ボリス(Boris)のアナログ盤おすすめ完全ガイド|入門から深掘りまで、聴きどころとコレクター注目ポイント
はじめに — ボリスという存在
ボリス(Boris)は1992年結成の日本出身バンドで、ヘヴィ・ドローン、ノイズ、サイケデリック、ポップまで幅広い音楽性を縦横に行き来することで知られます。メンバーは多くの作品でほぼ固定(Takeshi、Wata、Atsuo)で、ジャンルの境界を曖昧にする実験性と、時に非常にキャッチーなメロディを併せ持つ点が特徴です。本稿では、レコード(アナログ)で聴く価値のあるおすすめ作品を深掘りし、それぞれのアルバムが持つ音楽的意義や聴きどころ、コレクター視点の注目点などを解説します。
おすすめレコード(入門〜深堀り)
Absolutego(初期の巨石ドローン/必聴)
代表的な初期作で、長尺の一曲構成によるドローン/ヘヴィ・サウンドの極北を示したアルバム。単一トラックで持続する低音と密度の高いギター・サウンドは、後のバンドの多様性を知る上で重要。
- 聴きどころ:圧倒的な重低音と持続音の質感、音量での物理的な迫力。
- おすすめ理由:ボリスの「原点」を体感でき、以後の音楽的変遷(どれだけ幅を持てるか)を対比できる。
- コレクション注:初期プレスはレア。リイシュー盤も複数あるため、ジャケットや表記で版を確認すると面白い。
Amplifier Worship(リフ中心のヘヴィロック)
よりリフ志向で、ヘヴィロック/ストーナーに接近した作品。ダイナミズムと厚みのあるギターが前面に出たアルバムで、ライブ感やバンドアンサンブルの力強さが際立ちます。
- 聴きどころ:ギターリフの骨太さと曲構成の起伏。静と動のコントラストが効果的。
- おすすめ理由:ドローン/実験と並ぶ「バンド・ロック」としてのボリスを知るための好例。
Flood(実験的アプローチと空間性)
より実験性とアレンジの豊かさを示した作品。音の配置や空間処理、時にアンビエント寄りのパートが挿入され、耳で追う楽しさがあります。
- 聴きどころ:重厚な部分だけでなく、細部の効果音や空間表現に注意を向けると新しい発見がある。
- おすすめ理由:録音やミックスの妙が分かるアルバムで、中堅以降の作品と合わせて聞くと進化が見える。
Heavy Rocks(複数作あるシリーズ)
「Heavy Rocks」は複数回にわたって同名で発表されているシリーズで、それぞれ制作時のバンドのアプローチをストレートなハードロック/ヘヴィロックの観点から示しています。2002年作が最初の同名作で、以降も別の時期に同名アルバムを出しています。
- 聴きどころ:曲ごとのロック的な即効性とエネルギー。比較して聴くと、時期ごとの音作りや演奏の違いが明確に分かる。
- おすすめ理由:ボリスの「ロック」を楽しみたいリスナーに最適。シリーズを並べることでバンドの変遷を辿れる。
Akuma no Uta(メロディとヘヴィの融合)
邦題で「悪魔の歌」とされることもある作品。ポップな要素とダークなヘヴィネスが同居し、ボリスの“歌もの”の魅力を強く打ち出した名盤の一つです。
- 聴きどころ:キャッチーなフレーズやメロディの反復と、そこに被さる重層的な音像。
- おすすめ理由:初めてボリスを聴く人にも入りやすい曲構造と、深掘りのしがいのあるアレンジが両立している。
Pink(国際的ブレイク作)
多くのメディアや海外リスナーにも強い印象を与えた作品で、キャッチーさと実験性のバランスが秀逸。音像の幅が広く、曲によってスタイルが大きく異なるため“ボリスの多面性”を一枚で味わえます。
- 聴きどころ:アルバムの中で変転する音世界(轟音、ポップ、ノイズ、アンビエントなど)。代表曲群の完成度が高い。
- おすすめ理由:入門盤としても最適で、ボリスが国際的評価を得た理由を理解しやすい。
Rock Dream(Merzbowとのコラボ)
ノイズ・シーンを代表するMerzbow(マージボウ)とのコラボレーションアルバム。ボリス側のバンド演奏とMerzbowのノイズが混交し、独特の緊張感と解放を生む一作です。
