Catherine Wheel LP完全ガイド:シューゲイザー時代の名盤を時系列で聴くコレクション戦略

Catherine Wheel — 簡単な紹介

イングランド出身のCatherine Wheelは、1990年代のシューゲイザー〜オルタナティヴ・ロックの文脈で重要な役割を果たしたバンドです。初期のドリーミーで厚いギター・サウンドから、徐々にダイナミックで歌もの志向のロックへと移行していく過程が魅力で、アルバムごとに異なる表情を見せます。ここではレコード(LP)で聴く価値の高い代表作と、その聴きどころ・コレクター視点の注目点を深掘りして紹介します。

おすすめレコード一覧(深掘り解説)

Ferment (1992)

デビュー作にしてバンドの初期音像が凝縮された作品。厚いギター・ウォールと広がりのあるリヴァーブ、叙情的なメロディが特徴です。シューゲイズの要素が強く、静と動のコントラストに引き込まれます。

  • 聴きどころ:ドラマティックな展開を持つ楽曲、エモーショナルなヴォーカル、空間系エフェクトの効いたギター。
  • 代表曲(まず押さえたい):"Black Metallic"(バンドを代表する長尺の名曲)など。
  • レコード選びのヒント:初回プレスはコレクター的価値がある一方、再発のリマスター盤は音像がクリアで低域や分離感が改善されている場合が多いです。どちらを選ぶかは「当時の空気感(初回)」か「音質(リマスター)」かの好みで判断を。

Chrome (1993)

前作の空気感を残しつつ、より攻撃的でロック色の強いサウンドに振れた2作目。ギターの重心が下がり、リズムもタイトに。ライブでの爆発力を感じさせる楽曲が並びます。

  • 聴きどころ:より“ギター・バンド”的なアンサンブル、鋭さを増したリフ、ブリッジ以降の高揚感。
  • 代表曲(まず押さえたい):"Crank"、"Show Me Mary"など。
  • レコード選びのヒント:アルバム自体の音像はややドライでエッジが効くため、オリジナル盤でも十分迫力があります。リマスター盤は音の明瞭さが増すので好みで選んでください。

Happy Days (1995)

メロディ重視の楽曲構成へと傾き、ポップ性とダイナミズムのバランスが取れた中期の代表作。ラジオ寄りの曲も増え、バンドの“歌もの”としての強さが明らかになります。

  • 聴きどころ:メロディとアンサンブルの調和、比較的ストレートな曲構成と歌の前面化。
  • 代表曲(まず押さえたい):"Judy Staring at the Sun" など。
  • レコード選びのヒント:この時期の曲は音の分離が聴きやすさを左右するため、クリーンなリマスターや重量盤(180g等)を選ぶと楽曲の細部が楽しめます。

Like Cats and Dogs(B面・レア曲集)

シングルのB面曲や未発表トラックを集めたコンピレーションで、コアなファンや掘り下げて聴きたい人におすすめ。アルバムでは味わえない実験的なアプローチや別テイクが楽しめます。

  • 聴きどころ:曲ごとに異なるアレンジやレアな名曲、バンドの幅がよくわかる資料的価値。
  • レコード選びのヒント:こうしたコンピは廃盤になりやすく、状態の良い盤は相場が上がることもあるので、出所を確認して購入するのがおすすめです。

Adam and Eve (1997) と Wishville (2000)

90年代後半の2作はより内省的でダイナミクスに富みつつ、時にポップで時にダークな側面を見せます。バンドの成熟期として、楽曲の緻密さやアレンジの豊かさが光ります。

  • 聴きどころ:アレンジの多様化、楽曲ごとの色付けが強くなった点。近年の再評価も進んでいます。
  • レコード選びのヒント:後期作はオリジナル盤の流通が限定的なこともあるので、プレス情報をチェックして納得できる音質のものを選びましょう。

「レコード」で聴くときの楽しみ方(音楽的観点)

・曲間の空間、ギターの残響やリバーブ感、ドラムの空気感はアナログで聴くとより立体的に感じられることが多いです。Catherine Wheelの作品は、曲作りの微細なダイナミクスが魅力なのでLPで聴く意義が大きいです。

・アルバムごとの音作りの違い(初期の浮遊感→中期のタイトなロック→後期の精密なアレンジ)を時系列で並べて聴くと、バンドの変遷が手に取るように分かります。

コレクター向け・実務的な注意(購入前のチェック項目)

  • プレス情報を確認する:オリジナルプレス/再発/リマスター、プレス国(UK/US/EU)で音質やカッティングに差が出ることがあります。
  • 盤のコンディションと表記を確認:見た目だけでなくマトリクス(runout)表記やバージョン情報もチェックしましょう。
  • 限定色盤や限定パッケージはコレクターズアイテムになる反面、音質は通常盤と同じとは限らないので、購入目的(コレクションか音質か)を明確に。
  • 信頼できるセラーやショップ、レビュー・サンプル音源がある場合は積極的に確認すること。

代表曲(まず聴いてほしいキラー・トラック)

  • Black Metallic
  • Crank
  • Judy Staring at the Sun
  • (上記以外にもB面やEPに良曲が多く、Like Cats and Dogsなどのコンピで発見が楽しめます)

まとめ

Catherine Wheelはアルバムごとに異なる顔を見せるバンドで、LPで順に聴くことでその変遷をより鮮明に追えます。初期の浮遊感を楽しみたいなら「Ferment」、ロックの直進力を味わいたいなら「Chrome」、メロディ重視なら「Happy Days」をまず押さえるのが定石です。コレクション目的ならプレスやパッケージ情報をよく確認して、自分の「聴きたい音」と「集めたい盤」を照らし合わせて選んでください。

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参考文献