The Brand New Heaviesのヴァイナル徹底ガイド:初期クラシック期からリミックスまでコレクションの極意
The Brand New Heaviesとは:短いイントロ
イギリス発のバンド、The Brand New Heavies(以下BNH)は、アシッド・ジャズ/ファンクを基軸にソウルやヒップホップの要素を取り込んだサウンドで1990年代前半に注目を集めました。とくにヴォーカリストのN'Dea Davenportが在籍した時期(いわゆる“クラシック期”)の作品は、リスナー/DJ 両面で評価が高く、ヴァイナルで探す価値が高いタイトルが多く存在します。本コラムでは、コレクションや聴き込みに適したおすすめレコードをピックアップし、盤ごとの魅力・聴きどころ・探し方のポイントを深掘りして解説します。
おすすめレコード一覧(概説)
1)The Brand New Heavies(セルフタイトル/デビュー期の作品)
なによりもまず押さえておきたい一枚。バンドの初期〜N'Dea Davenport参加期の曲がまとまった作品群は、アシッド・ジャズ的な生演奏のグルーヴ、ソウルフルなヴォーカル、ホーンやギターのレイヤー感が魅力です。代表曲「Dream Come True」「Never Stop」など、クラブでもラジオでも聴き映えする音源が収録されていることが多く、オリジナル・プレスや当時の12インチ・シングル(エクステンデッド・ミックス含む)を探す価値があります。
2)Brother Sister(クラシック期の完全体)
BNHの「完成形」と評されることの多いアルバム群の代表格。ファンク/ソウルの色合いが強く、楽曲のバリエーションも豊富です。N'Dea在籍時の楽曲群はヴォーカルとバンドのレイヤーが非常にバランスよく、アルバムとして通して聴くと彼らの「バンド感」がよくわかります。12インチで出回ったリミックスやインスト盤も多く、DJ用途やサンプリング元探しにも有益です。
3)Heavy Rhyme Experience, Vol. 1(ヒップホップとのコラボ企画)
BNHがヒップホップMCたちと組んだコラボレーション作品。バンドの生演奏に対してラッパーがフィーチャーされる構成で、ファンク+ヒップホップというクロスオーバーを体現しています。コラボ相手のラインナップやアレンジの違いにより、通常アルバムとは別の魅力が出るため、コレクター的にもユニークな一枚です。
4)シングル/12インチ(Dream Come True / Never Stop / Stay This Way など)
BNHはシングルごとに強力なダンスミックスやクラブ向けのリミックスがリリースされている点が魅力です。12インチはオリジナルのエディットや著名リミキサー(ハウス系/MAW 等)による再構築が収録されていることがあり、アルバム音源とは違ったグルーヴを楽しめます。特に初期の12インチは音質/マスタリングが好まれることが多く、状態の良い盤は支持されています。
5)日本盤/限定盤(ボーナストラックや特典が魅力)
日本盤のCDやアナログはボーナストラックや日本語ブックレット、別ジャケットなどが付くことがあり、コレクション価値が高いです。加えて日本盤はマスタリングの評価が高い場合もあるため、リスニング用にも収集の対象になります。
各盤の深掘りポイント(何を探すべきか)
オリジナル・プレス vs 再発
オリジナル・プレスは多くの場合当時のマスタリング/ミックスをそのまま収録しており、当時の流行やサウンドの息づかいが聞き取れます。一方で再発盤はリマスターやボーナストラックが付くことがあり、音質の好みやコレクション方針に応じて選ぶと良いでしょう。特に初期の12インチはプロモ盤や限定プレスが高評価されることが多いです。
ヴォーカリストの在籍時期で音像が変わる
N'Dea Davenportの在籍期間は「BNHらしさ」の中心とされるため、その時期の音源はまず押さえる価値があります。彼女の脱退・復帰・後続ヴォーカリストによる作品ではアレンジ方針や曲の方向性が変わるため、好みの音像に合わせて年代を選ぶとコレクションが楽しめます。
12インチのリミックス/プロモ盤をチェック
