Ian DuryとThe Blockheadsの名盤入門ガイド|聴き方とおすすめアルバム一覧(New Boots and Panties!! 〜 Mr. Love Pants)

Ian Dury — 短いイントロダクション

Ian Dury(イアン・デューリー、1942–2000)は、パンク/ニュー・ウェイヴ期に台頭した英語詞の独特な語り口とソウルフルなグルーヴを兼ね備えたシンガー・ソングライター/パフォーマーです。彼の作品はユーモアとペーソスが混ざり合い、労働者階級的な視点や人間観察に富んだリリックが特徴。バックを務めたThe Blockheads(ザ・ブロックヘッズ)の演奏力も相まって、1970年代後半から80年代にかけて英国ポップの中で特異な存在感を放ちました。

おすすめレコード:全体の選び方のポイント

  • 「歌詞」と「ヴォーカル・パフォーマンス」を重視するなら初期のスタジオ盤(1977〜1979年)を。
  • バンドのプレイを楽しみたいなら、The Blockheads が結成された後の作品やシングル(特にベーシスト Norman Watt‑Roy のプレイが際立つ曲)を。
  • 晩年の作品は彼の声と表現の変化を追うのに向いています。復帰作やコンピレーションも名曲のまとまりとして便利です。

New Boots and Panties!!(1977)

イアン・デューリーの出世作にして、英国パブロック〜ニュー・ウェイヴの名盤。ソロ名義のアルバムですが、後のBlockheadsメンバーも関与しています。日常的で皮肉の効いた歌詞、物語性のある楽曲が並び、デューリーの文才が遺憾なく発揮された一枚です。

  • 代表曲例:Billericay Dickie、Sweet Gene Vincent、My Old Man
  • おすすめポイント:語りかけるようなヴォーカルと英国的ユーモアが詰まっており、デューリー入門に最適。
  • 聴きどころ:歌詞の描写力、ロウでスウィンギーなバックの演奏、Chaz Jankel のメロディ感覚との相性。
  • 探すなら:オリジナルのStiff Records盤(UK初期プレス)はコレクターズアイテム。再発盤ではリマスターやボーナストラックの有無を確認するとよい。

Do It Yourself(1979)

Ian Dury & The Blockheads 名義での作品。シングル「Hit Me with Your Rhythm Stick」(1978年リリース、1979年にチャート1位を記録)はこの時期のハイライトで、ファンや音楽誌でも高く評価されています。ファンク、ジャズ、ポップが混ざったバンドの演奏力がより前面に出た作品です。

  • 代表曲例:Hit Me with Your Rhythm Stick(シングル)、I Want to Be Straight、There Ain't Half Been Some Clever Bastards
  • おすすめポイント:バンドのタイトでグルーヴィーなサウンド、ダンス性と歌謡性が同居する魅力。
  • 聴きどころ:Norman Watt‑Roy のベースラインやリズム隊のスウィング感、デューリーの独特のフロウ。
  • 探すなら:シングル盤(7インチ)とアルバム初期プレスを比べ、収録曲やミックスの違いをチェックすると発見があります。

Reasons to Be Cheerful(シングル)/その他シングル群(1979ほか)

アルバム単体ではなくても、デューリーの代表作の多くはシングルで発表され、後年にコンピレーションでまとめられることが多いです。「Reasons to Be Cheerful (Part 3)」や「Sex & Drugs & Rock & Roll」など、彼のキャラクターがよく表れた短いフォーマットは入門に向きます。

  • 代表曲例:Sex & Drugs & Rock & Roll、Reasons to Be Cheerful (Part 3)
  • おすすめポイント:曲ごとの即効性と歌詞のギャグ感、ポップスとしての完成度を短時間で味わえる。
  • 聴きどころ:ライブでの定番にもなった曲が多く、スタジオ録音とライブ録音の比較も面白い。

Laughter(1980)〜晩年のアルバム群

1980年代に入ってからの作品群はバンドの編成や音作りが変化し、デューリー自身の表現も深みを増しています。アルバム単位での評価は賛否両論ありますが、通史を追うためにはチェックしておきたい作品です。1990年代末の「Mr. Love Pants」(1998)は、長いブランク後の良質な復帰作として注目されました。

  • 代表曲例:Laughter に収録の曲や、Mr. Love Pants のシングル曲など(アルバムごとに特色があるため、気になるアルバムを通して聴くのがおすすめ)
  • おすすめポイント:初期の衝動とは別の成熟した歌唱と作曲、時代による音作りの変化を知る手がかり。
  • 聴きどころ:歌詞の内省性や成熟味、バンド編成の違いによるアレンジの幅。

コンピレーション/ライブ盤の活用法

代表曲を効率的に聴きたい場合やシングルB面やライブ音源を含めて楽しみたい場合、良好にまとめられたベスト盤/コンピレーションは有用です。初期のスタジオ盤で聴ける生々しさと、ライブ盤での生のエネルギーは異なる魅力があるので、両方を押さえると理解が深まります。

音楽的特徴と楽しみ方の提案

  • リリックに注目する聴き方:デューリーは語り・言葉遊び・地方色ある人物描写が得意。歌詞の一行一行を追うだけで短編小説のような楽しみがあります。
  • バンド演奏に注目する聴き方:The Blockheads の楽曲はベースとリズムのグルーヴ、ブラスや鍵盤のアレンジが効いているので、パートごとにフォーカスして聴くと新たな発見があります。
  • 時代背景を踏まえる聴き方:英国の社会状況やサブカルチャーと絡めて聴くと、歌詞の諧謔や皮肉が一層立体的に響きます。

どの盤を買うか(まとめ)

  • 入門:New Boots and Panties!!(1977)+代表シングル集
  • バンドの力を味わう:Do It Yourself(1979)とHit Me with Your Rhythm Stick のシングル盤
  • もう少し深掘り:Laughter 以降のアルバムや Mr. Love Pants(1998)で晩年の変化を確認
  • 補助:信頼できるベスト/コンピレーション盤で未収録シングルやB面をチェック

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