Gerry Raffertyの名盤をアナログ盤で楽しむ完全ガイド|City to Cityを軸に聴き方とおすすめ盤を徹底解説

はじめに — Gerry Raffertyとは

Gerry Rafferty(ジェリー・ラファティ、1947–2011)は、スコットランド出身のシンガーソングライター。1970年代後半に世界的ヒットを放ち、「Baker Street」をはじめとする都会的で叙情的なメロディ、緻密なアレンジ、そして歌詞に滲む郷愁が多くのリスナーを惹きつけました。フォーク出身の確かなソングライティングと、ポップ/ロック的なプロダクションが絶妙に混ざり合った音楽世界は、アナログ・レコードで聴くとその魅力がより鮮明になります。

おすすめレコード一覧(深掘り付き)

City to City (1978)

ジェリー・ラファティの代表作にして商業的成功をもたらしたアルバム。シングル「Baker Street」は象徴的なサックス・フレーズで知られ、アルバム全体を通してメロディの力強さと洗練されたプロダクションが際立ちます。

  • 聴く理由:ポップ性とフォーク的な叙情がバランス良く融合した名盤。メロディの強さ、ヴォーカルの表現力、スタジオ・アレンジの完成度が高い。
  • 注目ポイント:「Baker Street」のサックス・ソロは楽曲の象徴。曲ごとのダイナミクスや音像の広がりを楽しんでください。
  • おすすめの聴きどころ:シングル曲以外にも、アルバム全体の流れと緻密なアレンジが味わい深いのでA面から通して聴くことを推奨します。

Night Owl (1979)

City to Cityの成功を受けて発表されたアルバムで、前作の延長線上にありながらさらに成熟したソングライティングを感じさせます。シンセやリズムの使い方が洗練され、夜の情景を描くような楽曲群が並びます。

  • 聴く理由:メロディや歌唱表現の幅が広がり、アルバム単位での完成度が高い。歌詞の内省性や郷愁が深く響きます。
  • 注目ポイント:制作面でのこだわりが感じられるアレンジ。City to Cityを気に入った人が次に聴くと発見が多い一枚です。

Stealers Wheel — Stealers Wheel (1972–1973)

ラファティが在籍したバンド、Stealers Wheelのセルフ・タイトル・アルバム(およびシングル集)。グループでの代表曲「Stuck in the Middle with You」は広く知られており、ラファティの活動初期を知るうえで重要です。

  • 聴く理由:バンド・サウンドによる曲作りのダイナミクスとポップセンスを堪能できる。ラファティのソングライティングがバンド編成でどう機能するかがわかる。
  • 注目ポイント:「Stuck in the Middle with You」は一聴の価値あり。ソロ作とは違うロック/ポップ色が強い作品群を含みます。

Can I Have My Money Back? (1971)

ラファティのソロ初期作。フォークやアコースティック色が色濃く出たアルバムで、後のソロ名盤につながる基盤が見えます。レアリティや音の雰囲気を楽しみたいコレクターにもおすすめです。

  • 聴く理由:初期の素朴な曲作りと表現力を味わえる重要作。ソロとしての出発点を確認できます。
  • 注目ポイント:アコースティックな編成や歌詞の素朴さが魅力。後年の洗練と比較すると味わい深い対比が楽しめます。

Snakes and Ladders (1980)

Night Owlの後に発表された作品で、ラファティのキャリアにおける過渡期に位置付けられるアルバム。ポップ性と内省的要素が混ざり合います。

  • 聴く理由:時期的に変化が見られる作品で、ラファティの多面性を理解するうえで役に立ちます。
  • 注目ポイント:メロディの質は変わらず、アレンジや音作りの選択肢が広がっている点に注目。

編集盤・ベスト盤(入門に最適)

初めてラファティを聴くなら、編集盤やベスト盤も有効です。代表曲を一度に把握できるため、その後気に入ったアルバムを深掘りする流れが自然です。

  • 聴く理由:重要曲を押さえることで、ソロ期とバンド期の違いや楽曲のバリエーションを短時間で理解できます。
  • 注目ポイント:編集盤は収録曲やリマスタのクオリティが版によって差があるため、ライナーや収録元(オリジナル・ステレオ/リマスター)を確認すると良いです。

作品を深掘りする際のポイント

レコードとしてラファティの音楽をより深く味わうための聴取上の観点:

  • アルバム単位の「流れ」を意識する:代表曲だけでなく、アルバム全体の構成や曲間のムードの移り変わりを味わうと新たな魅力が見えてきます。
  • 歌詞の世界に注目する:都市と郷愁、旅と帰属意識といったテーマが繰り返し現れます。歌詞を読みながら聴くと感情の厚みが増します。
  • 編曲・空間表現を味わう:ストリングスやホーン、エレクトリック・ピアノ、サックスなどの使い方で作品のムードが形作られています。各楽器の存在感に耳を澄ませてみてください。
  • バンド期との比較:Stealers WheelやThe Humblebums時代とソロ作を比較すると、ソングライティングの変遷や表現スタイルの変化が分かりやすいです。

どの盤を選ぶか(プレス/再発についての一般的アドバイス)

オリジナル・アナログ盤、リマスター再発、国内盤・輸入盤など、盤によって音質や収録内容が異なります。重要なのは収録マスター(オリジナル・マスターかリマスターか)と盤の状態です。特にCity to Cityのような名盤は複数の再発が出ているので、ライナーやクレジットを見てどのマスターが使われているかを確認すると良いでしょう。

聴き方の提案(プレイリスト的順序)

  • まずはベスト盤で代表曲に触れる(導入)
  • City to CityをA面から通して聴く(入門の完成形)
  • Night Owl→Snakes and Laddersで時期の流れと変化を追う
  • Stealers WheelやCan I Have My Money Back?で初期/バンド時代の側面を知る

最後に

Gerry Raffertyの魅力は一聴して分かるキャッチーさと、繰り返し聴くことで深まる叙情性の両立にあります。アナログ盤で聴くと、ヴォーカルの質感やアレンジの細部がより生々しく伝わるため、アルバム単位でじっくり向き合うのがおすすめです。

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参考文献