を追いながら聴くのがおすすめ。

なぜ今聴くべきか

シンプルなヒット曲だけでなく、細部に凝ったソングライティングが楽しめる点で、現代のポップ音楽の聴き方にも通じます。歌詞の物語性、複雑になりすぎないが耳に残るメロディ、ジャンル横断の器用さ――これらは今のリスナーにも新鮮に響く要素です。

最後に

Squeezeは「良質なポップソング」を作り続けたバンドです。ディフォードの言葉遊びとティルブルックのメロディが組み合わさるとき、日常の断片が映画のワンシーンのように切り取られます。初めて聴く人はぜひ代表曲を入り口に、アルバム単位で掘り下げてみてください。

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参考文献