- 聴きどころ:ノイズとバンドサウンドが互いに干渉し合う瞬間。ライブパフォーマンス感を思わせる即興性。
- おすすめ理由:ボリスのノイズ/実験性を象徴するコラボ作品で、彼らの“外との接触”がもたらした化学反応を体感できる。
Smile(ポップと実験の狭間)
よりポップ寄りのアプローチを試した作品で、メロディ志向の強い楽曲が多い一方で実験的な処理も残る。賛否両論を呼んだ時期の作品ですが、その挑戦性は評価に値します。
- 聴きどころ:ポップな楽曲構造と実験的サウンドの折衷点。ボリスの“歌”により向き合える。
- おすすめ理由:多彩な作風の中でポップ寄りの側面を知りたい人に向く。
ライブ盤・EP・リミックスなど(深堀りファン向け)
ボリスはスタジオアルバム以外にもライブ録音、EP、リミックス、限定盤といった形で多くの作品を出しています。ライブでは即興性やアレンジの大胆な変更があるため、スタジオ盤とは別の魅力があります。
- 聴きどころ:スタジオ音源と比べたときの解放感や即興。曲の構造を再発見できる場面が多い。
- おすすめ理由:コアなファンや、同じ曲の別側面を楽しみたいリスナーに強く勧められる。
聞きどころ・選曲のコツ(アルバムごとの楽しみ方)
以下のような視点で聴くと、ボリスの多面性がより明確になります。
- 「時期ごとの比較」:初期のドローン(Absolutego)→リフ重視(Amplifier Worship)→構築的実験(Flood)→キャッチーさ(Akuma no Uta / Pink)という流れで聴く。
- 「コラボと単独作の対比」:Merzbowなどとの共作ではノイズ寄り、単独作ではメロディやリフが際立つ傾向。
- 「ライブ録音を挟む」:スタジオアルバムで構造を掴んだらライブ盤で即興やアレンジ差を確認すると面白い。
コレクター視点の注目点
ボリスは国内外で多数のレーベルから流通しており、初回盤や限定カラー盤、別ミックス盤などが多く存在します。コレクションとして注目すべきポイントは以下の通りです(再生・保管のコツではなく版情報に関する案内です)。
- 「初期プレス・日本盤」:初期の日本盤や限定プレスはプレミア化していることがあるため、版元表示を確認する価値がある。
- 「リミックス/別ミックス」:一部アルバムは再発や別ミックスが出回っており、音像や曲順が異なることがある。音楽的な違いを楽しむ上でもチェック推奨。
- 「コラボ盤・限定EP」:Merzbowとの共作や限定として出たEPは、音楽的にもコレクション的にも魅力が高い。
入門者向け・おすすめの聴き順
初めてボリスを通読的に追うなら、下記の順がとっつきやすく、音楽的変遷も追いやすいです。
- まずは:Pink(バランスがよく入門向け)
- その後:Akuma no Uta(メロディと重厚感の両方を味わう)
- 次に:Amplifier Worship → Absolutego(ヘヴィ路線の幅を確かめる)
- 最後に:Flood、Heavy Rocksシリーズ、Rock Dream(実験性やコラボを深堀り)
コラボレーションについて(概観)
ボリスはMerzbowとの共作をはじめ、多くの外部アーティストと接点を持ちます。これによってノイズや即興的な要素が強まったり、逆にポップな側面が引き出されたりと、外部の化学反応から生まれる作品群にも注目です。
まとめ — なぜアナログで聴く価値があるか
ボリスは音の密度やダイナミクス、空間表現が重要なアーティストです。アナログ盤は盤ごとの版やマスタリングの違いで音像が変わることがあり、作品ごとの“別表情”を楽しめます。本稿で挙げたアルバムは、各時期のバンドの面を代表するものであり、並べて聴くことでボリスというバンドがどれだけ多面的で常に変化し続けているかがよく分かるはずです。
エバープレイの中古レコード通販ショップ
エバープレイでは中古レコードのオンライン販売を行っております。
是非一度ご覧ください。

また、レコードの宅配買取も行っております。
ダンボールにレコードを詰めて宅配業者を待つだけで簡単にレコードが売れちゃいます。
是非ご利用ください。
https://everplay.jp/delivery


