Argent(アルジェント)徹底ガイド:名盤おすすめ・聴き方・コレクションの極意

Argent — 概要と位置づけ

Argentは1969年にザ・ゾンビーズのキーボーディスト、ロッド・アルジェント(Rod Argent)を中心に結成された英国のロック・バンドです。ロッドのオルガンを軸にしたプログレッシブ色と、ラッス・バラード(Russ Ballard)のシンプルでキャッチーなソングライティングが混ざり合い、ハードなリフやメロディアスなポップ、そして時に叙情的な大曲まで幅広い表情を見せました。

コレクションとしての魅力

Argentのレコードを集める魅力は「曲の多彩さ」と「演奏の良さ」にあります。シングル・ヒット級のポップ性(例:「Hold Your Head Up」)と、バンドとしての演奏力やアンサンブルの緻密さ(ロッドのオルガン・ソロ、リズム隊の堅実さ)が両立しているため、ひとつのバンドでロック/プログレ/ポップの異なる楽しみ方ができます。中古市場でも比較的見つけやすく、良い個体を見つければ音質的な満足度も高いです。

おすすめレコード(アルバム別深掘り)

  • All Together Now(1972)

    Argentを代表する名盤的な1枚。ここから生まれたシングル「Hold Your Head Up」は、バンドの代名詞となった名曲で、ロッド・アルジェントのオルガン・ソロが強烈に印象に残ります。全体としてはメロディ重視ながら演奏力も高く、アルジェントのポップとプログレのバランスが最も分かりやすい作品です。初心者が最初に手に取るべきレコード。

    聴きどころ:

    • 「Hold Your Head Up」のドラマティックな展開とオルガン・ソロ
    • ラッス・バラードとロッド・アルジェントの楽曲の対比(キャッチーさと深み)
  • In Deep(1973)

    商業的にも成功した後の作品で、アンセミックな楽曲「God Gave Rock and Roll to You」(ラッス・バラード作、後にKISSがカバー)を含む一枚。プロダクションはやや洗練され、バンドとしての表現の幅が広がったことを感じさせます。叙情性とロックの融合が強まった作風で、中期Argentの充実を示す代表作です。

    聴きどころ:

    • 象徴的なタイトル曲のカタルシス
    • アレンジ面での凝り方(ストリングスやコーラスの活用)
  • Ring of Hands(1971)

    デビュー直後の作品に比べてプログレッシブ/アート志向が強く出た一枚。楽曲の構成やダイナミクスに工夫が見られ、ロッドのクラシカルな要素とロックが融合したサウンドが味わえます。重厚さと内省的な曲が好きなリスナーにおすすめ。

    聴きどころ:

    • 曲の構成美、楽器間の会話のようなアレンジ
    • バンド全体の演奏力が際立つトラック群
  • Argent(1970) — デビュー作

    Argent結成直後の素顔が見える初期作。試行錯誤と個性の表出が混在し、後の作風の種が見つかるアルバムです。初期のロック的アプローチや、ラッス・バラード / ロッドの楽曲スタイルを確認するのに向いています。

    聴きどころ:

    • バンドの基礎が聴けること
    • 後の名曲群へつながるアイデアの萌芽
  • Nexus(1974)および後期作(Circusなど)

    1974年以降はメンバーやプロダクションの変化があり、作風もより多様になっていきます。Nexusはヘヴィさとメロディを両立させつつ、バンドとしての成熟を示した作品。Circus(1975)あたりはさらにポップ寄り/実験寄りの要素が混在します。コレクションとしては「時代の変化を追う」意味で揃えておくと面白いでしょう。

    聴きどころ:

    • バンド編成やアレンジの変遷を追える点
    • 後期に見られる異なる作曲アプローチ

初心者向けの聴き方と選び方のコツ

  • まずはAll Together Nowでピーク時のArgent像を把握する。ヒット曲とアルバム曲の両面で魅力が伝わります。
  • 曲ごとの作曲者(ラッス・バラード作はキャッチー、ロッド作は叙情的・プログレ寄り)を意識して聴き分けると、バンドの二面性が楽しめます。
  • アルバム毎のプロダクションの違い(生々しさ vs. 洗練)に注目すると、時代や制作背景が感じ取れます。
  • シングル曲だけでなくアルバム曲も掘ること。Argentはアルバム収録曲に名曲級の演奏が潜んでいることが多いです。

レコード・エディション選びのアドバイス(簡潔に)

  • オリジナル・プレスは音の温かみや当時のミックス感が楽しめるため優先候補。ただし盤質は中古個体によるので状態を重視。
  • リマスター/再発はノイズ低減やクリアな高域が期待できるため、ヴィンテージのノイズが気になる場合は良好なリイシューもおすすめ。
  • 購入前にトラックリストやクレジット(シングル版とアルバム版で別テイクがある場合がある)を確認すること。

Argentの代表曲リスト(聴いておきたい10曲の目安)

  • Hold Your Head Up
  • God Gave Rock and Roll to You
  • Tragedy
  • Sweet Mary
  • Dance in the Smoke
  • It's Only Money, Part 1(などのアルバム曲)
  • (アルバム通してゆっくり楽しむことを推奨。曲名は盤ごとに異なるため購入前に確認を)

まとめ

Argentは「一枚でバンドの両面性を味わえる」稀有な存在です。ポップで親しみやすい楽曲と、テクニカルで深みのあるアルバム曲の両方を楽しめます。レコードで集めるなら、まずはAll Together NowとIn Deepを押さえ、その後Ring of Handsやデビュー作、後期作へと広げていくのが自然な流れです。

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参考文献