Squeezeをレコードで楽しむ入門ガイド:おすすめアルバム&選び方
はじめに — Squeezeとは
Squeeze(スクイーズ)は、クリス・ディフォード(詞)とグレン・ティルブルック(曲・歌)の強力なソングライティング・コンビを中心に1970年代末から活躍するイギリスのロック/ポップ・バンドです。ニュー・ウェイヴやパワー・ポップ、ブリティッシュ・ポップの要素を併せ持ち、巧みなメロディと故事を語るような歌詞で幅広い支持を得ました。本コラムでは、これからSqueezeを聴きたい人、レコードで揃えたい人向けに「おすすめのレコード」を深掘りして紹介します。
入門編 — まず聴くべき3枚
- East Side Story(1981) — バンドのポップ性が最も結実したアルバム。プロダクションや曲のバリエーションが豊かで、代表曲「Tempted」を含む。Squeeze入門の最有力候補です。
- Argybargy(1980) — メロディの強さ、楽曲の密度ともに高く、シングル級の楽曲が並ぶ名盤。英国ポップの巧さをストレートに味わえます。
- Cool for Cats(1979) — 初期の魅力が詰まったアルバム。タイトル曲や「Up the Junction」など、物語性のある歌詞と親しみやすいメロディが際立ちます。
深掘り:主要アルバム解説
Cool for Cats(1979)
バンドにとって大ヒットとなったサードアルバム。英国の労働者階級の生活や人間ドラマを切り取るような歌詞と、ポップで耳に残るメロディが特徴です。シングル「Cool for Cats」「Up the Junction」はラジオ世代にも刺さる名曲で、Squeeze的な語り口を知るには最適。
- おすすめ収録曲:Cool for Cats、Up the Junction、Slap and Tickle
- 聴きどころ:会話調のヴォーカル表現、英語圏の日常を描く歌詞、ポップさとユーモア
Argybargy(1980)
より洗練されたポップセンスとバンドとしての演奏力が光るアルバム。シングル曲が多く収録されており、短いフックに職人技のようなアレンジが詰め込まれています。メロディックなギター・ワークとコーラスが印象的で、ティルブルックの作曲力が際立つ一枚です。
- おすすめ収録曲:Another Nail in My Heart、Pulling Mussels (From the Shell)、Farfisa Beat
- 聴きどころ:キャッチーなサビ、曲ごとの表情の振れ幅、ポップ/ロックのバランス感
East Side Story(1981)
多彩なプロデュース陣やアレンジを取り入れ、Squeezeの音楽的幅が拡張された作品。アメリカでの評価も高く、ソウル/R&Bの影響を感じさせる楽曲もあり、バンドの代表曲「Tempted」や「Labelled with Love」などが収録されています。アルバムとしての完成度は高く、評論家からも支持される一枚です。
- おすすめ収録曲:Tempted、Labelled with Love、Heaven
- 聴きどころ:大人のポップス感、ムードあるアレンジ、ヴォーカル表現の幅
Babylon and On(1987)
80年代後半の産物として、よりモダンなサウンドを取り入れたアルバム。シングル「Hourglass」はMTV時代にもヒットし、ポップな側面が前面に出ています。80年代の産業的サウンドを好む人には刺さる作品です。
- おすすめ収録曲:Hourglass、853-5937
- 聴きどころ:シンセや洗練されたプロダクション、ポップ寄りの楽曲群
その他注目作・コンピレーション
Squeezeは良質なシングルを多数残しているため、ベスト盤やコンピレーションも入門には有用です。編集盤は曲順で彼らの魅力を手早く掴めます。
- おすすめ編集盤:Singles – 45's and Under(編集ベスト)、Greatest Hits
- 聴きどころ:シングルA面中心の選曲で、短時間で代表曲を網羅できる
アルバム選びのポイント(レコードを買う視点で)
「どのアルバムをレコードで買うか」を決めるときの観点をまとめます(再生や保管のアドバイスではありません)。
- 初心者:まずはEast Side StoryかArgybargy。バンドの代表性と曲の広がりが感じられます。
- 英国色を楽しみたい:Cool for Cats。歌詞のユーモアや英国の日常感覚が色濃く出ています。
- 80年代のサウンドが好み:Babylon and OnやLater-periodのリリースを。
- 名曲だけを短時間で:ベスト盤や編集盤がおすすめ。シングル中心の編集は入門に向きます。
- コレクション性を重視:オリジナルのLPプレスや国内盤帯付きなど、リリース当時の仕様を探す楽しみもあります。
楽曲制作と歌詞の魅力
Squeezeの核心はディフォード(詞)とティルブルック(曲)のコンビネーションです。短いフックに複雑な感情や風景を折り込む詞世界、ポップに転がるメロディは彼らの大きな魅力。イギリス社会の断面や人間模様を描く語り口は、英語の歌詞を追いながら聴くとより面白さが増します。
どのリリース(盤)を狙うかの簡単ガイド
- オリジナル盤(UK A&Mなど):コレクター向け。時代の音をそのまま楽しみたい場合に有力。
- 公式リマスター/再発盤:音質や入手のしやすさを重視するなら現行の再発盤が便利。ボーナストラック付のものもある。
- ベスト・コンピ:代表曲だけをまとめて楽しみたい人に最適。
最後に — Squeezeを聴くときの楽しみ方
Squeezeは一曲ごとの完成度が高く、アルバムを通して聴いても、曲単位で楽しんでも面白いバンドです。英語詞の機微やメロディの妙を味わいながら、時代ごとのプロダクション差や曲ごとの表情の違いを追ってみてください。入門盤を押さえたら、深掘りする楽しみが続きます。
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参考文献
- Squeeze - Wikipedia(日本語)
- Squeeze (band) - Wikipedia(英語)
- Squeeze - AllMusic(artist overview)
- East Side Story - AllMusic(album)
- Squeeze - Discogs(ディスコグラフィ)
- Squeeze Official Site


