Grinderman徹底解剖:おすすめレコード2作とコレクションの極意|聴きどころと限定盤の買い方ガイド
Grinderman — おすすめレコード深掘りコラム
Grindermanは、Nick Cave(ヴォーカル/ギター)を中心に、Warren Ellis(マルチ楽器)、Martyn P. Casey(ベース)、Jim Sclavunos(ドラム)らBad Seedsのメンバーがより粗削りに、直感的に暴発させたプロジェクトです。2007年のデビュー作『Grinderman』、2010年の続編『Grinderman 2』の二枚のスタジオアルバムを軸に、シングルや限定盤を含めてコレクション価値の高い作品群を残しました。本コラムでは、楽曲・サウンドの聴きどころ、リリース/エディションの注目点、買い方の視点などを深掘りして解説します(※レコードの再生・保管・メンテナンス一般についての解説は含めません)。
Grindermanの音楽的特徴と位置づけ
GrindermanはNick Caveの別プロジェクトというだけでなく、Bad Seedsの楽曲制作の枠組みから解放された場でした。荒々しいギター、リズムの直線的な突進、ヴォーカルの獰猛さとユーモアが同居する点が特徴。スタジオ感では即興性やノイジーなエフェクト処理が前面に出され、ロック、ガレージ、ブルース、インダストリアル的な要素が混在します。Bad Seedsの文学的で緻密なアプローチと対をなす“直球で生々しい”サウンドが魅力です。
おすすめレコード:必携の2枚
Grinderman(2007)
特徴:グループ名を冠したデビュー作。作品全体が“荒々しい衝動”で統一されており、Nick Caveの吠えと皮肉、シンプルで暴力的なアレンジが強烈です。ロウな録音感と即興的な演奏が好きなリスナーに刺さります。
聴きどころ:代表曲「Get It On (Bang Bang)」「No Pussy Blues」はライブでも人気の高いアンセムで、過激なリリックと反復されるリフが記憶に残ります。中音域の粘りあるベースとWarren Ellisの不穏な装飾音が曲に陰影を与えています。
エディションのポイント:初回プレスや国内盤(帯付き)がコレクター人気。シングル曲の12インチなど限定カラー盤が出回ることもあるため、アルバム本体に加えてシングル類を探すと面白い発見があります。
Grinderman 2(2010)
特徴:デビュー作の暴発的な衝動を受け継ぎつつ、より構築的で音響的な実験が増した2作目。リズムとテクスチャーのバリエーションが豊かになり、プロダクション面でも深みが出ています。
聴きどころ:シングル「Heathen Child」など、メロディとノイズが混ざり合う曲が魅力。曲によっては荒々しさとエモーショナルな抑揚が同居し、バンドとしての表現領域が広がったことがよくわかります。
エディションのポイント:2作目はCD/LP/限定7インチ等、多様なフォーマットで出ており、特に海外での限定カラーヴァイナルやプロモ盤がコレクターズアイテムになりがちです。
シングル/EP/レア・アイテムの注目点
Grindermanはアルバム以外にもシングルやプロモーション・リリース、限定盤をいくつか出しています。例えば「No Pussy Blues」のシングルや「Heathen Child」周りの12インチリミックスなどは、アルバムとは異なるミックスやアートワークを楽しめるため、コレクションに加える価値があります。限定カラー盤、バンドのアートワークが異なる初回仕様、エクスクルーシブなB面収録などをチェックすると良いでしょう。
購入・コレクションの視点(何を優先して探すか)
- 初回プレス:音質・仕様面で注目されることが多く、付属品(インナー、ポスター、帯等)が揃っていると価値が上がります。
- 国内盤の帯付き:ジャパニーズ・オビはコレクターに人気。解説や歌詞対訳がある場合も。
- 限定カラー盤/プロモ盤:アートワークやプレス数が異なるためコレクション性が高い。
- シングルや12インチ:アルバム未収録のリミックスやB面がある場合があるので、深く掘るほど発見があります。
音楽的に注目して聴くポイント
- ヴォーカル表現:Nick Caveの語り/叫びの幅。言葉の持つ衝撃やユーモアをどう使っているか。
- リズムの直線性:シンプルで強烈なビートが楽曲を牽引する場面。
- テクスチャーとノイズ:Warren Ellisのスパイス的な楽器使い(ヴァイオリンや電子音)、意図的な歪みやノイズ処理。
- 構築と即興のバランス:楽曲によってはその場での即興性が前面に出る箇所があり、演奏の熱さが伝わります。
GrindermanがNick Cave作品群にもたらしたもの
Grindermanを経たNick Caveは、Bad Seedsでもより幅のある表現を獲得しました。Grindermanでの「荒々しさ」「即興的な暴発」は、後の作品にも影響を与え、歌詞表現の振り切り方やバンドのダイナミクスの取り方に多分に活かされています。コレクションとしてGrindermanを押さえておくと、Nick Caveの創作軌跡を理解する上で非常に有用です。
買い物の実務的アドバイス(状態・出どころの見方)
- 盤の状態は必ず確認:ジャケットの潰れ、インナーの有無、付属品(帯やポスター)をチェック。
- 出品写真は細部まで確認:スリキズが見える場合やラベルの印字違いなどは評価に影響します。
- 限定盤・色違いは相場が跳ねることも:欲しい版が決まっているなら相場調査をしてから入札・購入を。
まとめ — どの一枚から入るべきか
まずは入門として『Grinderman(2007)』を推奨します。バンドの衝動性と代表曲を手早く体感できるためです。その後『Grinderman 2』、シングルや限定盤へと広げていくと、サウンドの変遷とディテールの面白さをより深く楽しめます。コレクター志向なら初回プレスや国内帯付き、限定カラー盤を狙うのが満足感が高いでしょう。
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参考文献
- Grinderman — Wikipedia
- Grinderman (album) — Wikipedia
- Grinderman 2 — Wikipedia
- Grinderman — AllMusic
- Grinderman — Discogs(リリース一覧・エディション情報)
- Grinderman — Mute(レーベル公式ページ)


