John Petrucciのレコード徹底ガイド:Dream Theater名盤からソロ/LTEまで、入門〜コレクター向け厳選セレクション

はじめに — John Petrucciとは

John Petrucci(ジョン・ペトルーシ)は、アメリカのギタリスト/作曲家で、プログレッシブ・メタル・バンド Dream Theater の結成メンバーの一人として広く知られています。卓越したテクニックと強固なソングライティング能力を併せ持ち、ソロ作やインストゥルメンタル・プロジェクト(Liquid Tension Experiment など)でも高く評価されています。本コラムでは「レコード(ヴァイナル)」という視点から、Petrucci を深く楽しめるおすすめ作品をピックアップし、それぞれの魅力や聴きどころを解説します。

聴き手別おすすめの分類と選び方

  • 初めてPetrucciに触れるリスナー:Dream Theater の名盤(入門編)を中心に。歌ものとバンドのダイナミクスを味わえる作品が最適です。

  • ギタリスト/プレイヤー志向:ソロ作やインストゥルメンタルの作品(Liquid Tension Experiment、ソロ・アルバム)でテクニックと表現の幅を学べます。

  • コレクター/プロッグの深堀派:コンセプト作やライブ盤、アナログ特有の厚みを楽しめる豪華盤・初期プレスを狙うと満足度が高いです。

必携のおすすめレコード(ソロ/サイド・プロジェクト)

  • Suspended Animation (John Petrucci, 2005)
    解説:Petrucci の初ソロ作。歌ものは少なく基本的にインスト中心で、彼のギター・サウンドやソロ・メイクの要素が凝縮されています。メロディックでドラマティックな楽曲構成、速弾きから叙情的なフレーズまで幅広く収録されており、プレイヤーがギター・トーンや奏法の「引き出し」を知るのに向いています。アナログで聴くと中域の密度やピッキングのニュアンスがよく伝わります。

  • Terminal Velocity (John Petrucci, 2020)
    解説:技術面はもちろん成熟した作曲力が際立つ近年作。コンテンポラリーなプロダクションと昔からのPetrucci的メロディラインの融合が聴きどころです。ギター・パートは緻密でありながら歌心も強く、スタジオ演奏のクオリティが高いのでハイファイなアナログ再生での再現性が楽しめます。

  • Liquid Tension Experiment (LTE) シリーズ(1998 / 1999 / 2021)
    解説:Petrucci(G)、Tony Levinではなく、主に Mike Portnoy(Dr)と Jordan Rudess(Key)などによるインストゥルメンタル・フュージョン/プロッグ・プロジェクト。即興性と技巧性が混ざり合う楽曲が中心で、ギターのアイデアが素早く展開されるため「技術解説書」のように聴けます。特に初期2枚は1990年代のギター/キーボード対話の傑作とされ、2021年作は成熟したインタープレイが光ります。

必携のおすすめレコード(Dream Theater の名盤)

  • Images and Words (Dream Theater, 1992)
    解説:バンドを代表する大名盤。Petrucci のリフワーク、ソロ、メロディ構築がバンド・サウンドの中で際立つ一枚です。プログレッシブな展開とポップなフック(代表曲「Pull Me Under」)を両立しており、Petrucci のギターが曲を引っ張る場面が多いので入門用として最適。

  • Metropolis Pt.2: Scenes from a Memory (Dream Theater, 1999)
    解説:コンセプト・アルバムの完成形と評される名作。物語性の強い構成の中で、Petrucci は劇的なギター・パートや印象的なテーマを書き切っています。アルバム単位でのドラマと細部の演奏表現を楽しみたい人におすすめです。

  • Train of Thought (Dream Theater, 2003)
    解説:バンド史上でも特にヘヴィでダークな作風。よりギター寄りのアプローチが強く、Petrucci のディストーション・サウンド、リフ構築力が全面に出ています。ギター・ファンが重厚な演奏を味わうのに向いた一枚です。

  • A Dramatic Turn of Events (Dream Theater, 2011)
    解説:メンバーチェンジ(ドラム)後の再出発作。楽曲の多様性とPetrucci のソングライティング能力が光る作品で、近年のDTサウンドの代表例として挙げられます。

ライブ盤・特殊盤で体験するPetrucciの魅力

  • ライブ盤(例:Once in a LIVEtime など)では即興的なソロの拡張やバンドとの呼吸を感じられます。Petrucci のフレーズ選択やバンド内でのダイナミクスはスタジオ盤とは別の魅力があるため、できれば一つはライブのヴァイナルを手元に置くことをおすすめします。

  • 限定カラー盤や初回プレス(特に90年代のDT初期プレス)はコレクターズ・アイテムとして価値があり、音の「勢い」やマスターの違いを楽しむことができます。

Petrucci のギター表現の「聴きどころ」— 具体的に何を注目するか

  • フレーズの構築力:テクニック自体よりも「どのノートを選ぶか」「どのフレーズでドラマを作るか」を重視するタイプ。ギター・ソロを単なる速弾きの見本ではなく、物語の一部として聴くと発見が多いです。

  • ダイナミクス:ピッキングの強弱、音量のコントラストを曲中で巧みに使います。ヴァイナルで聴くとダイナミクスの幅がより実感できます(高域のエッジ感、中低域の厚みなど)。

  • アンサンブル感:Jordan Rudess(鍵盤)との対話やリズム隊との合流で生まれる瞬間的なコード進行の色合いに注目すると、Petrucci の役割が一層理解できます。

購入・選盤の実践アドバイス(コレクション視点)

  • 「どのエディションか」をチェック:オリジナル・アナログ盤、リマスター盤、限定カラー盤などで音質や収録が異なります。レビューやレーベル情報を確認して、目的(音質重視/コレクション重視)に合わせて選びましょう。

  • 複数のフェーズを聴き比べる:初期(90年代)→中期(00年代)→近年作で作風やプロダクションが変化します。Petrucci の進化を追うなら主要作を時系列で揃えるのが有効です。

まとめ

John Petrucci のレコードを集めるという行為は、単に“速弾きの名人”を聴くこと以上の価値があります。彼の強みは高度なテクニックを楽曲の文脈に落とし込み、バンドや楽曲にとって最も効果的な表現を選ぶ点にあります。まずは Dream Theater の名盤で歌心と構築力を掴み、ソロ/LTE でギター表現の細部を楽しむというステップがおすすめです。アナログで聴くと見えてくるニュアンスが多いので、気に入った一枚をまずは良いプレスで手に入れてください。

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