Pixies名盤徹底総覧:おすすめアルバムと聴き方ガイド(初心者〜上級者対応)
Pixies — おすすめレコード総覧:イントロダクション
Pixiesは1980年代後半から1990年代初頭にかけて、ハードで不穏なギターサウンドとキャッチーなメロディ、そしてブラック・フランシス(後にフランク・ブラック)によるシュールで寓話的な歌詞でロックの地図を書き換えたバンドです。静と動のダイナミクス(quiet→loud)の極端な対比、ポップ感覚とノイズ/パンクの融合は、その後のオルタナ/グランジ世代に大きな影響を与えました。
ここでは「買っておくべき」「聴いておくべき」レコードを中心に、各作品の魅力、代表曲、聴きどころを深掘りして紹介します。オリジナル期(1987–1991)の主要作を軸に、再結成後の注目盤も触れます。
1. Come On Pilgrim(EP, 1987)
Pixiesの出発点とも言えるデビューEP。短い楽曲群にバンドの核となる要素が濃縮されています。荒削りでありながら強烈な個性が滲む一枚。
- 代表曲(収録曲からのピックアップ):"Vamos", "Caribou", "Nimrod's Son"
- 聴きどころ:初期のローファイな質感、フランシスの断片的で寓話的な歌詞、曲のテンポ感や攻撃性が後の作に繋がる
- おすすめポイント:バンドの原石としての魅力。後の名曲に至るまでの初期衝動を味わいたいリスナーに最適
2. Surfer Rosa(1988)
プロデューサー(エンジニア)にスティーヴ・アルビニを迎え、荒々しく生々しいサウンドで世に出た名盤。ダイナミクスと空気感の表現が極まった作品です。
- 代表曲:"Bone Machine", "Gigantic"(※キム・ディールの歌唱が光る),"Where Is My Mind?"
- 聴きどころ:アルビニ録音による抜けの良いドラムとギターのアタック感、ボーカルの生々しさ。サイケや不穏さを含むアレンジも魅力的
- おすすめポイント:Pixiesの「攻撃的で生々しい側面」を最もストレートに体感できる1枚。名曲"Where Is My Mind?"の原型がここにある
3. Doolittle(1989)
バンドのキャリアのハイライトとされる傑作。プロデューサーはギル・ノートン。ポップさと狂気のバランスが非常に高い水準で成立しており、入門盤としても定番です。
- 代表曲:"Debaser", "Wave of Mutilation", "Here Comes Your Man", "Monkey Gone to Heaven"
- 聴きどころ:メロディの先のポップセンス、宗教や環境問題、シュールなイメージを織り交ぜた歌詞。録音・アレンジの完成度が高く、曲ごとの幅も広い
- おすすめポイント:Pixiesを語るうえで欠かせない1枚。バンドのダイナミックな表現とポップなフックの両立を堪能できる
4. Bossanova(1990)
タイトルとは裏腹にサーフやサイケ、スペース感を感じさせる作品。ギル・ノートンとの続投で音像は拡がりを見せ、ドライブ感のある曲も多いです。
- 代表曲:"Velouria", "Allison", "Is She Weird"
- 聴きどころ:重心が低くタイトなリズム、リバーブやエフェクトを効果的に使った空間演出、キャッチーさと不穏さの同居
- おすすめポイント:Doolittleの延長線上にありつつ、よりサイケデリックな側面を探りたいリスナー向け
5. Trompe le Monde(1991)
初期メンバー構成によるオリジナル期最後のスタジオ作。ギタリストのソロ色やスケール感が強まり、エッジの効いたロック性が前面に出ています。
- 代表曲:"Alec Eiffel", "The Sad Punk"
- 聴きどころ:ギターのリフやソロワーク、よりストレートなロック・アプローチ。曲によっては実験的な側面も
- おすすめポイント:1980年代末から1991年というLandmark的なラストを知るための1枚。疾走感を重視する人に
6. ベスト/編集盤(入門編)
まずはピクシーズの代表曲をざっと把握したい方には編集盤(ベスト)も便利です。アルバム単位で聴く流れとは別に、キラー・トラックだけを手早く体験できます。
- 代表的な編集盤:"Wave of Mutilation: Best of Pixies" 等(収録曲で選ぶ)
- 聴きどころ:重要曲を短時間で網羅できるため、まずはピクシーズのエッセンスを掴みたい場合に有用
7. 再結成以降の注目盤(2014〜)
2010年代に再結成したPixiesは、オリジナル期とは異なる局面を見せています。質感や作風も変化しており、ファンの好みで評価が分かれますが、興味深い作品は多いです。
- Indie Cindy(2014) — 再結成後の音源をまとめた作品群。曲ごとの出来不出来はあるが復活の記録として重要
- Head Carrier(2016) — 新メンバー(パズ・レンチャティン)が加入後の作品で、彼女の歌唱やベースワークが光る曲もある
- Beneath the Eyrie(2019) — より陰影の強いサウンドを追求した作品。プロダクションの方向性がダークで統一されている
- Doggerel(2022) — 再結成期の集大成的な側面があり、若干の矛盾や実験を含むが聴き応えもある
- おすすめポイント:オリジナル期の延長線上で新たな表現を探る試みとして聴くのがよい。特にHead Carrier以降は新体制の個性が分かる
聴き方・比較のヒント
- 「サーファー・ロサ(Surfer Rosa)=生々しい荒さ」、「ドゥリトル(Doolittle)=完成度の高いポップと狂気」の対比をまず押さえると、Pixiesの幅をつかみやすいです。
- アルバム単位で聴くと、曲順やテンポの組み立て、アルバムごとのムードの違いがよく分かります。編集盤はイントロダクションとして有効。
- キム・ディールの歌唱参加曲(例:"Gigantic")はバンドの別の魅力を見せるので、彼女のパートには注目して聴いてください。
買うべき一枚を選ぶなら?
「1枚だけ買う」と問われれば、Doolittleを推します。ポップ性と実験性のバランスが取れており、代表曲群が凝縮されています。ただし「生々しい荒々しさ」を求めるならSurfer Rosaも強力な候補です。
コレクター向けの視点(軽めのガイド)
オリジナル期のファースト・プレスや4AD時代の盤はコレクターズアイテムとして価値が出やすいですが、まずは音楽としての満足度を優先して選ぶのがおすすめです。リマスター盤やアニバーサリー盤は音像が整理されていることが多く、現代の再生環境での聴きやすさを重視するなら選択肢になります。
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参考文献
Pixies(公式サイト)
4AD — Pixies(レーベル紹介ページ)
Pixies — Wikipedia(英語)
Pixies — AllMusic アーティストページ
Surfer Rosa — AllMusic
Doolittle — AllMusic
Pixies — Discogs(ディスコグラフィ)


