二重サッシとは?効果・メリット・種類をわかりやすく解説【断熱・防音に強い窓の基本】

1. 二重サッシとは?

二重サッシとは、既存の窓にもう1枚の内窓(インナーサッシ)を追加し、
窓を二重構造にしたものを指します。

一般的には、

  • 外側に “元のサッシ”
  • 室内側に “新たに追加する内窓”

の2つを組み合わせて使うため、窓と窓の間に空気層ができるのが最大の特徴です。

この空気層が“断熱材”として働き、
住宅の省エネ性や防音性を大きく改善します。


2. 二重サッシが注目される理由

二重サッシはリフォーム需要が非常に高く、
以下の性能改善を目的に採用されます。

  • 断熱性能アップ(窓際の冷え・結露を抑制)
  • 防音性能アップ(車・電車・町の音を軽減)
  • 防犯性能アップ(侵入に時間がかかる)
  • 省エネ効果(冷暖房費の削減)

特に「窓の断熱」は住宅全体の熱の出入りに大きく関わるため、
費用対効果の高いリフォームとして人気です。


3. 二重サッシの仕組み

二重サッシの効果は、“空気層”がバリアになる点にあります。

空気は熱を伝えにくいため、
窓の内外に温度差がある場合でも熱の移動が抑えられます。

● 冬のイメージ

外気の冷たい空気が窓を通して室内に伝わりにくくなり、
窓際のヒンヤリ感が減る。

● 夏のイメージ

外からの熱気が室内に入りにくくなり、
冷房効率がアップする。

また、密閉された空気層は音の振動も伝わりにくいため、
防音効果も高くなります。


4. 二重サッシの主なメリット

4-1. 断熱性能の向上

外気温の影響を受けにくくなり、
冷暖房効率が改善。省エネにつながります。

4-2. 結露の軽減

内窓側が外気と直接接しないため結露が起きにくい。
カビ・ダニの発生対策にも効果的。

4-3. 防音性能の向上

交通量の多い道路沿い・鉄道沿いなどでも、
二重サッシにすることで体感的な静けさが大幅に改善されます。

4-4. 防犯性能の向上

窓が二重になるため侵入に時間がかかり、
泥棒に狙われにくくなると言われています。

4-5. 施工が簡単(大掛かりな工事不要)

既存の窓枠を残したまま施工でき、
一般的には60〜90分ほどで1箇所を取り付け可能。
リフォームしやすい点も大きなメリットです。


5. 二重サッシのデメリット・注意点

5-1. 開閉の手間が増える

窓が2つになるため、
「外窓 → 内窓」と2回開け閉めが必要になります。

5-2. 掃除の手間

ガラスやサッシの数が増えるため掃除する箇所も増えます。

5-3. 通風性が下がる場合がある

内窓を開けた状態で外窓を開ける必要があるため、
ワンアクションで換気しにくい。

5-4. 取付スペースが必要

内窓をつけるための窓枠の奥行きが必要。
足りない場合はふかし枠(延長枠)を使用します。


6. 二重サッシの種類

6-1. 樹脂製内窓

最も一般的な二重サッシ。
断熱性が高く、気密性にも優れます。

  • LIXIL「インプラス」
  • YKK AP「プラマードU」

などが代表例。

6-2. アルミ製内窓

軽量で施工しやすいが、
樹脂に比べて断熱性能はやや劣ります。

6-3. 複合サッシ

樹脂とアルミを組み合わせたタイプもあり、
バランスの良い性能が得られます。


7. 二重サッシが効果的な場所

  • 北側の窓
  • 大きな掃き出し窓
  • 道路に面した窓
  • 結露が多い窓
  • 寝室・子供部屋
  • 在宅ワークスペース

特に冷気の影響を受けやすい北面や、
騒音源の近くにある窓で大きな効果が期待できます。


8. まとめ

二重サッシとは、

  • 既存の窓に内窓を追加して二重構造にする
  • 空気層が断熱・防音のバリアになる
  • 結露防止・防犯向上にも効果あり
  • 工事が簡単でリフォーム向き

という、住宅性能を手軽に上げられる方法です。

省エネ性の高い住宅が求められる現代では、
二重サッシは最も費用対効果の高い投資のひとつと言えます。

リフォームの検討時には、窓の位置・大きさ・予算に合わせて
樹脂内窓や複合サッシを選ぶことをおすすめします。


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