The Guess Whoの名盤を徹底解説:おすすめアルバムとレコード聴きどころ・収集ポイント
はじめに
The Guess Who はカナダ出身のロック・バンドで、1960年代後半から1970年代前半にかけて、ポップ・ロック、ブルース、サイケデリック/ソウルの要素を取り入れた楽曲で国際的な成功を収めました。バートン・カミングス(歌/キーボード)とランディ・バックマン(ギター)の黄金期を中心に、シングルヒットとアルバムの両面で魅力的な音楽を残しています。本コラムでは、バンドの代表作と「レコードで聴く価値」が高いおすすめアルバムをピックアップし、楽曲的な聴きどころやアルバムごとの特徴を深掘りして紹介します。
おすすめレコード一覧(選定基準)
選定は以下を基準にしました:代表曲の収録、アルバムとしてのまとまり、バンドの歴史的・音楽的意義、レコードコレクションとしての魅力(初期のサウンドや名演を収めた盤)。
- Wheatfield Soul(1969)
バンドの国際的ブレイクスルーをもたらしたアルバム。ソウルフルで厚みのあるアレンジと、バートン・カミングスの表現力が際立ちます。
- 代表曲:These Eyes — 美しいメロディとコーラスが特徴のバラードで、バンドの名前を世界に知らしめた曲。
- 聴きどころ:ストリングスやホーンを用いたアレンジが、ロックとポップのバランスを巧みに作り上げています。アルバム全体に浸ると、当時の制作感やバンドの演奏力がよく伝わります。
- Canned Wheat(1969)
同年にリリースされ、バンドがロック寄りのダイナミズムを示した2作目。バンドの幅広さと演奏のタイトさが魅力です。
- 代表曲:Laughing、Undun — どちらもシングルヒットとなり、メロディとリズムの妙が際立つ楽曲。
- 聴きどころ:曲ごとの表情の振れ幅が大きく、ポップでキャッチーな曲からジャジーなインスト的展開まで楽しめます。Randy Bachmanのギター・プレイが際立つ瞬間も多いです。
- American Woman(1970)
世界的な大ヒット「American Woman」を擁する代表作。ヘヴィなギターリフとスモーキーなボーカルが印象的で、バンドの象徴的な1枚です。
- 代表曲:American Woman、No Time — 前者は特徴的なリフと社会的な歌詞が結びつき、後者はテンポ良く力強いロック・チューン。
- 聴きどころ:シンプルながら強烈なロックのダイナミズム。バンドが商業的にもアーティスティックにもピークを迎えた時期が凝縮されています。
- Share the Land(1970)
ランディ・バックマン脱退後、バンドが新体制で発表した作品群の中でも評価の高い作品。メッセージ性の強い楽曲が並び、アルバムとしての完成度が高いです。
- 代表曲:Share the Land、Hand Me Down World — 社会的テーマや共同体的な視線が感じられる曲。
- 聴きどころ:メロディ重視の曲作りと、バンドとしてのまとまりが感じられる点。変化期の音楽的探求が垣間見えます。
- So Long, Bannatyne(1971)
都会的な雰囲気とポップ・センスが融合した1枚。シングル向けの楽曲とアルバム曲のバランスが良く、聴き飽きない構成です。
- 代表曲:Runnin' Back to Saskatoon(ライブやシングルでの人気曲)など、地域性やルーツを感じさせるナンバーも。
- 聴きどころ:アレンジの巧みさとバートンのヴォーカル表現の成熟。ポップスとしての完成度を感じさせる楽曲が揃っています。
- Greatest Hits / Best Of(各種編集盤)
初めて聴くなら、代表曲をまとめて聴ける編集盤も有力な選択肢。オリジナル・アルバム単位とは別の楽しみがあります。
- メリット:ヒット曲をまとめて楽しめるため入門盤として最適。編集の質によっては当時のシングル・バージョンやモノミックスが収録されていることもあるので、収録内容をチェックして選ぶと良いです。
アルバム別に深掘りする聴きどころ(音楽的観点)
メロディ・メイキング:バートン・カミングスはピアノ/オルガンを含む鍵盤の使い手として、メロディラインを丁寧に作り上げます。バラードでは情感豊かに、アップテンポ曲ではフックを効かせる作風が特徴です。
ギター・アンサンブル:ランディ・バックマン在籍期の曲は、ギターリフの魅力がアルバムの推進力になっていることが多いです。アグレッシブなリズムとキャッチーなリフの組合せが、レコードで聴くと強く伝わります。
アレンジの幅:ストリングスやホーンの導入、サイケデリックなトーンなど、同時代のポップ/ロックの要素を巧みに取り入れており、アルバム全体の展開に奥行きがあります。
歌詞とテーマ:恋愛や個人的な感情だけでなく、社会的/文化的なテーマに踏み込む曲もあり、時代背景を音で感じ取れるのも魅力です。
レコード収集時の“選び方”ポイント(盤そのものではなく選定基準)
どの時期の音が好きかを考える:ランディ・バックマン在籍期(1968–1970頃)のロック寄りで硬質なサウンドが好みか、ポップでメロディアスな後期以降が好みかで選ぶアルバムが変わります。
シングル重視かアルバム重視か:代表曲中心に聴きたいならベスト盤、アルバムという作品単位で音楽的深みを楽しみたいならオリジナル・アルバムを。
収録バージョンを確認:編集盤や再発にはシングル・エディット、モノ/ステレオ差、別テイクが収録されていることがあるため、収録曲のバージョンをチェックすると良いです。
曲順やアルバムの流れを重視:アーティストとしての表現を楽しむなら、アルバムの曲順や流れが味わえるLP(オリジナル)がおすすめです。
聴くタイミング別のおすすめ
はじめて聴くとき:代表曲を網羅した編集盤→気に入ったら該当オリジナル・アルバムへ。
じっくり作品世界を味わいたいとき:Wheatfield Soul や Canned Wheat を通して聴く。時代の演奏感とアレンジの幅を感じられます。
ロックの迫力を求めるとき:American Woman(同名曲のインパクトが強い)をおすすめします。
最後に
The Guess Who は「一曲のヒット」以上にアルバム単位で味わう価値があるバンドです。ヴォーカル、楽曲構成、アレンジのバランスが良く、LPで聴くと時代の空気や演奏の温度感がより伝わってきます。まずは代表曲を通して興味が湧いたアルバムを一枚手に取ってみてください。きっと新たな発見があります。
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