ジョニー・キッド&ザ・パイレーツ 徹底ガイド:聴くべき名盤と初期シングル、コレクションの選び方

序文 — Johnny Kidd and the Pirates を聴く意義

Johnny Kidd and the Pirates(ジョニー・キッド&ザ・パイレーツ)は、1950〜60年代の英国ロックンロール/ビートの重要先駆者です。ヴォーカルのジョニー・キッド(Frederick Heath)と、ギタリストのミック・グリーンらによる演奏スタイルは、その後の英国ロック(特に60年代のビート・ムーブメントやロック・ギター・ワーク)に多大な影響を与えました。本稿では「レコード(盤)」に絞って、聴くべき代表シングルやアルバム、入手時のポイントや聴きどころを深掘りして紹介します。

おすすめレコード一覧(優先順)

  • 7インチ・シングル「Shakin' All Over」ほか初期シングル(HMV/EMIオリジナル・プレス)
  • 7インチ・シングル「Please Don't Touch」ほか1960年前後のシングル群(オリジナル盤)
  • シングル群をまとめたアンソロジー/コンピレーション(CD/LPのリマスター盤)
  • 1960年代後期〜のシングル(「I'll Never Get Over You」「Hungry for Love」など)オリジナル盤または良好な再発
  • ボックス/完全版コンピ(コレクター向けの"Complete Singles"的な編集盤、紙ジャケ/ブックレット付)

各レコードの詳しい解説と聴きどころ

「Shakin' All Over」(シングル)

なによりまずこれ。バンドの最も知られる代表曲で、独特のギター・リフとジョニーのしゃがれた声が生む雰囲気は一聴の価値あり。原盤の7インチ(HMV)で聴くと、当時の空気感やミックスのバランスがダイレクトに伝わります。

  • 聴きどころ:ギターのトーンとフレーズ、ジョニーの震えるようなヴォーカル・アプローチ、シンプルだが強力なリズムの押し。
  • どの盤を選ぶか:オリジナルのUKシングル(HMV)を第一候補に。入手困難な場合は、音質良好なリマスター収録のコンピ盤で雰囲気を確認。
  • 評価ポイント:オリジナル盤はプレスやラベル違いで微妙に音質が変わるため、聴き比べる価値あり。

初期シングル群(「Please Don't Touch」ほか)

ジョニー・キッドの初期ヒット群は、ロックンロール色が濃く、バンドの基本サウンドを確立した重要レコード群です。連続して聴けば、楽曲ごとの編曲の変化やジョニーの歌の成長が追えます。

  • 聴きどころ:コーラス処理、ブラスやピアノなどの編成の差、曲ごとのテンポとアタック感。
  • どの盤を選ぶか:各曲のオリジナル・シングル(HMVオリジナル・プレス)を推奨。手軽に聴きたい場合は、まとまったアンソロジーCDを。

1963年前後のポップ寄りヒット(「I'll Never Get Over You」「Hungry for Love」等)

60年代中期にはよりメロディアスでポップな曲もヒットします。これらのシングルはビート・ポップとロックンロールの接点を示す良い資料になります。

  • 聴きどころ:ハーモニー、ストリングスやピアノの使い方、歌メロの処理。
  • どの盤を選ぶか:オリジナル7インチ(プロダクションの質が分かりやすい)またはリマスター収録のコンピで音像を確認。

コンピレーション/完全盤(リマスター盤・ボックス)

個別のオリジナル盤が高価・入手困難な場合、良質なリマスターを含むアンソロジーや「Complete Singles」系の編集盤が実用的です。ブックレットで解説や写真が添えられているものは、背景知識を得るうえで便利。

  • 聴きどころ:時系列で並べられていればサウンドの変遷が把握できる。別テイクやプロモ音源を含む版もあるため、未発表や別ミックスを楽しめる。
  • どの盤を選ぶか:リマスタリングの評判(エンジニア名やリリース元)をチェック。ライナーノーツの情報量も選択基準に。

ライブ盤・別テイク(コアなファン向け)

公式/非公式を問わず、スタジオ録音とは別のダイナミクスを示すテイクやライブ録音も存在します。特にミック・グリーンのギターが前に出る瞬間を好むリスナーには魅力的です。

聴きどころの技術的解説(演奏面)

  • ミック・グリーンの奏法:シングル・コイル風の切れと同時にリズム・プレイを混ぜる“1人で2役”の感覚。彼のプレイは後の英国ギタリストに影響を与えています。
  • ジョニー・キッドのヴォーカル:しゃがれたトーンとシャウト寄りの表現が曲のエッジを作っている。表情の付け方がブルース/ロックンロールの橋渡しをする。
  • 録音の質:初期シングルはモノラル録音が中心。音場の左右広がりは少ないが、アタックや中域の抜けは良好で、古典的ロックンロールの良さが残る。

コレクター・購入ガイド(何を基準に盤を選ぶか)

  • オリジナル・ラベルを重視するなら:HMV(UK)オリジナル・プレスを第一に。ラベルのバリエーション(センターの穴周り、文字体など)でプレス世代が分かることも。
  • 音質重視なら:評判の良いリマスター盤やアナログの再発(最近は180gプレスなど)の方がノイズが少なく聴きやすい場合もあります。
  • 付属資料:ブックレットや未発表トラック、写真・解説の有無は後から資料価値が出ます。
  • 価格感:オリジナルの良盤は高価になりがち。まずは手頃なコンピでサウンドを把握してからコレクション対象を絞るのが現実的です。

聞き方の提案(アナログならではの楽しみ方)

  • A面B面を通しで聴く:シングルはA/B面の流れでバンドの幅が見えることが多い。表裏で異なる顔を楽しんでください。
  • 編年で聴く:初期〜中期〜晩期の流れを時系列で聴くと、アレンジや音作りの変化が浮かび上がります。
  • ギターに注目:ミック・グリーンの音作りやソロのニュアンスに集中すると、バンドとしての革新性がよく理解できます。

まとめ — どのレコードから始めるか

まずは「Shakin' All Over」などの代表シングルをオリジナルあるいは高品質なリマスターで聴くのが最短ルート。その後、初期シングル群→1963年頃のよりメロディ重視のシングル→コンピ/ボックスと進むことで、ジョニー・キッド&ザ・パイレーツの全体像と進化がしっかり掴めます。コレクションを始める際は、音質・資料性・予算のバランスを見て盤を選んでください。

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参考文献