クラブで流通したリミックスやDJ向けのインスト/アカペラは、アルバムとは違った切り口のグルーヴを提供します。有名リミキサーが手掛けたバージョンは価値が上がりやすく、コレクターやDJには特に人気があります。
ジャパン・プレスの狙い目
日本盤は曲順やボーナストラックが異なることがあり、入手するとコレクションが一段と充実します。また状態の良い国内流通のアナログは保存文化が比較的進んでいるため、コンディションの良い盤に出会える確率が高いという利点もあります。
リイシュー盤のチェックポイント
リイシューはマスタリングやイコライジングが異なることがあるため、試聴できる場合は実際に聴き比べるのがおすすめです。リマスターによって音が太くなる・細くなるなど好みが出ますので、あらかじめレビューやサンプル音源を確認してから購入を検討すると安心です。
コレクター向けの実務的なアドバイス(買い方・探し方)
タイトルや年表記だけでなく、マトリクス(runout groove)やカタログ番号、プレス表記(例:UKプレス/USプレス/日本盤)を確認しましょう。これらは“どのマスター”を使っているか、どの市場向けプレスかの手がかりになります。
12インチやプロモ盤は中古市場で見つかれば即買い候補。特に初期のプロモは流通量が少なく状態が良い場合が多いです。
ディスコグ系のデータベース(Discogs等)でリリース情報や市場価格の推移をチェックする習慣をつけると、相場観が養われます。
オンライン入札や海外ストアからの輸入も選択肢。送料・関税・盤の状態写真の有無を事前に確認してリスクを下げましょう。
聴きどころガイド:代表曲とその魅力
Dream Come True — ソウルフルなメロディとフックの効いたコーラス、バンドのグルーヴ感がわかりやすく出た代表曲。ヴァージョン違い(アルバム・ヴァージョン/シングル・エディット/リミックス)で印象が変わります。
Never Stop — 短いながらエネルギーの高いファンク・ナンバー。12インチでは延長されたグルーヴを楽しめます。
Stay This Way — メロウさとダンサブルさのバランスが良い曲。こちらもリミックスが豊富で、用途や気分に合わせて盤を選べます。
Midnight at the Oasis(カバー)— 意表を突く選曲とアレンジで原曲とは別の魅力に。カバー曲の解釈やアレンジの違いを楽しみたい人におすすめです。
盤ごとの価格感と希少性の目安
オリジナルの良好な状態のアナログ(特に初期プレスやプロモ)は流通量が少なく、コレクター間で価値が上がることがあります。一方でリイシューや一般流通している12インチは比較的入手しやすく、音楽として聴く目的なら十分に満足できるものが見つかります。具体的な価格はコンディションや市場動向に依存するため、購入前に最新の相場を確認してください。
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ここでは「エバープレイ」として、BNHを中心にした“何度でも聴ける”プレイリスト案を紹介します。ヴァイナル収集の前段階として、アルバム版・シングル版・リミックス版を混ぜて聴き比べると好みが見えてきます。おすすめの並び(例):
- Dream Come True(アルバム・ヴァージョン)
- Dream Come True(12"リミックス)
- Never Stop(シングル・エディット)
- Stay This Way(アルバム/リミックス)
- Heavy Rhyme Experience収録のコラボ曲(ヒップホップとの化学反応を体感)
- Midnight at the Oasis(カバー)
このようにオリジナルとリミックスを交互に聴くことで、BNHの多面的な魅力(バンドとしてのグルーヴ、ヴォーカルの表現力、プロダクションの違い)を効率よく掴めます。
最後に(まとめ)
The Brand New Heaviesは「生演奏のグルーヴ」と「ソウルフルなヴォーカル」が核にあるバンドで、ヴァイナルで追いかけると発見が多いアーティストです。オリジナル・プレス、12インチのリミックス、国内盤の特典など、目的別に狙いを定めて探すのがコレクションのコツ。まずは代表的なアルバムと数枚のシングル12インチを手に入れて、音の違いを楽しんでください。


