Hardwellのおすすめレコード完全ガイド|SpacemanからUnited We Areまでの制作ポイントと聴きどころ

はじめに

Hardwell(ロバート・ヴァン・デ・コルプト)は、2010年代前半からEDMシーンを牽引してきたオランダ出身のプロデューサー/DJです。ビッグルームやエレクトロハウスを基軸に、メロディアスなトラックやフェスを意識したアンセムで多くのフロアを席巻しました。本稿では「レコード(=作品)」という観点で、Hardwellのおすすめ音源を深堀りして紹介します。楽曲の背景、サウンドの特徴、リリースの位置付けや聴きどころにフォーカスして解説します(レコード盤そのものの再生・保管・メンテナンスに関する解説は含めません)。

おすすめレコード(代表曲・名盤)一覧

  • Spaceman(シングル)

    Hardwellの代表曲にしてブレイクスルー・トラック。インストのオリジナルはサビの荘厳なシンセとシンプルで強烈なドロップが特徴で、EDMフェスのアンセムとして広く支持されました。楽曲の構成は「静→盛り上げ→大きな解放(ドロップ)」をストレートに描き、ライブやDJセットでの即効性が高い一曲です。様々なリミックスやヴォーカル・バージョン("Call Me a Spaceman"など)も存在し、作品としての存在感が強いです。

  • Zero 76(with Tiësto)

    Tiëstoとのコラボ曲で、オランダの都市コード(ゼロ76)に由来するタイトル。初期Hardwellサウンドのダイナミックさとトランス寄りの広がりを併せ持ち、2010年代初頭のビッグルーム/EDM勢力の勢いを象徴する一曲です。共作ならではのサウンド設計やフェーズ感、フロアに訴求する要素が学べます。

  • Apollo (feat. Amba Shepherd)

    メロディックでエモーショナルなボーカルハウス寄りのトラック。Amba Shepherdのヴォーカルと融合したメロディラインは、Hardwellが単なるビッグルームの旗手だけでなく、エモーショナルなトラックを作れるプロデューサーであることを示しました。アレンジの緩急、ボーカルの活かし方、サビの作り方などを学ぶのに適した作品です。

  • Dare You (feat. Matthew Koma)

    ポップ寄りの構成とラジオフレンドリーな完成度を持つシングル。キャッチーなメロディとヴォーカル・フックが目立ち、EDMをポップチャートに橋渡しした例のひとつです。プロダクション面ではボーカルの処理、コーラスの重ね方やブレイクダウンの組み立てが参考になります。

  • United We Are(アルバム、2015)

    Hardwellの初フルアルバムで、多彩なゲストとジャンル横断的な曲調が並びます。フェス向けのアンセムから、よりメロディ重視の楽曲、そしてポップ色の強い曲まで幅広く収録。アーティストとしての懐の深さや、アルバムとして世界観を作る技術を学べる重要作です。アルバム制作における曲順やダイナミクスの付け方を知る手がかりにもなります。

  • Hardwell Presents Revealed(コンピレーション/Revealed Recordingsシリーズ)

    Hardwellが主宰するレーベルRevealed Recordingsのコンピレーションは、彼がセレクトした最新のクラブチューンや自身の楽曲をまとめたキュレーション作品です。Revealedの各Volumeはその時々のシーン感やトレンドを切り取っており、Hardwellの音楽的視点やシーンへの影響力を知る上で有益です。

  • Hardwell & Friends(EPシリーズ)

    コラボレーションを通じて幅広いサウンドを取り込むシリーズ。若手や他ジャンルのプロデューサーとの接点が増え、Hardwellのサウンドがどのように変化・拡張していったかがわかります。コラボごとに異なる制作アプローチが見られるため、プロダクション面での比較教材としても面白いです。

  • Young Again(楽曲)

    エモーショナルなメロディと歌ものアプローチを強めたナンバーで、クラブ/フェスの枠を越えてリスナーの心に残るタイプの曲。ヴォーカルと楽器のバランス、ドラマチックな展開の作り方が参考になります。

各レコードの聴きどころ(制作・サウンド面からの深掘り)

  • メロディとサウンドデザインの両立
    Hardwellの魅力は「大きなメロディ」を主軸に、太いシンセリードやパーカッシブな要素でトラックを支える点にあります。Spacemanのようにリードシンセだけでアンセム性を作り出す技術や、Apolloのようにボーカルメロディを引き立てるサウンド設計は学ぶ価値が高いです。

  • 構成のテンポ感(ビルド→ドロップ)
    フェス向けトラックではビルドアップの「引き」とドロップの「一撃」が鍵になります。Hardwellの楽曲はドラマを作るための余白(ブレイク)と、解放としてのドロップのコントラストが明確です。テンポ感の作り方やエフェクトの使い分けに注目してください。

  • コラボレーションによる色の違い
    TiëstoやMatthew Komaなどとの共作では、相手の色が楽曲に反映され、Hardwell本人のサウンドを別角度から見ることができます。プロデューサー同士の影響と折衷点を音で追うことで、アレンジやミックスの考え方が深まります。

  • レーベル・コンピの意義
    Revealedシリーズのようなコンピは単なる曲集ではなく、その時代のシーンやトレンドを示す「音の年鑑」です。多様な楽曲を並べて比較することで、サウンドの変遷や流行のエッセンスが見えてきます。

選び方のアドバイス(購入前に考えるポイント)

  • 「何を求めるか」を明確にする:フェス向けのアンセムを欲しいのか、歌もののエモーショナルな曲を探しているのかで選ぶ作品は変わります。

  • リリース形態を確認:シングル/アルバム/コンピで得られる体験は異なるため、目的に合わせて選ぶと良いです(アンセム1曲狙いならシングル、アーティストの幅を知りたいならアルバムやコンピ)。

  • コラボやリミックスをチェック:同じ曲でもリミックスやヴォーカル版で印象が大きく変わることがあります。複数バージョンを聴き比べると新たな発見があります。

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参考文献